20.7 Migrate Agentによるワークロードの登録と詳細の検出

Migrate Agentは、ソースワークロードをPlateSpin Migrateサーバに登録して、ワークロードの詳細をHTTPS (TCP/443)経由でサーバに送信できるコマンドラインユーティリティです。登録では、次のように、検出が不可能な状態のワークロードを追加できます。

  • サイト間VPNを使用しないでクラウドにMigrateサーバを展開している場合

  • 企業のネットワークまたはポリシーの制限により、自動検出用にポートを開くことが禁止されている場合

Migrate Agentでは、SMBやNetBIOSなどのインバウンドポートを開かなくてもWindowsワークロードをマイグレートできます。必要なのは、ソースワークロードのアウトバウンド用のHTTPSとレプリケーションポート(デフォルトはTCP/3725)のみです。

ソースワークロードでMigrate Agentを使用すると、ソースワークロードはデータ転送のためにターゲットワークロードに接続します。この方向は、サーバレベルで制御されます。Migrate Serverでレプリケーションポート方向を再設定する必要があります(SourceListensForConnection=False)。詳細については、セクション 5.9, レプリケーションポートの接続方向の設定を参照してください。

Migrate Agentユーティリティは、各ソースワークロードにインストールする必要があります。registerオプションを使用すると、Migrate Agentはワークロード検出をローカルで実行して、その詳細をHTTPS (TCP/443)経由でMigrate Serverに送信します。ワークロードを登録した後、Migrate Webインタフェースを使用して、Migrate Serverインスタンスが展開されているターゲットクラウドへのワークロードマイグレーションを設定します。

登録されたワークロードは、検出されたワークロードと以下の点で異なります。

  • 登録されたソースワークロードのソース資格情報は、Migrate Serverには保存されません。

  • Migrate Agentを使用して、登録されたソースワークロードからWindows PlateSpinドライバをインストール、アップグレード、および削除する必要があります。

  • 登録されたソースワークロードの契約を削除した後、ワークロードからOFXコントローラを手動で削除する必要があります。詳細については、Linuxワークロードのクリーンアップを参照してください。

Migrate Agentの詳細については、Migrate Agentユーティリティを参照してください。

20.7.1 Migrate AgentによるWindowsワークロードの登録と検出

  1. ソースWindowsワークロードに管理者としてログインします。

  2. ワークロードでTCPポート443が開いていることを確認します。

  3. WindowsのMigrate Agentユーティリティをダウンロードします。MigrateAgent.cli.exeファイルをワークロード上の使いやすい場所に保存します。

    詳細については、Windows用のMigrate Agentユーティリティを参照してください。

  4. 管理者プロンプトで、ファイルを保存した場所に移動して、次のように入力してコマンドヘルプを表示します。

    MigrateAgent.cli.exe help
  5. ワークロードを適切なMigrate Serverクラウドインスタンスに登録します。以下を入力してください。

    MigrateAgent.cli.exe /register /psserver=ps_dns_or_ipaddr <username> /password=<password>

    ワークロードを追加するのに必要な許可を持つPlateSpin Migrate Serverの管理者レベルユーザの資格情報を指定します。/password=オプションを使用してパスワードを指定するか、-pwdfile=オプションを使用してパスワードを含むファイルへのパスを指定することができます。または、コマンドシーケンスでパスワードを指定しないことも選択できます。コマンドラインでパスワードを指定しないと、スクリプトによりパスワードが要求されます。パスワードを入力する際は文字列が隠され、プロセスリストには表示されません。

    次に例を示します。

    Migrate.Agent.cli.exe /register /psserver=10.10.10.101 /username=jsmith /password=jspwd

    メモ:Migrate ServerのパブリックIPアドレスを変更する場合は、そのサーバに対して設定されているそれぞれのソースWindowsワークロードで、次のコマンドを実行してIPアドレスを変更する必要があります。

    MigrateAgent.cli.exe /config /setting=psserver:<new-ps-dns-or-ipaddr>

    次に例を示します。

    MigrateAgent.cli.exe /config /setting=psserver:10.10.20.202

20.7.2 Migrate AgentによるLinuxワークロードの登録と検出

Linux用のMigrate Agentユーティリティでは、ソースマシンにGNU Cライブラリ(glibc) 2.11.3以降がインストールされている必要があります。

  1. ソースLinuxワークロードにrootユーザとしてログインします。

  2. ワークロードでTCPポート443が開いていることを確認します。

  3. Linux用のMigrate Agentユーティリティをダウンロードします。ダウンロードしたファイルを/MigrateAgentディレクトリに抽出します。

    詳細については、Linux用のMigrate Agentユーティリティを参照してください。

  4. ターミナルで/MigrateAgentディレクトリに移動し、次のように入力してコマンドヘルプを表示します。

    ./MigrateAgent -h
  5. ワークロードを適切なMigrate Serverクラウドインスタンスに登録します。以下を入力してください。

    ./MigrateAgent register [-h] <ps_dns_or_ipaddr> <ps_username> [[-p <user_password>] | [-pf <passwordfile_path>]]

    クラウドのPlateSpin Migrate ServerインスタンスのIPアドレスまたはDNS名を指定します。ワークロードを追加するのに必要な許可を持つPlateSpin Migrate Serverの管理者レベルユーザの資格情報を指定します。-pオプションを使用してパスワードを指定するか、-pfオプションを使用してパスワードを含むファイルへのパスを指定することができます。または、コマンドシーケンスでパスワードを指定しないことも選択できます。コマンドラインでパスワードを指定しないと、スクリプトによりパスワードが要求されます。パスワードを入力する際は文字列が隠され、プロセスリストには表示されません。

    次に例を示します。

    ./MigrateAgent register 10.10.10.101 jsmith -p jspwd 

    メモ:Migrate ServerのパブリックIPアドレスを変更する場合は、そのサーバに対して設定されているそれぞれのソースLinuxワークロードで、次のコマンドを実行してIPアドレスを変更する必要があります。

    ./MigrateAgent configure <ps_dns_or_ipaddr> <new-ps-dns-or-ipaddr>

    次に例を示します。

    ./MigrateAgent configure 10.10.10.101 10.10.20.202