15.9 DSBKを使用した障害復旧計画

障害復旧計画を使用すれば、ディスクを破損した時点の環境設定に戻すことができます。オペレーティングシステムが破損した場合でもサーバを回復できるように、サーバのディスクをリモートの場所にバックアップしておく必要があります。

このセクションでは、eDirectoryサーバの障害復旧計画の例を示します。

15.9.1 Linux上での障害復旧計画

サーバのディスクのバックアップを取得するには:

  1. DSBKを次のように設定します。

    1. /etcでファイルdsbk.confを作成します。

    2. 一時ファイルを作成します。例: /tmp/dsbk.tmp

    3. 前のステップで作成した一時ファイルの場所を/etc/dsbk.confファイルの中で指定します。

  2. サーバのディスクを読み書きモードでリモートマシンにマウントして、リモートマシンのディスク上のすべてのバックアップファイルを保存します。

    たとえば、「eDirServer# mount <remote machine IP>:/home/backup/ /mnt/dsbkBkp」と入力します。

  3. 次のコマンドを使用してカスタムバックアップの場所を設定します。

    dsbk setconfig -L -T -r /mnt/dsbkBkp

    メモ:サーバ上の/opt/novell/eDirectory/binから、DSBKが実行することを確認します。

  4. NICIと一緒にフルバックアップをリモートの場所のファイルシステムに取得します。

    dsbk backup -f <backup file location> -l <log file location> -e <password for NICI backup> -t -b

    たとえば、「dsbk backup -f /mnt/dsbkBkp/fb1.bak -l /mnt/dsbkBkp/fb1.log -e novell -t -b」と入力します。

    メモ:-eオプションは、NICIのバックアップに使用します。例では、novellがNICIバックアップ用のパスワードです。独自のパスワードを選択した場合は、NICIの復元でも同じパスワードを使用する必要があります。

  5. 次のコマンドを使用して、インクリメンタルバックアップを取得します。

    dsbk backup -f <incremental backup file location> -l <incremental log file location> -t -i

    次に例を示します。

    1日目: dsbk backup -f /mnt/dsbkBkp/ib1.bak -l /mnt/dsbkBkp/ib1.log -t -i

    2日目: dsbk backup -f /mnt/dsbkBkp/ib2.bak -l /mnt/dsbkBkp/ib2.log -t -i

    メモ:インクリメンタルバックアップを取得中に、NICIをバックアップする必要はありません。

eDirectoryサーバが破損した場合は、リモートの場所のバックアップを使用してeDirectoryサーバを復旧するための次の手順を実行します。

  1. オペレーティングシステムが破損した場合は、オペレーティングシステムをインストールし直します。

  2. eDirectoryだけが破損した場合は、eDirectory RPMを削除することによって、eDirectory用のシステムのクリーンアップを実行します。

  3. 前と同じeDirectoryをインストールして、1つのサーバダミーツリーを設定します。次に例を示します。

    ndsconfig new -t dummy_bkp_tree -n novell -a admin.novell -w novell

  4. フルバックアップファイルからNICIを復元します(-d-r-a-oオプションは使用しません)。

    dsbk restore -f <backup file location> -l <log file location> -e <password used to NICI backup>

    たとえば、「dsbk restore -f /mnt/dsbkBkp/fb1.bak -l /mnt/dsbkBkp/restore1.log -e novell」と入力します。

  5. NICIの復元後に、eDirectoryサーバを再起動します。

  6. フルバックアップファイルとインクリメンタルバックアップファイルの両方を復元します。次に例を示します。

    dsbk restore -f /mnt/dsbkBkp/fb1.bak -l /mnt/dsbkBkp/restore2.log -d /mnt/dsbkBkp/nds.rfl/ -r -a -e novell -o -i /mnt/dsbkBkp/ib1.bak, /mnt/dsbkBkp/ib2.bak

backupコマンドとrestoreコマンドの詳細については、「Linux上でDSBKを使用する」を参照してください。

15.9.2 Windows上での障害復旧計画

サーバのディスクのバックアップを取得するには:

  1. サーバのディスクを読み書きモードでリモートマシンにマップします。たとえば、「O:\dsbkBkp」と入力します。

  2. DSBKコマンドを実行するには:

    1. NDScons.exeを実行してeDirectoryサーバコンソールを開きます。

    2. サービス]タブで、[dsbk.dlm]をクリックします。

    3. 起動パラメータ]フィールドに、DSBKコマンドを入力します。

  3. 次のコマンドを使用してカスタムバックアップの場所を設定します。

    setconfig -L -T -r O:\dsbkBkp

  4. NICIと一緒にフルバックアップをリモートの場所のファイルシステムに取得します。

    backup -f <backup file location> -l <log file location> -e <password for NICI backup> -t -b

    メモ:-eオプションは、NICIのバックアップに使用します。例では、novellがNICIバックアップ用のパスワードです。独自のパスワードを選択した場合は、NICIの復元でも同じパスワードを使用する必要があります。

  5. 次のコマンドを使用して、インクリメンタルバックアップを取得します。

    backup -f <incremental backup file location> -l <incremental log file location> -t -i

    次に例を示します。

    1日目: backup -f O:\dsbkBkp\ib1.bak -l O:\dsbkBkp\ib1.log -t -i

    2日目: backup -f O:\dsbkBkp\ib2.bak -l O:\dsbkBkp\ib2.log -t -i

    メモ:インクリメンタルバックアップを取得中に、NICIをバックアップする必要はありません。

eDirectoryサーバが破損した場合は、リモートの場所のバックアップを使用してeDirectoryサーバを復旧するための次の手順を実行します。

  1. オペレーティングシステムが破損した場合は、オペレーティングシステムをインストールし直します。

  2. eDirectoryだけが破損した場合は、eDirectory用のシステムのクリーンアップを実行します。

  3. 前と同じeDirectoryをインストールして、1つのサーバダミーツリーを設定します。

  4. フルバックアップファイルからNICIを復元します(-d-r-a-oオプションは使用しません)。

    次に例を示します。

    restore -f <backup file location> -l <log file location> -e <password used for NICI backup>

    たとえば、「restore -f O:\dsbkBkp\fb1.bak -l O:\dsbkBkp restore1.log -e novell」と入力します。

  5. NICIの復元後に、eDirectoryサーバを再起動します。

  6. フルバックアップファイルとインクリメンタルバックアップファイルの両方を復元します。

    次に例を示します。

    restore -f O:\dsbkBkp\fb1.bak -l O:\dsbkBkp\restore2.log -d O:\dsbkBkp\nds.rfl\ -r -a -e novell -o -i O:\dsbkBkp\ib1.bak, O:\dsbkBkp\ib2.bak

    backupコマンドとrestoreコマンドの詳細については、「WindowsでDSBKを使用する」を参照してください。