9.0 高可用性クラスタでeDirectoryを展開する

NetIQ eDirectoryが高可用性をサポートする主な方法は、同期により複数サーバを設定する方法です。ただし一部の環境で高可用性を実現する場合、クラスタリングの方が実現性が高い選択肢となることがあります。

このセクションでは、共有ストレージを使って、高可用性クラスタ上でeDirectoryを環境設定するためのガイドラインについて説明します。このセクションでは、サポート対象のWindowsまたはLinuxプラットフォームの、一般的な高可用性クラスタの共有ストレージについて説明しています。特定のクラスタマネージャに特化したものではありません。

eDirectoryの状態データは、サービスを現在実行しているクラスタノードで使用できるように、共有ストレージに配置する必要があります。つまり、eDirectoryDIBは、クラスタの共有ストレージに配置する必要があります。各クラスタノード上のeDirectoryルートインスタンスは、共有ストレージのDIBを使用するよう設定する必要があります。

DIBの他に、サーバ固有のキーをクラスタノード間で複製するために、NICI (NetIQ International Cryptographic Infrastructure)のデータも共有する必要があります。すべてのクラスタノードが使用するNICIのデータは、クラスタ共有ストレージに配置する必要があります。

その他のeDirectory設定データやログデータも、共有ストレージに常駐する必要があります。

eDirectory 8.8 SP8には、LinuxサーバとWindowsサーバの両方で、指定した共有ストレージ場所へのデータコピー、適切な環境設定パラメータの更新、プライマリノード以外のクラスタノード上でのeDirectoryサービスの設定など、クラスタ環境内のeDirectoryを自動的に環境設定するユーティリティが用意されています。

以下のセクションの手順は、以下の前提条件に基づいています。

この章の構成は次のとおりです。