NetIQ eDirectoryは、レプリケーションにより耐障害性が保たれるようになっています。eDirectoryツリーに属するサーバに障害があっても、別のサーバがサービスを続行できます。この意味でレプリカ作成機能は、最も重要な保護機能と位置づけられています。
ただし1台だけのサーバで運用している環境では、レプリカ作成は不可能です。また、レプリカを作成していても、完全に復元するのは困難な場合もあります。ハードウェア障害など、機器が破損したときや、火事や水害で何台ものサーバが動かなくなってしまった場合などです。各サーバのeDirectoryをバックアップしておけば、ネットワークの耐障害性を高めることになります。
eDirectoryバックアップツールでは、サーバ単位でeDirectoryデータベースをバックアップすることができます。これには次のような利点があります。
どのプラットフォームでも同じツールで操作可能。
稼動中でもバックアップ可能。 eDirectoryデータベースを停止することなく、そのままで完全なバックアップを取ることできます。
個々のサーバ単位に、迅速な復元処理が可能。 ハードウェア障害からの復元には特に有用です。
高い拡張性。 数千万から数億単位のオブジェクトを保持したeDirectoryデータベースを持つサーバでもバックアップ可能です。バックアップの処理速度は主としてI/Oチャネルの帯域幅で決まります。
レプリカ作成機能とDSMASTERサーバを組み合わせて運用していれば、ツリー全体の復元も容易。 DSMASTERサーバを設定していない場合でも、かなりの程度まで復元できます。詳細については、DSMASTERサーバによる災害対策を参照してください。
関連ファイルもバックアップ可能。 サーバにある、データベース以外の関連ファイルもバックアップできます。NICIセキュリティファイル、ストリームファイル、インクルードファイルで指定したファイル(autoexec.ncfなど)が対象になります。
サーバの停止直前の状態にeDirectoryを復元可能。 ただしロールフォワードログを継続的に保存していることが条件です。詳細については、ロールフォワードログを使用するを参照してください。
ハードウェアのアップグレードを単純化。 サーバの識別情報を新しいマシンに移行する簡単な方法は、eDirectoryデータベースのコールドバックアップを取り、それを復元するやり方です。RAMのアップグレードなど、変更を加える際の安全措置としても有効です。詳細については、ハードウェアのアップグレードやサーバの交換を参照してください。
分散環境での運用を考慮。 ロールフォワードログがあれば、ツリー内の他のサーバと完全に同期した状態にまで復元できます。
無人でのバックアップが可能。 バッチファイルを作成し、DSBK Clientを使用して無人でバックアップを実行できます。
eDirectoryバックアップツールには、個々のサーバ単位でデータベースおよび関連ファイルのバックアップを取り、復元するために必要な機能がすべて揃っています。個々のオブジェクトやツリーの一部を単位としてバックアップ/復元することはできません。
システムバックアップ機能と組み合わせれば、eDirectoryバックアップファイルをテープに保存して安全を期すことができます。
OES 2 Linuxの場合、NetIQ Storage Management Servicesを使用してeDirectoryをバックアップすることができます。SMSには、eDirectoryのバックアップと復元のためのターゲットサービスエージェント(TSA)が用意されています。TSANDSサービスは、ディレクトリツリーのSMS APIの実装を提供します。アプリケーションはこの機能を使用してeDirectoryオブジェクトのバックアップと復元を行います。
TSANDSは、バックアップアプリケーションを最大限活用するために、次の機能をサポートします。
eDirectoryオブジェクトに適用できるフィルタ。
バックアップデータからeDirectoryオブジェクトを選択的に復元。
特定のリソースセットをリネームする機能。
eDirectory変更日に基づく、インクリメンタルバックアップと差分バックアップのサポート。
SIDF準拠のソフトウェアによるデータ解釈を可能とするSIDFフォーマットのデータ。
TSANDSの使用法に関する詳細については、TSANDSマニュアルページを参照してください。
この章では、次のトピックについて説明します。