すべての変換ジョブでは、検出されたソースと検出されたターゲットが1つずつ必要です。検出の操作によって、Portability Suiteのデータベースにマシンに関する詳細なインベントリ情報が入力されます。この情報は、マシンの用途を判別し、変換ジョブを適切に設定するために必要なデータを提供します。
Portability Suiteのネットワークディスカバリ機能は、オンライン状態の物理および仮想Windowsマシンのリストを自動的にPortability Suite Clientに入力します。完全検出とは異なり、ネットワークディスカバリではマシンのリストが作成されますが、ワークロードの移植容易性および保護のジョブに必要な、各マシンのインベントリの詳細情報は取得されません。
ネットワークディスカバリ機能は、単一のジョブでWindowsドメイン内のすべてのマシンを検出するために必要です。Windowsドメインに含まれるすべてのマシンの検出を参照してください。
Portability Suiteでは、自動ディスカバリ機能に関して標準のWindowsネットワークブラウザ機能が使用されます。Linuxベースのワークロードおよび仮想マシンのサーバは、Windowsネットワークブラウザに対してアドバタイズしないので、これらは自動検出されません。
ネットワークディスカバリ機能は、デフォルトで有効です。機能を無効にするか、有効/無効モードを切り替えるには、[Portability Suite Client]ウィンドウの右下隅にある
をダブルクリックします。個別の物理または仮想マシン、複数のマシン、個別の仮想マシンサーバ、または複数の仮想マシンサーバを検出できます。VMware vCenter Serverと提携するすべてのVMware ESXホスト
ディスカバリ操作を開始する前に、Portability Suite Serverがソースワークロードおよびターゲットと通信できることを確認します。『構成ガイド』の「ネットワーク通信の前提条件」を参照してください。
Portability Suiteのツールバーで、
をクリックします。または
[サーバ]ビューで、空白の領域を右クリックし、
を選択します。ダイアログボックスに、ソースまたはターゲットのホスト名またはIPアドレスを入力します。複数のマシンを検出するには、ホスト名またはIPアドレスをセミコロンで区切って指定します。
デフォルト以外のSSHポートを使用しているLinuxワークロードまたはVMware ESX Server 2.5および 3.0.xシステムを検出するには、標準のURL構文(規定通りに、hostname:portnumberまたはIP_address:portnumber)を使用してポート番号を指定します。ポート番号はVMware ESX Server 3.5、ESXi 3.5、および ESX 4 のシステムに対しては必要ありません。
検出したマシンのマシンの種類を選択し、管理者資格情報を入力します。マシンの種類を選択し、資格情報を指定するには、次のガイドラインを使用します。
検出対象 |
マシンの種類の選択 |
資格情報 |
備考 |
---|---|---|---|
Windowsのすべてのワークロード MSVS VMホスト イメージサーバ |
|
ローカルまたはドメインの管理者資格情報。 |
ユーザ名には、この構文を使用します。
|
Linuxのすべてのワークロード |
|
ルートレベルのユーザ名とパスワード |
ルート以外のアカウントは、sudoを使用できるよう適切に設定する必要があります。ナレッジベースの記事20711を参照してください。 |
VMware ESXホスト |
|
ルートレベルのユーザ名とパスワード |
|
VMware vCenter Serverと提携するVMware ESXホスト |
|
VMware vCenter Webサービスの資格情報(ユーザ名とパスワード) |
ESXホストとの以降すべての通信は、vCenter Serverを通して行われます。アクセスメカニズムをESXホストへの認証アクセスに使用されるアクセスメカニズムをリセットするを参照してください。 にリセットするか、または に戻るには、必要なESXホストの詳細を更新し、必要なオプションを選択します。 |
Citrix XenServer VMホスト |
|
ユーザ名rootと、関連付けられたパスワード |
XenServerホストは、現在ルートレベルの複数ユーザアカウントをサポートしていません。 |
Solarisワークロードおよびゾーンサーバ |
|
ユーザ名とパスワード |
Solaris RBAC (役割ベースのアクセス制御)を使用して、プライマリ管理者プロファイルを割り当てる必要があります。ナレッジベースの記事20711を参照してください。 |
メモ:Microsoft Hyper-V、Virtual Iron、およびXen Hypervisor仮想化ソフトウェアを持つホストを検出すると、これらのシステムがPortability Suiteソースワークロード(VMホストターゲットとは対照的に)として登録される結果になります。これらのプラットフォームをワークロードの移植容易性として使用するには、X2Pにより半自動化されたワークロードの仮想化を参照してください。
(オプション)将来のジョブで使用するために、これらの資格情報を保存する場合は、
オプションを有効にします。をクリックし、プロセスが完了するのを待ちます。
(オプション)ジョブの進行状況を監視する場合は、[ジョブ]ビューに切り替えます。
自動ネットワークディスカバリ機能を有効にします。ネットワーク内のWindowsコンピュータを含む[サーバ]ビューの事前作成を参照してください。
Portability Suite Clientで、検出対象のマシンを含むドメインリストを展開します。
ドメイン名を右クリックし、
を選択します。ドメインレベルの管理者の資格情報を指定します。
をクリックし、プロセスが完了するのを待ちます。
(オプション)ジョブの進行状況を監視する場合は、[ジョブ]ビューに切り替えます。
変換ジョブを設定する前に、ソースワークロードおよびターゲットを定期的に更新する必要があります。
ソースまたはターゲットマシンを更新する
[サーバ]ビューで、必要な項目を右クリックしてから、
を選択します。更新するシステムに適合した資格情報を入力してから、
をクリックします。Portability Suitは検出ジョブを開始します。これを、[ジョブ]ビューで監視できます。
vCenter Serverを通してESXホストを検出した場合、これらのVMホストとの以降すべての通信は、vCenter Serverを通して行われます。
このアクセスメカニズムを
にリセットするか、 に戻すには、以下の手順に従います。必要なESXホストを更新します。マシンの詳細の更新を参照してください。
アクセスの種類を選択するように要求されます。
必要なオプションを選択してから、
をクリックします。Portability Suiteは、指定されたメカニズムを使用して必要なESXホストを再検出します。このメカニズムはそのホストとの以降のすべての通信に使用されます。
物理ターゲットおよびイベントリを検出するには、制御の物理ターゲット取得ISOイメージを使って、ターゲットマシンをブートする必要があります。これは、CDやその他のメディア上にあり、そこからターゲットをブートできます。同様のプロセスが、半自動化された仮想化プロセスを使用する仮想化プラットフォームに、ワークロードをマイグレートするために使用されます。それによって、仮想マシンホスト上のターゲット仮想マシンが物理ターゲットと見なされます。X2Pにより半自動化されたワークロードの仮想化を参照してください。
ISOイメージを使用するには、それをNovell Customer Centerからダウンロードします。ご使用のターゲットマシンに適したイメージを使用します。
表 2-2 ターゲット物理マシンに対する制御の取得ISOイメージ
ターゲットタイプ |
ファイル名 |
|
---|---|---|
384MB以上のRAMを持つWindowsマシン |
winperamdisk.iso |
|
256~384MBのRAMを持つWindowsマシン |
winpe.iso |
|
Linuxマシン |
bootofxx2p.iso |
|
384MB以上のRAMを持つVirtual Iron上のWindows VM |
winperamdisk_virtualiron.iso |
Portability Suite Serverで物理ターゲットと見なされます。X2Pにより半自動化されたワークロードの仮想化を参照してください。 |
256~384MBのRAMを持つVirtual Iron上のWindows VM |
winpe_virtualiron.iso |
|
メモリサイズにかかわらずUnisys* ES7000マシン |
winperamdisk_es7000.iso |
|
変更されていない制御の取得ISOイメージを使用する場合、ターゲットをPortability Suite Serverに登録するには、これらの手順を完了します。登録プロセスを自動化するためにイメージを変更する方法については、ナレッジベースの記事20832を参照してください。
検出され登録されたすべての物理マシンは、サーバ同期ターゲットとしても使用できます。サーバ同期を持つワークロードの同期を参照してください。
適切な制御の物理ターゲット取得ISOイメージをCDに書き込むか、指定したメディアに保存して、そこからターゲットをブートできます。表 2-2, ターゲット物理マシンに対する制御の取得ISOイメージを参照してください。
ターゲットに接続されているネットワークスイッチポートが自動全二重に設定されていることを確認します。
WindowsバージョンのブートCDイメージは、自動ネゴシエート全二重のみをサポートし、これによりデュプレックス設定に競合がないようにします。
ブートCDを使用して、ターゲットの物理マシンをブートし、コマンドプロンプトウィンドウが開くのを待ちます。
データをブロックレベルで移動するには、「Y」を入力し、データをファイルレベルで移動するには「N」を入力します。ブロックレベルの転送を選択すると、ブロックベースのライブ転送方法(VSSブロックベースのライブ転送方法ではなく)が適用されます。サポートされる転送方法を参照してください。
要求されたら、次の構文でPortability Suite ServerのURLを入力します。
http:// server_host /PortabilitySuite
server_hostをPortability Suite Serverの実際のホスト名またはIPアドレスで置き換えます。
認証局を指定して、Portability Suite Serverの管理者レベルの資格情報を入力します。次の構文を使用します。
domain\username or hostname\username
指定した資格情報に対するパスワードを入力します。
利用可能なネットワークカードが検出され、MACアドレスで表示されます。
使用されるNICでDHCPを利用できる場合は、<Enter>キーを押して続行します。DHCPが利用できない場合は、目的のNICを静的なIPアドレスを使用して設定します。
IPアドレスを入力
サブネットマスクを入力
ゲートウェイを入力
物理マシンのホスト名を入力するか、<Enter>キーを押してデフォルト値を承認します。
Portability Suite Server上でSSLを有効にしている場合は
を入力しますが、そうでない場合は を入力します。検出されたマシンが含まれるPortability Suite Networkの名前を入力します。分からない場合は、<Enter>キーを押します。Portability Suite Serverはデフォルトネットワークを使用します。
しばらくすると、Portability Suiteの[サーバ]ビューには物理ターゲットが表示されます。
変更されていない制御の取得ISOイメージを使用する場合、ターゲットをPortability Suite Serverに登録するには、これらの手順を完了します。登録プロセスを自動化するためにイメージを変更する方法については、ナレッジベースの記事20832を参照してください。
適切な制御の物理ターゲット取得ISOイメージをCDに書き込むか、指定したメディアに保存して、そこからターゲットをブートできます。表 2-2, ターゲット物理マシンに対する制御の取得ISOイメージを参照してください。
ISO Ramdiskイメージを使用して、ターゲットマシンをブートします。
要求されたら、次の構文でPortability Suite ServerのURLを入力します。
http:// server_host /PortabilitySuite
server_hostをPortability Suite Serverの実際のホスト名またはIPアドレスで置き換えます。
Portability Suite Serverのご使用の資格情報を入力します。
スタティックIPアドレスを指定するか、マシンがDHCPサーバからダイナミックにIPアドレスを取得するように指示します。
ターゲットホストの名前を入力し、使用する既存のPortability Suite Network を指定します。
しばらくすると、Portability Suiteの[サーバ]ビューには物理ターゲットが表示されます。
Portability Suiteでは、ターゲットの物理マシンのPortability Suite Serverへの登録を自動化するメカニズムが提供されます。これには、ターゲットをブートする前に、特定の登録情報を使用した制御の取得ISOイメージの更新が含まれます。
詳細については、ナレッジベースの記事20832を参照してください。
2つのWindowsワークロードを同期させたい場合で、同期のターゲットが仮想マシンの場合、最初に、適切な仮想マシンを検出して登録する必要があります。サーバ同期機能については、サーバ同期を持つワークロードの同期を参照してください。
仮想マシンサーバ上で、目的のソースワークロードに一致するオペレーティングシステムプロファイルを持つ仮想マシンを作成します。
仮想マシンホストを検出するか、その詳細を更新します。
[サーバ]ビューで、仮想マシンサーバの下にある、新しく作成された仮想マシンを右クリックし、
を選択します。仮想マシンサーバ用に管理者の資格情報を指定します。
(オプション)将来のジョブで使用するために、これらの資格情報を保存する場合は、
オプションを有効にします。(オプション)仮想マシンサーバ上で利用可能な仮想ネットワークの中から使用するものを選択したり、TCP/IPの設定を行ったりするなど、一時的な制御の取得ネットワークの設定を行うには、
をクリックし、必要に応じてネットワーク設定を行います。をクリックし、ジョブが完了するのを待ちます。
完了すると、[サーバ]ビューのVMホストの下に新しいサーバ同期ターゲットが一覧表示されます。