2.3 ネットワーク通信の前提条件

運用ワークロードおよび仮想マシンサーバなどマイグレーションのソースまたはターゲットとして指定するマシンでは、前提条件とされる特定のソフトウェアコンポーネントがインストールされており、トランスポートレイヤプロトコル用の特定のポートが開いている必要があります。次のセクションでは、これらの必要条件の概要について説明します。

2.3.1 検出のためのネットワーク通信の前提条件

ご使用の環境で、システムが検出およびインベントリプロセスのために満たす必要のある、ソフトウェア、ネットワーク、およびファイアウォールの必要条件は以下の通りです。実際の検出処理に関する詳細については、『ユーザガイド』の「ソースワークロードおよびマイグレーションターゲットの検出」を参照してください。

表 2-2 検出操作のためのネットワーク通信の前提条件

システム

前提条件

Portability Suite Server

ポート80(HTTP)を開きます。Portability Suite Server、ソース、およびターゲット間の通信の維持のために必要です。

Microsoft* Windows* Server 2008およびWindows Vista*ソース

  1. ビルトインAdministratorまたはドメインの管理者アカウント資格情報(ローカル管理者グループ内のメンバーシップのみでは不十分です)。Vistaの場合、アカウントを有効にする必要があります(デフォルトでは無効です)。

  2. 有効にされたリモートレジストリサービス(Vistaの場合、デフォルトでは無効です)。

  3. これらの受信ルールの設定が有効であり、許可に設定されたファイアウォール:

    • ファイルおよびプリンタ共有(エコー要求 - ICMPv4In)

    • ファイルおよびプリンタ共有(エコー要求 - ICMPv6In)

    • ファイルおよびプリンタ共有(NBデータグラム受信)

    • ファイルおよびプリンタ共有(NB名受信)

    • ファイルおよびプリンタ共有(NBセッション受信)

    • ファイルおよびプリンタ共有(SMB受信)

    • ファイルおよびプリンタ共有(スプーラサービス - RPC)

    • ファイルおよびプリンタ共有(スプーラサービス - RPC-EPMAP)

    メモ:これらのファイアウォール設定は、セキュリティが強化されたWindows Firewallユーティリティ(wf.msc)を使用して構成されます。基本的なWindows Firewallユーティリティ(firewall.cpl)を使用する場合も同じ結果を実現できます。例外のリストで[ファイルおよびプリンタ共有]項目を選択します。

Windows Server 2008およびWindows Vista以前にサポートされていたすべてのWindowsソース

  • インストールされたWindows Management Instrumentation (WMI)

  • DCOM/RPCの場合ポート135/445 (TCP)を開く

Windows NT* Serverのデフォルトインストールには、WMIは含まれません。MicrosoftのWebサイトからWMI Coreを入手します。WMIがインストールされていない場合、ワークロードの検出が失敗します。

WMI (RPC/DCOM)では、TCPポート135および445に加えて、1024より大きいランダムまたはダイナミックに割り当てられたポートを使用できます。検出プロセス中に問題が発生した場合、DMZにワークロードを一時的に配置するか、またはファイアウォールが設定されたポートを検出プロセスに対してのみ一時的に開くことを検討します。

DCOMおよびRPCに対してポートの範囲を制限する方法など、追加情報については、次のMicrosoft技術情報記事を参照してください。

すべてのLinux* ソース

VMware* ESX Server 2.5

VMware ESX Server 3.0.x

Citrix* Xen* Server

Secure Shell (SSH)サーバ

ポート22 (TCP)を開く

SSHサーバがルートアクセス用に設定されていない場合、ESX 2.5および 3.0にはルート以外のアカウントを使用します。ルート以外のアカウントを使用する方法については、ナレッジベースの記事Q20711を参照してください。

カスタムSSHポートがサポートされています。検証中にポート番号を指定します。

VMware Server

VMcom API (オプションのVMware Serverインストールコンポーネント)

Portability Suite Serverホスト上にもインストールします。ナレッジベースの記事Q20297を参照してください。

VMware ESX Server 3.5、ESX 4、ESXi、vCenter Server

ポート443 (HTTPS)を開く

すべてのSolarソースワークロードおよびターゲット

Solaris RBAC (役割ベースのアクセス制御)を使用して、プライマリ管理者プロファイルを割り当てる必要があります。ナレッジベースの記事20711を参照してください。

2.3.2 ワークロードのマイグレーションおよび保護に関するネットワーク通信の前提条件

ご使用の環境で、ワークロードマイグレーションおよび保護ジョブ中に操作上の問題が発生しないように、システムが満たす必要のあるファイアウォールの必要条件は次のとおりです。

表 2-3 ワークロードの移植容易性および保護の操作に関するネットワーク通信の前提条件

システム

ポートを開く

備考

Portability Suite Serverホスト

80 (TCP)

Portability Suite Server、ソース、およびターゲット間のHTTP通信に必要です。

Portability Suite Serverホスト

443 (TCP)

Portability Suite Serverおよびソース間、またはターゲットマシン間のHTTPS通信(SSLを使用している場合)に必要です。これは、VMware Infrastructure 3 Webサービスのデフォルトポートでもあります。

すべてのソースワークロード

3725 (TCP)

I2Xジョブを除いて、ファイルレベルのデータ転送中に通信を開始するターゲットに必要です。この間、このポートはマイグレーションターゲット上でのみ開いている必要があります。ソースとターゲットの両方で必要なサーバの同期ジョブ

Windowsのワークロードおよびターゲット

137~139 (NetBIOS)

NetBIOS通信に必要です。

すべてのターゲット

9999 (TCP)

ブロックレベルデータ転送中に、ソースおよびターゲット間の通信に必要です。

すべてのターゲット

10000~10026 (TCP)

各ターゲットボリュームに対して異なるポートを使用した、ブロックレベルのデータ転送に必要です。

Portability Suite Serverホスト、すべてのソース

SMB

(TCP 139、445、およびUDP 137、138)

制御の取得のための通信およびファイルレベルのデータ転送に必要です。

すべてのLinuxソース

VMware ESX Server 2.5

VMware ESX Server 3.0.x

Citrix Xen Server

22 (TCP)

制御の取得のための通信に必要です。

Portability Suite Serverホスト

すべてのWindowsソース

135/445 (TCP)

Portability Suite Serverとソース間で、WMI経由でワークロードを制御し、再起動するためのDCOM/RPC通信用です。

メモ:WMI (RPC/DCOM)では、TCPポート135および445に加えて、1024より大きな、ランダムまたは動的に割り当てられたポートを使用できます。