2.1 アップグレードのシナリオ

次のセクションでは、数種類のiManagerのアップグレードのシナリオについて説明します。

2.1.1 iManager 2.5/2.6を実行するOESをインストールしたサーバのアップグレード

iManagerのバージョンを2.5/2.6から2.7にアップグレードするには、まずオペレーティングシステムをそれに対応したものにアップグレードする必要があります。

OES-Linuxの場合は、次のようにアップグレードします。

    • OES 1 SP2 Linux (32ビット)からOES 2 SP1 Linux (32ビット)

    • OES 2 Linux (32ビット)からOES 2 SP1 Linux (32ビット)

    Linuxのバージョンのアップグレードに関する詳細は、『Novell Open Enterprise Server 2 Installation Guide』を参照してください。

    OESをOES 2 SP1にアップグレードする際、iManagerはiManager 2.7.2 (iManager 2.7サポートパック2)にアップグレードされます。その後OESパッチチャネルを用いて、iManagerのバージョンを2.7.7にアップグレードできます。

2.1.2 iManager 2.7.5へのアップグレード

iManagerのバージョンを2.7.xからiManager 2.7.5にアップグレードする際の全体的なシナリオを以下に示します。パッチとサポートパックは累積型なので、iManagerインストールをアップグレードするには、入手できる最新のサービスパックまたはパッチをインストールするだけで十分です。

iManagerをアップグレードするには次の手順を実行します。

  1. iManagerにログインします。

  2. [設定]>[プラグインのインストール]>[利用できるNovellプラグインモジュール]をクリックします。[利用できるNovellプラグインモジュール]ページが表示されます。

  3. NovellダウンロードWebサイトに移動し、最新のサポートパックまたはパッチをダウンロードします。

  4. iManagerの、[Novellプラグインモジュール]の下の[追加]をクリックします。

  5. サポートパックまたはパッチと共にダウンロードしたNPMファイルに移動して選択し、[OK]をクリックします。

  6. Novellプラグインモジュールリストから、アップグレードするiManager 2.7のサポートパックまたはパッチを選択し、[インストール]をクリックします。

  7. [使用許諾書]ページがiManagerにより表示される場合、使用許諾書を読み、[同意する]を選択します。

  8. OK]をクリックします。進捗状況が表示されます。インストールを中止する場合は、[中止]をクリックします。

  9. インストールが完了したら、[閉じる]をクリックします。インストールが成功したことを示す次のメッセージが表示されます。

    Success: The plug-in module has been successfully installed. 
    You must now restart Tomcat in order for the changes to take effect.
    After Tomcat restarts, if Role Based Services is installed you will need to configure the newly installed modules.
    
  10. コマンドラインインタフェースを開いて次のコマンドを入力し、Tomcatを再起動します。

    /etc/init.d/novell-tomcat7 stop
    
    /etc/init.d/novell-tomcat7 start
    

2.1.3 LinuxでiManager 2.7.7にアップグレードする

iManager 2.7.7のインストール中に、以前にインストールされたiManager 2.7.xのバージョンが検出された場合、インストールされているバージョンをアップグレードするようプロンプトが表示されます。アップグレードを選択すると、インストールプログラムは、既存のJREおよびTomcatを最新バージョンに置き換えます。また、iManagerが最新バージョンにアップグレードされます。

重要:スタンドアロンのiManagerリリースをOESバージョンが動作するサーバにインストールしないでください。その代わり、OESバージョンのパッチチャネルを使用して最新のiManagerバージョンにアップグレードする必要があります。

インストールの準備をするために、一般的なインストール条件Linuxのインストール条件にあるインストール条件のチェックリストを確認します。

iManagerは、インストール中に以下の製品をインストールします。

  • Tomcat 7.0.42

  • Java 1.7.0_25

  1. (状況による)変更されたserver.xmlおよびcontext.xml設定ファイルがある場合、アップグレードを実行する前に、それらのファイルのバックアップコピーを他の場所に作成してください。アップグレード処理により設定が置き換えられ、ファイルに保存されます。

  2. NovellダウンロードのWebサイトで、iManager製品を検索し、iManager 2.7.7を選択します。次にiMan_277_linux.tgzをサーバ上のディレクトリにダウンロードします。

  3. 次のコマンドを用いて、iManagerフォルダに展開します。

    tar -zxvf iMan_277_linux.tgz

  4. シェルを開き、/extracted_directory/iManager/installs/linuxディレクトリに移動します。

    このパスは、iManagerのファイルをコピーまたは展開したディレクトリに対する相対パスです。

  5. rootまたはrootと同等の権限でログインしている状態で、次のコマンドのいずれか1つを入力します。

    コマンドライン(テキスト)インストールをする場合は、次のコマンドを入力します。

    ./iManagerInstallLinux.bin

    GUIインストールをする場合は、次のコマンドを入力します。

    ./iManagerInstallLinux.bin -i gui

    正常にインストールされると、インストール中に提示された質問の答えに基づいた値で、環境設定ファイル(/var/log/installer.properties)が生成されます。このファイルを変更してサイレントインストール用に使用することができます。詳細については、セクション 1.6, iManagerサーバのサイレントインストールを参照してください。

  6. iManagerのスプラッシュスクリーンで言語を選択し、[OK]をクリックします。

  7. アップグレードのプロンプトが表示されたら、[アップグレード]を選択します。

  8. イントロダクションに目を通し、[次へ]をクリックします。

  9. 使用許諾書に同意して、[次へ]をクリックします。

    メモ:デフォルトで、iManagerの以前のバージョンで環境設定されたHTTPポートおよびSSLポートの値がiManagerの最新バージョンの環境設定に使用されます。

  10. [IPv6を有効にする]ウィンドウで[はい]をクリックしてIPv6を有効にし、[次へ]をクリックします。

    または次の手順で、iManagerのインストール後でもIPv6を有効にできます。

    1. <USER_INSTALL_DIR>\Tomcat\conf\catalina.propertiesファイルを開きます。

    2. catalina.propertiesファイルに以下の設定項目を設定します。

      java.net.preferIPv4Stack=false              
      
      java.net.preferIPv4Addresses=true
      
    3. Tomcatを再起動します。

  11. 「アップグレード前の概要」ページを確認して、[次へ]をクリックします。

    アップグレード中に、新しいiManagerのファイルがインストールされ、環境設定が変更されます。アップグレードには数分かかる可能性があります。アップグレードが完了すると、[アップグレードが完了しました]ページに、インストールの成功または失敗の状態が表示されます。

  12. 完了]をクリックして、インストールを終了します。

    [はじめに]ページが表示されたら、アクセスを始める前にiManagerが初期化するのを待ちます。

    iManagerにアクセスするには、[はじめに]ページの最初のリンクをクリックしてログインします。詳細については、『NetIQ iManager 2.7.7管理ガイド』の「Accessing iManager (iManagerにアクセスする)」を参照してください。

  13. (状況による) server.xmlおよびcontext.xml設定ファイルのバックアップコピーを、アップグレード処理に先立って作成している場合、新しい設定ファイルをバックアップコピーで置き換えてください。

2.1.4 WindowsでiManager 2.7.7にアップグレードする

iManager 2.7.7のインストール中に、以前にインストールされたiManager 2.7.xのバージョンが検出された場合、インストールされているバージョンをアップグレードするようプロンプトが表示されます。アップグレードを選択すると、インストールプログラムは、既存のJREおよびTomcatを最新バージョンに置き換えます。また、iManagerが最新バージョンにアップグレードされます。

Novell eDirectoryと同じマシンでのiManagerサーバの実行については、『NetIQ iManager 2.7.7管理ガイド』の「Running eDirectory and iManager on the Same Machine (Windows only)(同じマシンでeDirectoryとiManagerを実行する(Windowsのみ))」を参照してください。

  1. (状況による)変更されたserver.xmlおよびcontext.xml設定ファイルがある場合、アップグレードを実行する前に、それらのファイルのバックアップコピーを他の場所に作成してください。アップグレード処理により設定が置き換えられ、ファイルに保存されます。

  2. iManagerフォルダにiMan_277_win.zipファイルを展開します。

  3. extracted_directory\iManager\installs\winフォルダから、iManagerInstall.exeファイルを実行してください。

  4. iManagerのスプラッシュスクリーンで言語を選択し、[OK]をクリックします。

  5. [イントロダクション]ページで、[次へ]をクリックします。

  6. 使用許諾書に同意して、[次へ]をクリックします。

  7. [IPv6を有効にする]ウィンドウで[はい]をクリックしてIPv6を有効にし、[次へ]をクリックします。

    または次の手順で、iManagerのインストール後でもIPv6を有効にできます。

    1. <USER_INSTALL_DIR>\Tomcat\conf\catalina.propertiesファイルを開きます。

    2. catalina.propertiesファイルに以下の設定項目を設定します。

      java.net.preferIPv4Stack=false              
      
      java.net.preferIPv4Addresses=true
      
    3. Tomcatを再起動します。

  8. アップグレードのプロンプトが表示されたら、[アップグレード]を選択します。

    メモ:デフォルトで、iManagerの以前のバージョンで環境設定されたHTTPポートおよびSSLポートの値がiManagerの最新バージョンの環境設定に使用されます。

  9. [検出の概要]ページを確認して、[次へ]をクリックします。

    [検出の概要]ページには、iManagerがインストールされた後に使用するサーブレットコンテナおよびJVMソフトウェアの最新バージョンが表示されます。

  10. [インストール前の概要]ページを確認して、[インストール]をクリックします。

    アップグレード処理には数分かかることがあります。

    アップグレードが完了すると、[アップグレードが完了しました]ページに、インストールの成功または失敗の状態が表示されます。

    メモ:Windowsでは、インストールが成功していたとしても、[Install Complete(インストール完了)]ページに次のようなエラーメッセージが表示されます。

    The installation of iManager Install 2.7.7 is complete, but some errors occurred during the install.
    Please see the installation log <Log file path> for details. Press "Done" to quit the installer.
    

    特定のエラーメッセージが表示されたら、次の手順を実行します。

    1. [Install Complete(インストール完了)]ページのエラーメッセージで指定されているログファイルのパスをメモします。

    2. [Install Complete(インストール完了)]で[完了]をクリックします。

    3. ログファイルを開きます。

    4. ログファイルに次のようなエラーがある場合は、エラーメッセージを無視します。インストールが成功し、iManagerは正常に機能します。

      Custom Action: com.novell.application.iManager.install.InstallDLLs 
      Status: ERROR 
      Additional Notes: ERROR - class com.novell.application.iManager.install.InstallDLLs NonfatalInstallException C:\WINDOWS\system32\msvcr71.dll (The process cannot access the file because it is being used by another process)
      
  11. [完了]をクリックして、インストールを終了します。

    [はじめに]ページがブラウザウィンドウに表示されます。

    iManagerにアクセスするには、初期化されるまで待つ必要があります。

    iManagerにアクセスするには、[はじめに]ページの最初のリンクをクリックしてログインします。詳細については、『NetIQ® iManager管理ガイド』の「Accessing iManager (iManagerにアクセスする)」を参照してください。

  12. (状況による) server.xmlおよびcontext.xml設定ファイルのバックアップコピーを、アップグレード処理に先立って作成している場合、新しい設定ファイルをバックアップコピーで置き換えてください。

2.1.5 LinuxおよびWindows上でのiManagerサーバのサイレンとアップグレード

サイレント(非対話型)アップグレードでは、ユーザインタフェースは表示されず、ユーザに対する質問も行われません。代わりに、InstallAnywhereがプロパティファイルから必要な情報を収集しながらインストールを遂行します。

LinuxおよびWindowsサーバで、すべてのデフォルト値をそのまま使用して標準的なサイレントインストールを実行するには、次の手順に従います。

  1. コンソールウィンドウを開き、ダウンロードしたiManagerファイルがあるディレクトリを参照します。

  2. コマンドラインで、次のコマンドを実行します。

    Linuxの場合:

    ./iManagerInstall< platform>.bin -i silent

    Windowsの場合:

    iManagerInstall.exe -i silent