3.5 eDirectoryをWindowsにインストールする

3.5.1 Windowsサーバで eDirectory 9.2をインストールまたは更新する

eDirectory 9.2 for Windowsは、Novell Clientがなくてもインストールできます。すでにNovell ClientがあるマシンにeDirectory 9.2をインストールする場合、eDirectoryは既存のClientを使用するか、それが最新のバージョンでなければ更新します。

  1. Windowsサーバで、管理者または管理特権を持つユーザとしてログインします。

  2. Autorunがオフになっている場合は、eDirectory 9.2 CD内のwindowsフォルダまたはダウンロードしたファイルから、eDirectory_920_Windows_x86_64.exeを実行します。

  3. (新規インストールのみ) eDirectoryのインストールの種類を[基本]タブの下から選択します。

    • 新しいeDirectoryツリーの作成 新しいツリーを作成します。ツリーに最初のサーバをインストールする場合、またはこのサーバに個別のツリーが必要となる場合は、このオプションを使用します。新しいツリー上で使用可能となるリソースは、別のツリーにログインしているユーザからは使用できません。

    • 既存のツリーへのeDirectoryのインストール このサーバをeDirectoryネットワークに組み入れます。サーバはツリーのどのレベルにでもインストールできます。

  4. eDirectoryインストール画面で情報を入力します。

    • 新しいeDirectoryサーバをインストールする場合は、新しいツリーのツリー名、サーバオブジェクトのコンテキスト、および管理者のログイン名とパスワードを指定します。

      重要:eDirectoryでは、NCPサーバオブジェクトのFDNを最大256文字までで設定できますが、このオブジェクトの長さに基づいて他のより長いオブジェクトが作成されるため、この変数をずっと小さい値に制限することをお勧めします。

    • インストール先が既存のツリーの場合は、既存のツリーのIPアドレス、ツリー名、サーバオブジェクトのコンテキスト、および管理者のログイン名とパスワードを指定します。

    • eDirectoryサーバをアップグレードする場合は、管理者のパスワードを指定します。

      メモ:eDirectory 9.2では、すべてのユーティリティに大文字と小文字を区別するパスワードを使用できます。

    コンテナ名にドットを使用する場合の詳細については、コンテナ名にドットを使用したツリーへのインストールを参照してください。

  5. インストールパスを指定するか、確認します。デフォルトの場所は、C:\NetIQ\eDirectoryです。

  6. DIBのパスを指定するか確認します。デフォルトの場所は、C:\NetIQ\eDirectory\DIBFilesです。

  7. [詳細]タブで、次の情報を指定します。

    • IPv6アドレスを使用する場合は、[IPV6を有効にする]を選択します。

      メモ:インストールプロセス中にIPv6アドレスを有効にせず、後から使用することにした場合は、セットアッププログラムを再度実行する必要があります。

    • 拡張バックグラウンド認証(EBA)を有効にする場合は、[EBAを有効にする]を選択します。

      メモ:インストールプロセス中にEBAを有効にせず、後から有効にすることにした場合は、セットアッププログラムを再度実行する必要があります。

      EBAを有効にしたセカンダリサーバをツリーに追加するには、ツリーでEBA CAを設定しておく必要があります。EBA CAが存在しない場合は、EBAを有効にせずにサーバを追加してから、EBA CAをホストするようにサーバをアップグレードします。この操作を行わないと、セカンダリサーバの設定が失敗します。

    • eDirectory管理HTTPサーバで使用する[HTTPスタックポート]を指定します。

      重要:eDirectoryのインストール中に設定するHTTPスタックポートは、NetIQ iManagerで使用しているか、使用予定のHTTPスタックポートとは別のポートを指定してください。詳細については、『iManager管理ガイド』を参照してください。

    • 使用する[LDAPポート]を指定します。

      詳細については、「LDAPを介したeDirectoryとの通信」を参照してください。

  8. [インストール]をクリックします。

    eDirectoryをインストールする前に、インストールプログラムによって次のコンポーネントがチェックされます。コンポーネントが検出されなかったり、バージョンが正しくない場合は、該当するコンポーネントのインストールが自動的に開始されます。

  9. すべての必須コンポーネントがeDirectoryによって自動的にインストールおよび設定されます。

  10. インストーラがインストールが完了したら、[完了]をクリックしてウィザードを終了します。

重要:eDirectoryがインストールされているサーバにログインできるのはeDirectory管理者だけでなければなりません。

メモ:eDirectoryをインストールした後、eDirectoryサーバのDIBディレクトリは、ウィルス対策ソフトウェアやバックアップソフトウェアのプロセスから除外することをお勧めします。DIBディレクトリのバックアップは、eDirectoryバックアップツールを使って行えます。

eDirectoryのバックアップの詳細については、『NetIQ eDirectory管理ガイド』のNetIQ eDirectoryのバックアップと復元を参照してください。

3.5.2 サーバのヘルスチェック

eDirectory 9.2の場合、eDirectoryのアップグレードの際に、デフォルトでサーバヘルスチェックが実行され、サーバをアップグレードしても安全かどうかが確認されます。

ヘルスチェックの結果に基づいて、次のようにアップグレードが継続または中止されます。

  • すべてのヘルスチェックに成功すると、アップグレードは継続されます。

  • あまり重大でないエラーの場合、アップグレードを継続するか中止するかを問うメッセージが表示されます。

  • 重大なエラーの場合、アップグレードは中止されます。

あまり重大でないエラーと重大なエラーの一覧については「セクション B.0, eDirectoryヘルスチェック」を参照してください。

3.5.3 LDAPを介したeDirectoryとの通信

eDirectoryをインストールする場合、LDAPサーバが監視するポートを選択して、LDAP要求を処理できるようにする必要があります。次の表では、さまざまなインストールオプションを示します。

インストール

オプション

結果

eDirectory 9.2

クリアテキスト(ポート389)

ポート389を選択します。

eDirectory 9.2

暗号化(ポート636)

ポート636を選択します。

ポート389(業界標準のLDAPクリアテキストポート)

ポート389を通じた接続は暗号化されません。このポートへの接続を通して送信されるすべてのデータはクリアテキストです。このため、セキュリティの問題が伴います。たとえば、単純バインド要求でLDAPパスワードが見られる可能性があります。

LDAP単純バインドでは、DNおよびパスワードのみが要求されます。パスワードは平文形式です。ポート389を使用する場合、すべてのパケットはクリアテキスト形式です。デフォルトでは、eDirectoryインストールの実行中にこのオプションは使用できません。

ポート389ではクリアテキストが使用できるため、LDAPサーバサービスではこのポートを通じてeDirectoryへの読み込みおよび書き込みを処理します。このポートの使用は開放性が高く、通信に妨害を受けることがなく、パケットが不正受信されない信頼性の高い環境に適しています。

ポート636に対してセキュリティ保護された接続を行い、単純バインドを実行する場合は、接続はその時点ですでに暗号化されています。このため、パスワード、データパケット、またはバインド要求を閲覧することはできません。

ポート636(業界標準のセキュリティ保護されたポート)

ポート636を通じた接続は暗号化されます。TLS(以前のSSL)によって暗号化が管理されます。デフォルトでは、eDirectoryのインストールではこのポートが選択されます。

ポート636への接続では、自動的にハンドシェークをインスタンス生成します。ハンドシェークが失敗した場合、接続は拒否されます。

重要:この設定をデフォルトで選択することで、ローカルLDAPサーバに問題が発生する場合があります。eDirectoryがインストールされる前にホストサーバにロードされているサービスがポート636を使用している場合は、別のポートを指定する必要があります。

eDirectoryのインストールでは、nldap.nlmファイルがロードされ、dstrace.logファイルにエラーメッセージが記録され、セキュアポートを使用せずに実行されます。

シナリオ: ポート636がすでに使用されている場合: ローカルサーバでActive Directoryを実行しています。Active Directoryでは、ポート636を使用してLDAPプログラムを実行しています。eDirectoryをインストールします。インストールプログラムによってポート636がすでに使用されていることが検出されるため、NetIQ LDAPサーバにポート番号は割り当てられません。LDAPサーバはロードを開始し、実行されているように見えますが、。LDAPサーバではすでに開いているポートを複製または使用できないため、複製されたポートでの要求はLDAPサーバで処理されません。

ポート389またはポート636がNetIQ LDAPサーバに割り当てられているかどうか不明な場合は、ICEユーティリティを実行してください。[ベンダバージョン]フィールドにNetIQが指定されていない場合は、eDirectoryのLDAP Serverを再設定し、別のポートを選択する必要があります。詳細については、『NetIQ eDirectory管理ガイド』の「LDAPサーバが実行されているか確認する」を参照してください。

シナリオ: Active Directoryが実行中の場合: Active Directoryが実行中です。クリアテキストポート389が開かれています。ポート389にICEコマンドを実行して、ベンダバージョンを確認してください。レポートにMicrosoft*が表示されます。次に、別のポートを選択してNetIQ LDAPサーバを再設定します。eDirectory LDAPサーバがLDAPの要求を処理できるようになります。

またNetIQ iMonitorでは、ポート389または636がすでに開かれていることも表示されます。LDAPサーバが動作していない場合、NetIQ iMonitorを使って、詳細を特定します。詳細については、『NetIQ eDirectory管理ガイド』の「LDAPサーバが実行されているか確認する」を参照してください。

3.5.4 NMASサーバソフトウェアのインストール

NMAS (Novell Modular Authentication Service)サーバコンポーネントは、eDirectoryインストールプログラムを実行すると自動的にインストールされます。NDSログインメソッドはデフォルトで設定されます。

ログインメソッドの詳細については、『NetIQ eDirectory管理ガイド』の「ログインとポストログインのメソッドとシーケンスの管理」を参照してください。

3.5.5 コンテナ名にドットを使用したツリーへのインストール

Windowsサーバは、名前にドット(.)が含まれるコンテナ(O=netiq.comまたはC=u.s.aなど)を保持しているeDirectoryツリーにインストールできます。名前にドットが含まれているコンテナを使用するには、ドットを円記号(\)でエスケープする必要があります。ドットをエスケープするには、コンテナ名に含まれるすべてのドットの前に円記号を挿入します。

名前の最初にドットを使用することはできません。たとえば、「.netiq」という名前のコンテナは作成できません。名前がドット(「.」)で始まっているためです。

重要:名前にドットが含まれるコンテナがツリー内に存在する場合、 iMonitor、iManager、DHost iConsoleなどのユーティリティにログインする際、その名前をエスケープする必要があります。 たとえば、ツリーにOの名前として「netiq.com」がある場合、iMonitorにログインするときは[ユーザ名]フィールドに、ユーザ名.netiq\.comと入力します。

3.5.6 WindowsでのeDirectory 9.2の無人インストールと設定

eDirectory 9.2では、eDirectoryのインストールとアップグレードは自動化されているため、ユーザが操作しなくても、eDirectoryがWindowsサーバにサイレントでインストールまたはアップグレードされます。

WindowsのeDirectoryの無人インストールでは、無人インストールまたは無人アップグレードを円滑に実行できるように、事前定義されたテキストファイルが使用されます。eDirectoryの無人インストールを使用して、次のいずれかのセットアップを実行できます。

  • eDirectoryのスタンドアロンインストールまたはアップグレード(eDirectoryの完全インストールかどうかによる)。スタンドアロンアップグレード処理は、インストールされているファイルだけをアップグレードします。

  • インストールされているeDirectoryの設定。eDirectoryをインストールすると、eDirectoryの設定がすべて実行されます。インストールではなく、eDirectoryをアップグレードする場合、インストーラはアップグレードされたファイルだけを設定します。

無人インストールのセットアップ方法の詳細については、「自動インストールに機能を追加する」を参照してください。

前提条件

  • .NET Management Framework 4.0以降が必要です

  • Windows 2012 R2サーバが最新のWindowsパッチで更新されるようにします

次のセクションでは、インストール先、スプラッシュ画面の非表示、ポート設定、その他のNMAPメソッド、SNMPサービスの停止と開始など、無人インストールの設定に使用できるさまざまな機能について説明します。

レスポンスファイル

WindowsオペレーティングシステムでのeDirectory 9.2のインストールまたはアップグレードでは、次の内容に対してレスポンスファイルを使うと、メッセージが表示されなくなり、より柔軟に作業することができます。

  • 必要なすべてのユーザ入力が用意された完全無人インストール

  • コンポーネントのデフォルト設定

  • インストール中のすべてのプロンプトのバイパス

レスポンスファイルとは、Windows.iniファイルのようなセクションとキーが記述されているテキストファイルです。任意のASCIIテキストエディタを使って、レスポンスファイルの作成と編集ができます。eDirectoryアップグレードでは、レスポンスファイルからインストールパラメータが直接読み込まれ、デフォルトのインストール値がレスポンスファイルの値に置き換えられます。インストールプログラムはレスポンスファイルからの値を使って、プロンプトなしでインストールを続行します。

レスポンスファイルのセクションとキー

eDirectory9.2のインストールでは、レスポンスファイル内のセクションを変更して、ツリー名、管理者コンテキスト、管理者資格情報(ユーザ名とパスワードを含む)、インストール先など、インストールするeDirectoryインスタンスに関する情報を追加する必要があります。キーとそのデフォルト値の全リストは、eDirectoryのインストール時に提供されるサンプルのレスポンスファイルから入手できます。eDirectoryのインストール時に<eDirectoryInstallPath>\NetIQ\eDirectory\Sample_Response_Fileから4つのレスポンスファイルを入手できます。

  • newtree.ni:このファイルは、新しいeDirectoryツリーの設定に使用されます。

  • existingtree.ni:このファイルは、既存のeDirectoryツリーにサーバを追加するために使用されます。

  • upgrade.ni:このファイルは、eDirectoryサーバをアップグレードするために使用されます。

  • deconfigure.ni:このファイルは、eDirectoryツリーの設定を解除するために使用されます。

メモ:eDirectoryのインストール時に提供されるレスポンスファイルのいずれかを使用してください。必須のパラメータがあり、デフォルトでこれらのファイルで設定されます。これらのファイルを編集する場合は、キーと値のペアを結ぶ等号記号(「=」)の前後にスペースが入らないようにしてください。

自動インストールに機能を追加する

eDirectoryインストーラの細かな設定はほとんど、手動インストールのにデフォルト設定になっています。ただし無人インストール中は、各環境設定パラメータは明示的に設定されていなければなりません。このセクションでは、インストールの順番や追加機能に関係のない基本設定について説明します。

eDirectoryサーバの詳細情報

アップグレードか、プライマリ/セカンダリサーバのインストールかにかかわらず、インストールまたはアップグレード対象のサーバの詳細情報が、インストーラに提供される必要があります。この情報のほとんどは、タグ[NWI:NDS]で設定されます。

[NWI:NDS] 
  • mode: デフォルトでは、modeキーはconfigureに設定されています。これによってeDirectoryが設定されます。

  • Tree Name: プライマリサーバのインストールでは、これはインストールする必要があるツリーの名前です。セカンダリサーバのインストールでは、サーバの追加先となるツリーになります。

  • Server Name: インストールするサーバの名前です。

  • Server Container: ツリーに追加されたサーバにはサーバオブジェクトがあり、そこにサーバ固有の詳細な設定情報がすべて入っています。このパラメータは、サーバオブジェクトの追加先となるツリーのコンテナオブジェクトです。プライマリサーバのインストールでは、このコンテナはサーバオブジェクトと共に作成されます。

  • Admin Login Name: 少なくともサーバの追加先のコンテキストに対してフル権限を持つ、ツリー内の管理者オブジェクトの名前(RDN)。ツリー内のすべての操作は、このユーザとして実行されます。

  • Admin Context: ツリーに追加されたユーザにはユーザオブジェクトがあり、そこにユーザ固有の詳細情報がすべて入っています。このパラメータは、管理者オブジェクトの追加先となるツリーのコンテナオブジェクトです。プライマリサーバのインストールでは、このコンテナはサーバオブジェクトと共に作成されます。

  • Admin password: 前述のパラメータで作成された管理者オブジェクトのパスワード。このパスワードは、プライマリサーバのインストール時に管理者オブジェクトに対して設定されます。セカンダリサーバのインストールでは、これは新しいサーバの追加先となるコンテキストに対して権限を持っているプライマリサーバの管理者オブジェクトのパスワードである必要があります。

    環境変数で管理者のパスワードを設定し、レスポンスファイルで環境変数の名前を指定することをお勧めします。サイレント設定が完了したら、環境変数からパスワードを削除します。

    重要:無人インストールで使用するレスポンスファイルに管理者ユーザ資格情報を入力します。このため、管理者資格情報が漏洩しないように、インストール後にこのファイルを完全に削除する必要があります。

  • DataDir: デフォルトでは、DIBはNDSロケーション内のFilesサブフォルダにインストールされますが、管理者はこのパラメータを変更して別の場所を指定することができます。このパラメータに値が指定されない場合、値はデフォルトで<Install location>/DIBFilesに設定されます。

  • EBA: 拡張バックグラウンド認証(EBA)は、ツリー内のNCPサーバを認証するため、改良され安全性の高まったバックグラウンド認証プロトコルを提供します。eDirectoryには、eDirectoryツリーの設定中または設定後にEBAを有効にするためのオプションが用意されています。レスポンスファイルを変更しない限り、EBAはデフォルトではeDirectory上には設定されません。EBAを有効にするには、[Require EBA]を[Yes]に設定します。

  • FIPS: NetIQは、連邦情報処理標準(FIPS)モードで実行するeDirectoryをサポートしています。FIPSモードで実行するeDirectoryを有効にするには、[Require FIPS for TLS]を[Yes]に設定します。

  • Enable PBKDF2: 新しい環境設定パラメータEnable PBKDF2が、eDirectory 9.2のnewtree.niレスポンスファイルに追加されました。このオプションを「yes」に設定すると、パスワードポリシーが作成され、ツリー全体に自動的に割り当てられます。このパスワードポリシーにより、ツリー内のすべてのユーザに対して、NDSパスワードのPBKDF2パスワードとの同期が可能になります。詳細については、『NetIQ eDirectory管理ガイド』の「非可逆パスワードストレージを理解する」を参照してください。

前述の基本パラメータをすべて記述したレスポンスファイルのテキスト例を次に示します。

[NWI:NDS]
mode=configure
New Tree=Yes
Tree Name=ENEWTREE
Server Name=ENEWSERVER
Server Container=myorg
Admin Context=myorg
Admin Login Name=Admin
Admin Password=env: PASSWORD_VAR
Require IPV6=NO
Require EBA=NO
Require FIPS for TLS=NO
DataDir=C:\NetIQ\eDirectory\DIBFiles
LDAP TCP Port=389
LDAP SSL Port=636
Require TLS=No
Require SS=YES
Enable PBKDF2=No

NMASメソッドを追加する

eDirectoryのインストールでもアップグレードでも、複数のNMASメソッドのインストールがサポートされています。手動インストール中に、インストールして設定するNMASメソッドを選択できます。自動インストールでも、NMASメソッドの選択ができます。

NMAS関連の環境設定は、[NWI:NMAS]タグ内で指定します。タグには、設定するキーが2つあり、どちらも必須です。

  • Choices: このキーは、インストールする必要があるNMASメソッドの数を、eDirectoryインストールコンポーネントに通知します。

  • Methods: このキーは、インストールする必要があるNMASメソッドオプションを一覧表示します。現在、サポートされているNMASメソッドが6つあります。メソッド名とそのタイプは以下の通りです。

    表 3-1 NMASメソッド

    メソッド名

    メソッドタイプ

    CertMutual

    証明書相互ログインメソッド

    Challenge Response

    NetIQチャレンジ/レスポンス方式NMASメソッド

    DIGEST-MD5

    ダイジェストMD5ログインメソッド

    SAML

    Security Assertion Markup Languageの認証メソッド

    NDS

    NDSログインメソッド(デフォルト)

    Simple Password

    シンプルパスワードNMASログインメソッド

    SCRAM

    Salt Challenge Response Authentication Mechanism(SCRAM)では、PBKDF2ハッシュベースのパスワードを使用します。

メモ:メソッド名は、Methodキーに対するオプションとして、上の表に表示された名前と正確に一致する必要があります。インストーラは、インストールするNMASメソッドを選択するため、文字列の正確な比較(大文字/小文字を含む)を行います。

MSD NMASメソッドは必須で、NMASメソッドのリストが無い場合に自動的にインストールされます。明示的リストが作成する場合も、リストからこのメソッドを削除しないでください。

この手法を使ってレスポンスファイルにNMASメソッドが設定されている場合、eDirectoryはユーザ入力のプロンプトを出さずに、インストール中にステータスメッセージを表示します。

NMASメソッドを選択するレスポンスファイルのサンプルテキストを次に示します。

[NWI:NMAS]
Methods=CertMutual,Challenge Response,DIGEST-MD5,NDS,Simple Password,SAML

HTTPポート

eDirectoryは、Webを介したアクセスのために事前設定されたHTTPポートをリスンします。たとえば、iMonitorはWebインタフェースを介してeDirectoryにアクセスします。適切なアプリケーションにアクセスするには、具体的な名前を指定する必要があります。eDirectoryを特定のポートに設定するには、インストールの前に設定できるキーが2種類あります。

  • クリアテキストHTTPポート: クリアテキストのHTTP操作のためのポート番号。

  • SSL HTTPポート: セキュアソケットレイヤ操作のためのHTTPポート番号。

HTTPポート番号を設定するレスポンスファイルのテキスト例を次に示します。

[eDir:HTTP]
Clear Text HTTP Port=8028
SSL HTTP Port=8030

LDAP環境設定

eDirectoryは、LDAP操作をサポートしています。eDirectoryは、2つの異なるポート上で、クリアテキストとSSLのLDAPリクエストをリスンします。インストール前にこれらのポートをレスポンスファイルで設定すれば、eDirectoryの起動時に設定されたポートをリスンすることができます。

[NWI:NDS]タグには、LDAPポートを設定する以下の3つのキーがあります。

  • LDAP TCP Port: eDirectoryが平文のLDAPリクエストをリスンするポート。ポートが指定されない場合、デフォルトで389が使用されます。

  • LDAP SSL Port: eDirectoryがSSLのLDAPリクエストをリスンするポート。バインドリクエストが平文でパスワードを送信する際にセキュリティ保護された接続をeDirectoryが必須とするかどうか、キーを使って設定することもできます。ポートが指定されない場合、デフォルトで636が使用されます。

  • Require TLS: eDirectoryがLDAPリクエストを平文で受信する場合、TLSを必須とするかどうか指定します。このパラメータに値が指定されない場合、デフォルトで[はい]に設定されます。

LDAP環境設定のレスポンスファイルのテキスト例を次に示します。

[NWI:NDS]
Require TLS=Yes
LDAP TLS Port=389
LDAP SSL Port=636

自動インストールを制御する

レスポンスファイルを編集して、自動インストールのフローを制御することもできます。

SNMPサービスを停止する

これは、WindowsでのeDirectoryインストールに固有の機能です。ほとんどのWindowsサーバでは、SNMPが設定され、動作しています。eDirectoryをインストールする時は、SNMPサービスをダウン状態にして、インストール後に再起動する必要があります。手動インストールの場合、インストールを続行する前にSNMPサービスを停止するよう求めるプロンプトがインストーラの画面に表示されます。[NWI:SNMP]タブのキーを次のように設定することで、自動インストール中にこのプロンプトを表示しないようにすることができます。

  • Stop service: この値を「Yes」に設定すると、プロンプトを表示せずにSNMPサービスを停止します。状態が画面上に表示されます。

SNMPサービスを停止するレスポンスファイルのテキスト例を次に示します。

[NWI:SNMP]
Stop service=yes

SLPサービス

eDirectoryはインストール時やアップグレード時、SLPサービスを使って、サブネット内の他のサービスやツリーを特定します。eDirectoryのインストールによってサーバですでにSLPサービスがインストールされている場合、eDirectoryの現行バージョンはSLPを検出して最新バージョンにアップグレードします。 SLPがインストールされていない場合、サイレントインストール時にeDirectoryによってSLPサービスがインストールされます。

デフォルトサーバ証明書のデフォルトのパラメータを指定する

eDirectoryには、新しいeDirectoryツリーを設定しながら、CA証明書とデフォルトサーバ証明書のデフォルトRSAキーサイズ、楕円曲線、および証明書の有効期限を指定するオプションが用意されています。レスポンスファイルの新しいeDirectoryツリーのサイレントインストール時にCA証明書とデフォルトサーバ証明書のために次のデフォルトパラメータを指定できます。

  • RSA Key Size: RSA証明書のキーサイズを指定します。使用可能な値は2048、4096、および8192ビットです。

  • EC Curve: EC証明書の曲線の制限を指定します。使用可能な値はP256、P384、およびP521です。

  • Certificate Life: 証明書の有効期限を年数で指定します。

ここで指定される値は、新しいツリーが構成されるときに組織のCAオブジェクトの対応する属性に設定されます。

これらの属性は、以下の例に示すように、新しいeDirectoryサーバのインストール中にnewtree.inファイルの[NWI:PKI]タグで設定できます。

[NWI:PKI]
RSA KeySize=4096
EC Curve=P521
Certificate Life=4

詳細については、『NetIQ eDirectory管理ガイド』の「組織の認証局オブジェクトを作成する」を参照してください。

プライマリ/セカンダリサーバのインストール

eDirectoryインストーラには、プライマリサーバまたはセカンダリサーバをネットワークに無人インストールする際に使用できるオプションがあります。プライマリサーバのインストールか、セカンダリサーバのインストールかを決定するキーが1つあります。

  • プライマリサーバ: [NWI:NDS]タグで[新しいツリー]キーを使用し、newtree.niファイル、または新しいサーバのセットアップに必要な類似のレスポンスファイルで新規/プライマリツリーのインストールをYesに設定します。

  • セカンダリサーバ: [NWI:NDS]タグで[新しいツリー]キーを使用し、existingtree.niファイル、またはセカンダリサーバのセットアップに必要な類似のレスポンスファイルでセカンダリツリーのインストールをNoに設定します。

たとえば、新しいツリーにプライマリサーバをインストールする場合は、次のようになります。

[NWI:NDS]
New Tree=Yes

既存ツリーにセカンダリサーバをインストールする場合は、次のようになります。

[NWI:NDS]
New Tree=No

レスポンスファイルを使ったeDirectoryの無人インストール

WindowsでeDirectoryインストーラを起動することは簡単です。eDirectoryリリースで配布されているeDirectory_920_Windows_x86_64.exeは、追加パラメータを指定してコマンドラインから起動します。

指定したセットアップモードに応じて、次のコマンドのどちらかを使用します。

インストール

<Download Location Path>\eDirectory_920_Windows_x86_64.exe /qn

例: D:\builds\eDirectory_920_Windows_x86_64.exe /qn

メモ:以下のコマンドを実行して、任意の場所にeDirectoryをインストールします。

eDirectory_920_Windows_x86_64.exe /qn INSTALLDIR="C:\<Install Location>

設定

<eDirectoryのインストール場所>。/EConfig.ps1 -rfile <サンプルレスポンスファイルの場所>\newtree.ni

たとえば、C:\NetIQ\eDirectory>。/EConfig.ps1 -rfile C:\Sample_Response_Files\newtree.ni

メモ:ログファイルには、以下の場所からアクセスできます。

  • C:\Program Files\NetIQ\eDirectory\installlogs

  • C:\Program Files\NetIQ\eDirectory\logs

3.5.7 ログファイルの場所

dsinstall.log

<Windows Drive>\NetIQ\eDirectoryから入手可能なdsinstall.logファイルの最初の部分には、設定される環境変数の一覧が示されます。2番目の部分には、eDirectoryインストール処理を記録するステータスメッセージが含まれています。