15.3 識別情報アプリケーションのデータベースの設定

識別情報アプリケーションのデータベースは、設定データの保存やワークフローアクティビティのデータの保存などのタスクをサポートします。アプリケーションをインストールする前に、データベースがインストールされ、設定されている必要があります。サポートされるデータベースの詳細については、セクション 15.1.4, 識別情報アプリケーションのシステム要件を参照してください。ユーザアプリケーションデータベースの検討事項の詳細については、識別情報アプリケーションのデータベースをインストールする場合の前提条件を参照してください。

メモ:新しいバージョンのRBPMと識別情報アプリケーションに移行する場合、前のインストールで使用していたデータベースと同じデータベースを使用する必要があります。前のインストールとは、移行元のインストールのことです。

15.3.1 Oracleデータベースの設定

このセクションでは、ユーザアプリケーションでOracleデータベースを使用する場合の設定オプションについて説明します。サポートされるOracleのバージョンについては、識別情報アプリケーションのシステム要件を参照してください。

データベースの互換性レベルの確認

Oracleの異なるリリースからのデータベースは、これらが同じ機能をサポートし、これらの機能が同様に実行される場合には互換性があります。互換性がない場合は、特定の機能または操作が想定されるように動作しない場合があります。たとえば、識別情報アプリケーションを展開できないスキーマの作成は失敗します。

データベースの互換性レベルを確認するには、次の手順を実行します。

  1. データベースエンジンに接続します。

  2. SQL Serverデータベースエンジンの適切なインスタンスに接続した後で、オブジェクトエクスプローラで、サーバ名をクリックします。

  3. データベースを展開します。さらに、データベースに応じて、ユーザデータベースを選択するか、システムデータベースを展開してシステムデータベースを選択します。

  4. データベースを右クリックし、プロパティをクリックします。

    データベースのプロパティダイアログボックスが開きます。

  5. ページの選択ペインで、オプションをクリックします。

    現在の互換性レベルが互換性レベルリストボックスに表示されます。

  6. 互換性レベルを確認するには、クエリウィンドウで以下を入力し、実行をクリックします。

    SQL> SELECT name, value FROM v$parameter

    WHERE name = 'compatible';

予期される結果は12.1.0.2です

文字セットの設定

ユーザアプリケーションデータベースは、Unicodeエンコーディング文字セットを使用する必要があります。データベースを作成する際にAL32UTF8を使用してこの文字セットを指定します。

Oracle 12cデータベースにUTF-8が設定されていることを確認するには、次のコマンドを実行します。

select * from nls_database_parameters;

データベースにUTF-8が設定されていない場合、次の情報が表示されます。

NLS_CHARACTERSET
WE8MSWIN1252

設定されている場合、データベースにUTF-8が設定されていることを示す次の情報が表示されます。

NLS_CHARACTERSET
AL32UTF8

メモ:JDBC JARバージョンojdbc6.jarを使用することをお勧めします。

文字セットの設定の詳細については、「Choosing an Oracle Database Character Set」を参照してください。

管理者ユーザアカウントの設定

ユーザアプリケーションを使用するには、Oracleデータベースユーザアカウントが特定の特権を持つ必要があります。SQL Plusユーティリティで、次のコマンドを入力します。

CREATE USER idmuser IDENTIFIED BY password
GRANT CONNECT, RESOURCE to idmuser
ALTER USER idmuser quota 100M on USERS;

ここで、idmuserはユーザアカウントを表します。

15.3.2 PostgreSQLデータベースの設定

ユーザの便宜を図るために、PostgreSQLのインストールプログラムが提供されています。このプログラムは、Identity Manager内のフレームワークのサービスとアプリケーションを完全にサポートします。インストールプログラムの指示に従って設定プロセスを実行します。詳細については、セクション 12.2, PostgreSQLとTomcatのインストールを参照してください。

15.3.3 SQL Serverデータベースの設定

このセクションでは、ユーザアプリケーションでSQL Serverデータベースを使用する場合の設定オプションについて説明します。サポートされるSQL Serverのバージョンについては、識別情報アプリケーションのシステム要件を参照してください。

文字セットの設定

SQL Serverでは、ユーザはデータベースの文字セットを指定できません。ユーザアプリケーションはSQL Serverの文字データをNCHARカラムタイプ(UTF-8をサポート)で保存します。

管理者ユーザアカウントの設定

Microsoft SQL Serverのサポートされているバージョンをインストールした後、SQL Server Management Studioなどのアプリケーションを使用してデータベースとデータベースユーザを作成します。データベースユーザアカウントは、次の特権を持つ必要があります。

  • CREATE TABLE

  • DELETE

  • INSERT

  • SELECT

  • UPDATE

メモ:Microsoft SQL Server 2014ではJDBC JARバージョンsqljdbc4.jarを、Microsoft SQL Server 2016ではsqljdbc42.jarを使用することをお勧めします。