8.4 識別ボールトサーバでのIPv6アドレスの使用

識別ボールトでは、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方がサポートされています。識別ボールトのインストール時に、IPv6アドレスを有効にできます。以前のバージョンからアップグレードする場合、IPv6アドレスを手動で有効にする必要があります。

識別ボールトでは、デュアルIPスタック方式、トンネル方式、およびピュアIPv6移行方式をサポートしています。グローバルのIPアドレスのみがサポートされます。次に例を示します。

  • [::]

  • [::1]

  • [2015::12]

  • [2015::12]:524

IPv6アドレスは、角かっこ[ ]で囲んで指定する必要があります。IPアドレスではなく、ホスト名を用いる場合、etc\hostsファイルで名前を指定し、それをIPv6アドレスに関連付ける必要があります。

8.4.1 LinuxサーバでのIPv6アドレスの使用

ndsconfigユーティリティを使用して、IPv6アドレスを持つツリーを作成したり、IPv6アドレスを持つサーバを既存のツリーに追加したり、IPv6用のLDAP URLを指定したりすることができます。ユーティリティの使用方法の詳細については、セクション 12.1, ndsconfig ユーティリティを使用した、eDirectoryツリーとレプリカサーバの変更を参照してください。

ndsconfigユーティリティに加えて、すでにIPv6アドレスをサポートしているLinuxコンピュータで識別ボールトを設定するための他の手順を実行できます。

既存のもしくはアップグレードしたeDirectoryサーバでのIPv6アドレスの有効化

メモ:コンピュータに複数のインスタンスが設定されている場合は、それぞれの環境設定ファイルにIPv6アドレスを追加する必要があります。

  1. nds.confファイルを開きます。このファイルは、デフォルトでは/etc/opt/novell/eDirectory/conf/ディレクトリにあります。

  2. このファイルに、ポート番号を含むIPv6インタフェースアドレスを追加します。次に例を示します。

    n4u.server.interfaces=164.99.90.148@524,[2015::4]@524,[2015:1234:2345:3456:abcd:bcde:cdef:aaaa]@524
    http.server.interfaces=164.99.90.148@8028,[2015::4]@8028,[2015:1234:2345:3456:abcd:bcde:cdef:aaaa]@8028
    https.server.interfaces=164.99.90.148@8030,[2015::4]@8030,[2015:1234:2345:3456:abcd:bcde:cdef:aaaa]@8030
  3. 次のコマンドを使用して、ndsdを再起動します。

    ndsmanage stopall
    ndsmanage startall

IPV6のLDAP URLのLDAPサーバオブジェクトへの追加

最初に識別ボールトを設定する際にLDAP URLを指定しない場合は、ldapconfigコマンドまたはiManagerを使用して、それらをldapInterfaces属性に追加できます。

コマンドラインからLDAP URLを追加するには:

ldapconfig setコマンドまたはldapconfig -sコマンドを使用できます。次の例のようなテキストを入力します。

ldapconfig set "ldapInterfaces=ldap://[2015::3]:389,ldaps://[2015::3]:636"
ldapconfig -s
"ldapInterfaces=ldap://[2015::3]:389,ldapInterfaces=ldaps://[2015::3]:636"

iManagerでLDAP URLを追加する:

  1. iManagerの[役割およびタスク]をクリックします。

  2. [LDAP] > [LDAPオプション]をクリックする。

  3. [LDAPサーバの表示]をクリックし、設定するLDAPサーバオブジェクトの名前をクリックします。

  4. [LDAP Interfaces (LDAPインタフェース)]で、[Connections (接続)][add LDAP URLS (LDAP URLの追加)]をクリックします。

  5. [適用]をクリックして、[OK]をクリックします。

8.4.2 WindowsサーバでのIPv6アドレスの使用

WindowsサーバでIPv6アドレスを使用するには、インストール時に[IPV6の初期設定]の下の[IPV6を有効にする]チェックボックスを選択する必要があります。このオプションにより、IPv6アドレスに対して、NCP、HTTP、およびHTTPSプロトコルが有効になります。インストールプロセス中にIPv6アドレスを有効にせず、後から使用することにした場合は、セットアッププログラムを再度実行する必要があります。詳細については、セクション 10.0, Windowsサーバへの識別ボールトのインストールを参照してください。

リンクhttp://[2015::3]:8028/ndsを使用して、IPv6アドレスを介してiMontiorにアクセスできます。