バックアップツールには、個々のサーバ単位で、稼動したままの状態で継続的にeDirectoryデータベースのバックアップを取る機能があります。データベースを停止することなく、処理を始めた時点のバックアップを取ることができます。つまり、バックアップ作業はいつでも可能であり、その間もeDirectoryを使い続けることができます
メモ:特に指示しなければこの「ホット」バックアップになりますが、必要であればデータベースを停止して「コールド」バックアップを取ることもできます。
また、ロールフォワードログを有効にすれば、最後にバックアップを取った時点以降のトランザクションをすべて記録しておけます。これを使えば、サーバが停止する直前の状態に復元することもできます。さらに、レプリカリングに属するサーバすべてについてロールフォワードログを取る必要があります。これにより、他のサーバとの同期状態も復元できます。バックアップファイルがあっても、ロールフォワードログがなければ復元後の検証処理に失敗し、データベースを開けないことになります。ロールフォワードログの機能は、デフォルトでは無効になっています。詳細については、ロールフォワードログを使用するを参照してください。
バックアップツールはeDirectoryのオブジェクトをすべて一度にバックアップできるわけではありません。各サーバのパーティションをバックアップするだけです。この方式は、特定のサーバのみを復元する場合に優れているばかりでなく、TSA for NDS®バックアップを使う旧式の方法に比べて高速です。ただし、eDirectory 8.6のマニュアルにも記載されているように、TSA for NDSは今でも使用できます。必要に応じてTSA for NDSと新しいバックアップを使い分けられます。動作の違いについては、「DSBKのバックアップおよび復元とTSA for NDSバックアップの違い」を参照してください。
eDirectoryバックアップツールは、ファイルシステムバックアップ機能と組み合わせて使用して、eDirectoryバックアップファイルをテープに安全に保存する必要があります。NetIQはバックアップ用製品を開発している主要企業と提携しています。詳細については、NetIQ eDirectory Partner Productsを参照してください。
バックアップツールで作成されるバックアップファイルやログファイルの形式については、「バックアップログファイルの書式」および「バックアップファイルのヘッダ書式」を参照してください。
eDirectoryの以前のバージョンでは、バックアップ/復元ツールは、ツリーをオブジェクト単位でバックアップする方式を使用していました。
eDirectory 8.7で組み込まれたバックアップツールは、方式やアーキテクチャが一新されています。ツリーではなくサーバを基準とし、個々のサーバのeDirectoryデータベースをバックアップします。この変更により、以前のTSA for NDSバックアップよりも大幅に速くなりました。
TSA for NDSは今でも使用できますが、今後は新しいバックアップツールを使うようお勧めします。
新旧バックアップツールの違いを次の表に示します。
|
項目 |
TSA for NDSによる以前のバックアップ |
バックアップツールによる「ホットバックアップ」 |
|---|---|---|
|
バックアップの対象 |
ツリー全体をオブジェクト単位でバックアップ。 |
サーバ単位でeDirectoryデータベースをバックアップ。 ツリー全体の耐障害性は主としてレプリカ作成機能で確保していますが、サーバ単位のバックアップ機能によりさらに強固になります。 災害などで何台ものサーバが停止した場合でもツリーを復元できるようにするためには、DSMASTERサーバを導入し、それに応じたレプリカ作成方針を立てる必要があります。「DSMASTERサーバによる災害対策」を参照してください。 |
|
Speed |
N/A |
大幅に改善されています。新しいバックアップの機能では処理性能を最重視しました。 |
|
バックアップファイルの保存先 |
直接テープに書き出し可。 |
ファイルシステム上のバックアップファイルとして書き出し。 別途ファイルシステムのバックアップツールを使って、テープに書き出す必要があります。 |
|
プラットフォーム間の違い |
プラットフォームによって使い方が別々。 |
どのプラットフォームでも同じ使い方。 |
|
個々のサーバ単位での復元 |
考慮されていません。 |
ハードディスクが障害した後にサーバ単位で復元することができます。サーバを別のマシンに移行する際にもバックアップを利用できます。 ロールフォワードログを使えば、停止直前の状態に復元することも可能です。これにより、レプリカリングに属する他のサーバと同期状態を揃えることができます。 eDirectoryの関連ファイルもバックアップの対象とすることができます。たとえばNICIファイルのバックアップと復元ができます。独自の関連ファイルリストを作成して、対象ファイルをバックアップに追加することもできます。 |
|
NICIファイルのバックアップ/復元 |
考慮されていません。 |
NICIファイルのバックアップ/復元も可能です。これにより、復元後、暗号化データにアクセスできます。復元作業の時間を大幅に短縮できるでしょう。 |
|
個々のサーバのロールフォワードログ |
考慮されていません。 |
最後にバックアップを取った時点以降のトランザクションを、ロールフォワードログとしてすべて記録しておけます。これを使うと、停止直前の状態にまで復元することができます。複数サーバ環境では、これを使用して他のサーバと同期状態を揃えることができます。ロールフォワードログの機能は、デフォルトでは無効になっています。詳細については、ロールフォワードログを使用するを参照してください。 |
復元作業に先立ち、バックアップファイルをすべて揃えておく必要があります。その手順については「復元処理の準備」を参照してください。iManagerやDSBKからバックアップツールの復元機能を呼び出すと、バックアップツールで次のような処理が行われます。
DSエージェントをクローズします。
アクティブなDIB(Data Information Base)セットを、NDSからRSTに切り替えます。
メモ:既存のNDSデータベースはそのままサーバに残り、復元後の検証に失敗した場合は、再びこれがアクティブなDIBセットになります。
復元処理が始まります。新たにRSTというDIBセットを作り、そこに復元します。
DIBセットをいったん無効にします。
擬似サーバのログイン無効属性をオンにします。これは、このDIBセットを使ってDSエージェントがオープンされるのを避けるための措置です。
ロールフォワードログに関する設定をデフォルトに戻します。これを防ぐには、-sスイッチを使用します。
したがって、復元後はロールフォワードログを書き出さない設定になります。書き出し先ファイル名の設定もデフォルトに戻ります。
メモ:このサーバでロールフォワードログ記録を使うためには、復元後に改めて有効に切り替え、障害対策のための書き出し先も設定し直して、ロールフォワードログ記録の環境設定を再作成する必要があります。ロールフォワードログを有効にしてから、改めてフルバックアップも取る必要があります。
復元されたRSTデータベースの検証処理を行います。
復元されたデータの整合性を確認します。この確認は、レプリカを共有しているすべてのサーバにアクセスし、遷移ベクトルを比較して実行されます。
検証結果はログファイルに出力されます。
リモートサーバの遷移ベクトルの方がローカルベクトルより後の時間に作成されたものである場合は、復元されなかったデータがあるということなので、検証処理は失敗します。
いずれかのレプリカが検証に失敗した場合、ログファイルに記録される情報の例を示します。比較された遷移ベクトルがわかります。
Server: \T=LONE_RANGER\O=novell\CN=CHIP
Replica: \T=LONE_RANGER\O=novell
Status: ERROR = -6034
Local TV Remote TV
s3D35F377 r02 e002 s3D35F3C4 r02 e002
s3D35F370 r01 e001 s3D35F370 r01 e001
s3D35F363 r03 e001 s3D35F363 r03 e001
s3D35F31E r04 e004 s3D35F372 r04 e002
s3D35F2EE r05 e001 s3D35F2EE r05 e001
s3D35F365 r06 e003 s3D35F365 r06 e003
詳細については、遷移ベクトルと復元後の検証処理を参照してください。
検証に成功した場合は、RSTをNDSと改名し、ログイン無効属性をオフにします。したがってこれがサーバでアクティブなeDirectoryデータベースになります。失敗した場合は改名しないので、元のNDSが再びアクティブなDIBセットになります。
検証に失敗した場合の復旧方法については、「復元後の検証処理に失敗した場合の対処方法」を参照してください。
メモ:「高度な復元オプション」を使えば、強制的にRSTデータベースをアクティブにし、ロックを解除することもできますが、NetIQサポート部門の指示がない場合はお勧めできません。
バックアップファイルのヘッダには、次のような重要な情報が記録されています。
バックアップファイルが作成された時点のファイル名。
バックアップ作成後にファイル名を変更した場合にはこの情報が有用になります。
バックアップ時点のロールフォワードログ名。
1回分のフルバックアップと3回分のインクリメンタルバックアップがあって、最後のインクリメンタルバックアップから復元しているような場合に役立ちます。完全に復元するために必要な最初のロールフォワードログを知ることができます。
このサーバが保持しているレプリカのリスト。
各レプリカをどのサーバに配置しているか記録していない場合に役立ちます。災害で何台ものサーバが停止した場合、バックアップファイルのヘッダに表示されたこの情報を見れば、最初にどのサーバを復元するべきか判断できます。
同時にバックアップするようユーザのインクルードファイルに指定された関連ファイル名。
複数のファイルに分割してバックアップする場合のファイル数。
各バックアップファイルのヘッダはXML形式で記述されます。ヘッダ部に続き、データベース内のデータを、バイナリ形式で記録します
メモ:ファイルの末尾にバイナリデータがあると構文解析でエラーが発生しますが、XMLヘッダはXML標準に適合しています。
バックアップが複数のファイルに分かれる場合、各ファイルに同じヘッダ情報を記録します。
警告:バックアップファイルを開くときは、ヘッダを確認するだけにしてください。ファイルを保存または変更しようとすると、ファイルの一部が切り捨てられる場合があります。ほとんどのアプリケーションがバイナリデータを正しく保存することができません。
XMLヘッダのDTDを次に示しますこのDTDは参照のため、バックアップファイルのヘッダの一部として書き込まれます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes" ?>
<!DOCTYPE backup [
<!ELEMENT backup (file|replica)*>
<!ELEMENT file (#PCDATA)>
<!ELEMENT replica EMPTY>
<!ATTLIST backup version CDATA #REQUIRED
backup_type (full|incremental) #REQUIRED
idtag CDATA #REQUIRED
time CDATA #REQUIRED
srvname CDATA #REQUIRED
dsversion CDATA #REQUIRED
compression CDATA "none"
os CDATA #REQUIRED
current_log CDATA #REQUIRED
number_of_files CDATA #IMPLIED
backup_file CDATA #REQUIRED
incremental_file_ID CDATA #IMPLIED
next_inc_file_ID CDATA #IMPLIED>
<!ATTLIST file size CDATA #REQUIRED
name CDATA #REQUIRED
encoding CDATA "base64"
type (user|nici) #REQUIRED>
<!ATTLIST replica partition_DN CDATA #REQUIRED
modification_time CDATA #REQUIRED
replica_type (MASTER|SECONDARY|READONLY|SUBREF|
SPARSE_WRITE|SPARSE_READ|Unknown) #REQUIRED
replica_state (ON|NEW_REPLICA|DYING_REPLICA|LOCKED|
CRT_0|CRT_1|TRANSITION_ON|DEAD_REPLICA|
BEGIN_ADD|MASTER_START|MASTER_DONE|
FEDERATED|SS_0|SS_1|JS_0|JS_1|MS_0|MS_1|
Unknown) #REQUIRED>
]>
DTDに含まれる属性について次の表で説明します。
|
属性 |
説明 |
|---|---|
|
backup version |
バックアップツールのバージョン。 |
|
backup backup_type |
フルバックアップかインクリメンタルバックアップかの別コールドバックアップはフルバックアップとして扱います。 |
|
backup idtag |
バックアップ時刻に基づいて生成されたGUID。バックアップファイル名が変わっていても、これを使えばバックアップを識別できます。 |
|
backup time |
バックアップ処理の開始日時。 |
|
backup srvname |
バックアップ対象サーバの識別名。 |
|
backup dsversion |
サーバ上で稼動しているeDirectoryのバージョン。 |
|
backup compression |
バックアップツールがバックアップデータを圧縮したかどうか。これはバックアップデータのみに適用されます。ヘッダ自体が圧縮されることはありません。 |
|
backup os |
バックアップ処理を実行したオペレーティングシステム。復元はこれと同じオペレーティングシステムのみで行うようお勧めします。 |
|
backup current_log |
復元に必要な最初のロールフォワードログ。これは復元用の複数の正しいファイルを収集するのに役立ちます。 |
|
backup number_of_files |
分割してバックアップする場合のファイル数。ひとつ目のバックアップファイルにのみ記録されます。 |
|
backup backup_file |
このバックアップファイル名。 複数のファイルに分けてバックアップする場合、各ファイル名には順序番号がつきますが、それも含むファイル名が記録されます。複数のバックアップファイルのファイル名の例は、「-s file_size」を参照してください。 |
|
backup incremental_file_ID |
インクリメンタルバックアップの場合、そのファイルのID。 |
|
backup next_inc_file_ID |
これに続くインクリメンタルバックアップに与えるID。正しく復元するために必要な情報です。 |
|
ファイルサイズ |
このファイルの<file>タグ間にあるデータ長。 |
|
file name |
バックアップファイル名およびその保存先。 |
|
file encoding |
ファイルのエンコードに使ったアルゴリズム。 |
|
file type |
これがNICIファイルか、それ以外にユーザが指定したファイルかの別。 |
|
password |
NICIバックアップのパスワードを指定します。NICIファイルを復元するためには同じパスワードを指定する必要があります。 |
|
replica partition_DN |
パーティションの識別名。 各レプリカをどのサーバに配置しているか記録していない場合に役立ちます。災害で何台ものサーバが停止した場合、バックアップファイルのヘッダに表示されたこの情報を見れば、最初にどのサーバを復元するべきか判断できます。 |
|
replica modification_time |
バックアップ時点の、このレプリカの遷移ベクトル。 |
|
replica replica_type |
レプリカの種別。マスタ、読み込み専用など。 |
|
replica_state |
バックアップ時点でのレプリカの状態。「On」、「New Replica」など。 |
バックアップファイルのヘッダ例を次に示します。これはWindowsサーバで作成したもので、NICIセキュリティファイルもバックアップ対象になっています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes" ?>
<!DOCTYPE backup [
<!ELEMENT backup (file|replica)*>
<!ELEMENT file (#PCDATA)>
<!ELEMENT replica EMPTY>
<!ATTLIST backup version CDATA #REQUIRED
backup_type (full|incremental) #REQUIRED
idtag CDATA #REQUIRED
time CDATA #REQUIRED
srvname CDATA #REQUIRED
dsversion CDATA #REQUIRED
compression CDATA "none"
os CDATA #REQUIRED
current_log CDATA #REQUIRED
number_of_files CDATA #IMPLIED
backup_file CDATA #REQUIRED
incremental_file_ID CDATA #IMPLIED
next_inc_file_ID CDATA #IMPLIED>
<!ATTLIST file size CDATA #REQUIRED
name CDATA #REQUIRED
encoding CDATA "base64"
type (user|nici) #REQUIRED>
<!ATTLIST replica partition_DN CDATA #REQUIRED
modification_time CDATA #REQUIRED
replica_type (MASTER|SECONDARY|READONLY|SUBREF|
SPARSE_WRITE|SPARSE_READ|Unknown) #REQUIRED
replica_state (ON|NEW_REPLICA|DYING_REPLICA|LOCKED|
CRT_0|CRT_1|TRANSITION_ON|DEAD_REPLICA|
BEGIN_ADD|MASTER_START|MASTER_DONE|
FEDERATED|SS_0|SS_1|JS_0|JS_1|MS_0|MS_1|
Unknown) #REQUIRED>
]>
<backup version="2" backup_type="full" idtag="3D611DA2" time="2002-8-19'T10:32:35" srvname="\T=MY_TREE\O=novell\CN=DSUTIL-DELL-NDS" dsversion="1041081" compression="none" os="windows" current_log="00000003.log" next_inc_file_ID="2" number_of_files="0000001" backup_file="c:\backup\header.bak"><replica partition_DN="\T=MY_TREE" modification_time="s3D611D95_r1_e2" replica_type="MASTER" replica_state="ON" /><replica partition_DN="\T=MY_TREE\O=part1" modification_time="s3D611D95_r1_e2" replica_type="MASTER" replica_state="ON" /><replica partition_DN="\T=MY_TREE\O=part2" modification_time="s3D611D95_r1_e2" replica_type="MASTER" replica_state="ON" /><replica partition_DN="\T=MY_TREE\O=part3" modification_time="s3D611D96_r1_e2" replica_type="MASTER" replica_state="ON" /><file size="190" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\bhawkins\XARCHIVE.001" encoding="base64" type="nici">the data is included here</file>
<file size="4228" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\bhawkins\XMGRCFG.KS2" encoding="base64" type="nici">the data is included here</file>
<file size="168" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\bhawkins\XMGRCFG.KS3" encoding="base64" type="nici">the data is included here</file>
<file size="aaac" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\nicintacl.exe" encoding="base64" type="nici">the data is included here</file>
<file size="150" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\NICISDI.KEY" encoding="base64" type="nici">the data is included here
</file>
<file size="4228" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\system\Xmgrcfg.ks2" encoding="base64" type="nici">the data is included here
</file>
<file size="168" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\system\Xmgrcfg.ks3" encoding="base64" type="nici">the data is included here
</file>
<file size="1414" name="C:\WINDOWS\system32\novell\nici\xmgrcfg.wks" encoding="base64" type="nici">the data is included here
</file>
</backup>
ヘッダ部に続き、データベースのバックアップデータをバイナリ形式で格納します。
eDirectoryバックアップツールは、前回までのバックアップを含め、処理内容を細かく記録したログを残すようになっています。このログファイルにはすべてのバックアップ履歴、バックアップの開始および終了時刻、およびバックアッププロセス中に発生した考えられるエラーについての情報が含まれます。前回までのログに追記する形で記録します。書き出し先を別途指定することもできます。
無人バックアップが正常に実行されているか確認するためにも、このログは重要です。最終行を見ると、成功か失敗かの区別およびエラーコードがわかります。
バックアップツールのログファイルには、過去のバックアップ処理のIDも記録されています。これは復元に必要なフルバックアップ、インクリメンタルバックアップのファイルを間違いなく揃えるために役立ちます。先頭の4行は、バックアップファイルのヘッダ情報をそのまま複写したものです。
また、同時にバックアップしたファイル名も記録します。NICIファイルや、インクルードファイルでユーザが指定したファイルがこれに当たります。
復元処理の際は、実際に復元されたファイルを記録します。
ログファイルの出力例を次に2つ示します。
|==================DSBackup Log: Backup================| Backup type: Full Log file name: sys:/backup/backup.log Backup started: 2002-6-21'T19:53:5GMT Backup file name: sys:/backup/backup.bak Server name: \T=VIRTUALNW_TREE\O=novell\CN=VIRTUALNW Current Roll Forward Log: 00000001.log DS Version: 1041072 Backup ID: 3D138421 Backing up security file: sys:/system/nici/INITNICI.LOG Backing up security file: sys:/system/nici/NICISDI.KEY Backing up security file: sys:/system/nici/XARCHIVE.000 Backing up security file: sys:/system/nici/XARCHIVE.001 Backing up security file: sys:/system/nici/XMGRCFG.KS2 Backing up security file: sys:/system/nici/XMGRCFG.KS3 Backing up security file: sys:/system/nici/XMGRCFG.NIF Starting database backup... Database backup finished Completion time 00:00:03 Backup completed successfully |==================DSBackup Log: Restore================| Log file name: sys:/save/doc.log Restore started: 2002-7-19'T19:1:34GMT Restore file name: sys:/backup/backup.bak Starting database restore... Restoring file sys:/backup/backup.bak Restoring file sys:/system/nici/INITNICI.LOG Restoring file sys:/system/nici/NICISDI.KEY Restoring file sys:/system/nici/XARCHIVE.000 Restoring file sys:/system/nici/XARCHIVE.001 Restoring file sys:/system/nici/XMGRCFG.KS2 Restoring file sys:/system/nici/XMGRCFG.KS3 Restoring file sys:/system/nici/XMGRCFG.NIF Database restore finished Completion time 00:00:15 Restore completed successfully
複数サーバ環境で、サーバがすべて失われてしまうような災害にも備えるためには、ツリーの一部としてDSMASTERサーバを導入することを検討してください。
バックアップツールは、各サーバを個別にバックアップするために使用されます。これはツリーではなくサーバを単位とします。ただし、DSMASTERサーバを作成しておけば、バックアップツールでも、ツリー構造全体をバックアップできるようになります。運用例の概要については、「シナリオ: 複数サーバ構成のネットワークで、すべてのサーバが使えなくなった場合」を参照してください。
災害からの復旧で問題となるのは、同じパーティションのレプリカが複数あって、互いに整合性が取れていない場合の対処方法です。災害によってロールフォワードログも失われている場合、すべてのサーバを同じ時点の状態に復元することはできません。バックアップされたレプリカはサーバごとに異なる時点のものなので、ロールフォワードログを使わずに単純に復元しただけでは、全体をツリーとしてまとめる際に問題が起こるためです。
メモ:復元検証処理はこのような問題を防ぐためのものです。デフォルトでは、他のレプリカとの不整合が見つかると、eDirectoryデータベースが復元後にオープンになりません。
DSMASTERサーバを導入すればこのような事態に備えることができます。ツリー全体のマスタコピーを作成しておき、これを復元の基準点として使用します。
DSMASTERサーバを導入する手順を次に示します。
ある1台のサーバに、ツリーに属するパーティションすべてのレプリカを保持するよう設定してください。これにより、ツリー全体のコピーが、特定のサーバのeDirectoryデータベース中に作られるようになります。ただし、ツリーの容量が大きい場合は、複数台のキーサーバに分けても構いません。これをDSMASTERサーバと呼びます。DSMASTERサーバに作るレプリカは、マスタまたは読み書き用と設定してください。
メモ:複数台のキーDSMASTERサーバに分割する場合は、同じパーティションのレプリカが2台以上に作られることのないようにしてください。重複のない構成にしておけば、災害後の復元作業において、レプリカ間に不整合が生じることはありません。
災害から復旧する際に、最新のロールフォワードログは使えません。このログは各サーバのローカルファイルとして保存されるためです。したがって、複数台のDSMASTERサーバを、すべて同じ時点の状態に戻すことはできない場合があります。2台のDSMASTERサーバに同じレプリカがあれば、これが一致せず、ツリーに不整合が生じる恐れがあります。そのため、障害復旧としては、同じパーティションのレプリカを複数のDSMASTERサーバに作成することは避ける必要があります。
レプリカ全般については、「レプリカ」を参照してください。
DSMASTERサーバを定期的にバックアップして、ツリー全体のバックアップコピーを作成してください。災害対策としては、DSMASTERサーバのバックアップ以外にも、充分な予防措置を講じておくとよいでしょう。
以上のようにツリーを設計しておくと、災害が起こっても、迅速にツリー構造を再構築し、稼動させることができます。1台だけのサーバ(あるいは少数のキーサーバ)のみを復元し、これをマスタレプリカとして扱うようにすればよいのです。
このツリーが稼動し始めてから、フル/インクリメンタルバックアップファイルを使用して、DSMASTER以外のサーバも順次復元していきます。ロールフォワードログがないため、これらの他のサーバで復元処理の検証が失敗します。そこで、レプリカリングからいったん外し、DSRepairを使って、すべてのレプリカ情報を外部参照に変更します。その後、DSMASTERサーバ上のコピーからレプリカを作成して、改めてサーバにレプリカを追加します。この手順については、「復元後の検証処理に失敗した場合の対処方法」に記載されています。
災害により一部のサーバが失われた場合、操作手順はやや複雑になりますので、NetIQサポート部門に連絡してください。
遷移ベクトルとは、レプリカのタイムスタンプのことです。レプリカ作成時刻を1970年1月1日からの経過秒数で表したものと、レプリカ番号、および現在のイベント番号を組にして表示されます。ここで例を示します。
s3D35F377 r02 e002
バックアップと復元のコンテキストでは、復元されたサーバが参加しているレプリカリング内で正しく同期していることを確認するために遷移ベクトルが使用されます。
同じパーティションのレプリカを保持するサーバは、レプリカの同期を取るため、互いにデータをやり取りしています。サーバはレプリカリング内の他のサーバと通信するたびに、他のサーバの遷移ベクトルを記録しています。遷移ベクトルを使用すると、レプリカリング内の各レプリカが同期を保つためには、どのデータを送ればよいか、サーバが常に把握できます。サーバが停止するとこの通信が止まり、再び通信できるようになるまでの間、他のサーバはそのサーバに関して遷移ベクトルの更新や変更を記録しますが、送信しません。
あるサーバのeDirectoryを復元した後、検証処理として、復元された遷移ベクトルをレプリカリングに属する他のサーバと比較します。これは、復元されたレプリカが他のサーバと同期の取れた状態であるかどうか確認するために実行されます。
リモートサーバの遷移ベクトルの方がローカルベクトルより後の時間に作成されたものである場合は、復元されなかったデータがあるということなので、検証処理は失敗します。これは、前回のフルバックアップまたはインクリメンタルバックアップの前に継続的なロールフォワードログ記録を有効にしていなかった、ロールフォワードログを復元に含めなかった、または復元で指定したロールフォワードログがすべて揃っていなかった、などの理由でデータが不足していることが考えられます。
デフォルトでは、復元したeDirectoryデータベースが他のレプリカと整合が取れていない場合、そのままではオープンできません。
遷移ベクトルに不整合があるログファイルエントリの例については、「バックアップツールによる復元作業の概要」を参照してください。
検証に失敗した場合の対処方法については、「復元後の検証処理に失敗した場合の対処方法」を参照してください。