A.5 バックアップと復元

本マニュアルに記述されている高可用性フェールオーバークラスタは一定レベルの冗長性を提供するので、クラスタ内のあるノードでサービスに障害が起きた場合でも、自動的にフェールオーバーして、クラスタ内の別のノード上に復元します。このようなイベントが生じたとき、障害が発生したノードを運用状態に戻して、システムの冗長性を回復し、再び障害が発生したときにシステムを保護できるようにすることが重要です。このセクションでは、さまざまなエラー条件で障害が発生したノードを復元する方法について説明します。

A.5.1 バックアップ

本マニュアルに記述されているような高可用性フェールオーバークラスタは一定レベルの冗長性を提供していますが、環境設定やデータについては従来の方法でバックアップを定期的に取っておくことは重要です。これらは、一度失われたり壊れたりしても簡単には回復できない場合が多いからです。『NetIQ Sentinel 7.1 Administration Guide』のセクション「Backing Up and Restoring Data」では、Sentinelの組み込みツールを使用してバックアップを作成する方法が説明されています。クラスタ内のパッシブノードは共有ストレージデバイスに対する必要なアクセス権を持っていないため、これらのツールはクラスタ内のアクティブノードで使用します。他のバックアップツール製品を代わりに使用することもできますが、どのノードで使用できるかに関して異なる要件を持っている可能性があります。

A.5.2 回復

一時的な障害

障害が一時的であり、アプリケーション、オペレーティングシステムソフトウェア、および環境設定に明らかな破損がない場合は、ノードをリブートするなどして一時的な障害を解除するだけでノードを運用状態に復元できます。必要であれば、クラスタ管理ユーザインタフェースを使用して、実行中のサービスをフェールバックして元のクラスタノードに戻すことができます。

ノードの破損

障害によって、ノードのストレージシステム上にあるアプリケーション、オペレーティングシステムソフトウェア、または環境設定に破損が生じた場合は、破損したソフトウェアを再インストールする必要があります。本マニュアルで既に説明したクラスタのノードを追加するステップを繰り返すことで、ノードを運用状態に復元することができます。必要であれば、クラスタ管理ユーザインタフェースを使用して、実行中のサービスをフェールバックして元のクラスタノードに戻すことができます。

クラスタデータの設定

共有ストレージデバイス上でデータの破損が生じて共有ストレージデバイスが回復不能である場合は、その影響がクラスタ全体に及んでおり、本マニュアルで説明されている高可用性フェールオーバークラスタを使用しても自動的には回復できない状態になっていると考えられます。『NetIQ Sentinel 7.1 Administration Guide』のセクション「Backing Up and Restoring Data」では、Sentinelの組み込みツールを使用してバックアップから復元する方法が説明されています。クラスタ内のパッシブノードは共有ストレージデバイスに対する必要なアクセス権を持っていないため、これらのツールはクラスタ内のアクティブノードで使用します。他のバックアップ復元ツール製品を代わりに使用することもできますが、どのノードで使用できるかに関して異なる要件を持っている可能性があります。