6.9 マッチングルール

マッチングルールが、識別ボールト内の既存オブジェクトと接続システム内の既存オブジェクト間でリンクを確立します。マッチングルールは、識別ボールト内のオブジェクトと、対応するエントリとしてマークされた接続システム内のオブジェクトで、一致する必要があるクラスと属性値を指定します。

優れたマッチングルールを作成するには、関係する2つのシステムを調べ、両システム間で確実に一対一のマッピングになるデータを探す必要があります。従業員ID番号などの属性、電子メールアドレス、およびIDカード番号は、マッチング基準の要素として使用される一般的なデータです。特定の属性が存在しない場合は、属性の組み合わせを使用できます。Surnameだけのマッチングは適切な基準ではありません。たとえば、規模の大きな組織の場合、2人の従業員が同じ姓を持つ可能性があります。Surname + Given Nameのマッチングによって、高いマッチング品質を実現でき、Surname + Given Name + Departmentのマッチングによって、マッチングの確実性を向上できます。マッチングに成功した場合は、2つのオブジェクト間に関連付けが作成されます。マッチングに失敗した場合は、作成ルールを使用します。

6.9.1 発行者

マッチングルールは、識別ボールトのオブジェクトをアプリケーションの対応するオブジェクトとリンクするために使用します。マッチングルールは、マッチング基準を使用して識別ボールトに問い合わせ、一致するオブジェクトを検索します。マッチングルールは、一致するオブジェクトがない場合はゼロを返します。したがって、Addの処理が続行されます。1つの一致するオブジェクトが検出された場合には1を返します。これは入力文書のオブジェクトが識別ボールトのオブジェクトと一致したことを意味します。オブジェクトの一致後、2つのオブジェクト間のデータがフィルタ設定に基づいてマージされます。一致するオブジェクトが複数見つかった場合、Identity Managerエンジンはこれをエラーとして扱い、処理を中止します。マッチングルールを変更するか、この重複を手動で処理する必要があります。

6.9.2 購読者

購読者チャネルではマッチングルールが、Addイベント発生時に機能し、一致するオブジェクトを検索する接続システムへの問い合わせのために識別ボールトデータを使用します。シムを使用して接続システムへ問い合わせる機能は、アプリケーション名の形式に加えられた変更を元に戻すスキーママッピングや出力変換に応じて変わる場合があります。