2.2 推奨されるインストールシナリオとサーバセットアップ

このセクションは、単一サーバまたは分散環境でのインストール順序とサーバのセットアップを決定するのに役立ちます。

2.2.1 SLM for IGAをインストールするタイミングの決定

Sentinelは、Identity Managerの優先する監査イベント転送先です。Identity Managerは、Sentinel Event Source Management (ESM)を使用してSentinelリンクを設定することにより、Sentinelへのイベント転送機能を提供します。すでにSentinelを監査に使用している場合、または識別情報を追跡するための統合フレームワークとして使用している場合は、SLM for IGAをインストールする代わりに、既存のSentinelを使用してイベントを監査することもできます。

既存のSentinelサーバを再利用するか、Identity Managerに同梱されているSLM for IGAの新規インストールを実行するかに関係なく、Sentinelサーバを監査データのソースとして設定する必要があります。これを行うには、イベントを監査するためにIdentity Managerデータ収集サービスページでSentinelサーバに関するデータ同期ポリシーを作成します。詳細については、『Administrator Guide to NetIQ Identity Reporting』の「About the Data Sync Policies tab」を参照してください。

2.2.2 分散セットアップでのインストールに関する考慮事項

インストールを計画する場合は、次の考慮事項を確認してください。

コンポーネントの依存度

コンポーネント

独立したインストール

備考

Identity Managerエンジン

対応

 

識別情報アプリケーション

対応

独自のOSPが必要です。Identity ApplicationsとOSPは同じコンピュータにインストールされる必要があります。

重要:Identity Managerは、リモートでインストールされたOSPをサポートしていません。このバージョンにアップグレードする場合は、Identity ApplicationsのアップグレードでインストールされるOSPを使用してから、OSP設定を既存のOSPサーバからOSPがインストールされている新しいサーバにコピーする必要があります。詳細については、Identity Applicationsコンポーネントのアップグレード後のタスクを参照してください。

Identity Reporting

対応

独自のOSPを持つことができます。インストーラは、Identity ReportingをインストールまたはアップグレードするためにローカルまたはリモートインストールされたOSPをサポートしています。

OSP

非対応

インストーラは、Identity ApplicationsのリモートインストールされたOSPをサポートしていません。同じコンピュータにOSPとIdentity Applicationsをインストールする必要があります。

重要:このバージョンにアップグレードする場合は、Identity ApplicationsのアップグレードでインストールされるOSPを使用してから、OSP設定を既存のOSPサーバからOSPがインストールされている新しいサーバにコピーする必要があります。詳細については、Identity Applicationsコンポーネントのアップグレード後のタスクを参照してください。

SSPR

対応

インストーラは、SSPRのスタンドアロンインストールおよびアップグレードをサポートしています。

Standard EditionでSSPRをインストールまたはアップグレードする場合、NetIQでは、スタンドアロンサーバにSSPRをインストールまたはアップグレードすることをお勧めします。つまり、SSPRをIdentity Reportingと同じサーバにインストールしないでください。

重要:Identity ApplicationsとSSPRが異なるサーバに展開されている場合にこのバージョンにアップグレードし、SSPRがインストールされている新しいサーバに既存のSSPR設定を復元する場合は、新しいSSPRサーバでConfigUpdateユーティリティを使用してSSPR設定を変更してください。詳細については、Identity Applicationsコンポーネントのアップグレード後のタスクを参照してください。

Identity Applicationsデータベース

対応

 

Reportingデータベース

対応

 

Sentinel Log Management for Identity Governance and Administration (Sentinel Log Management)

対応

 

サーバのセットアップ

一般的な運用環境では、Identity Managerを7台以上のサーバと、クライアントワークステーションにインストールすることが考えられます。次に例を示します。

コンピュータのセットアップ

コンポーネントのセットアップ

All in One (デモ/POCセットアップにのみ推奨されます)

1台のコンピュータにすべてのコンポーネント(Identity Managerエンジン、Identity Applications、Identity Reporting、OSP、SSPR、Identity Applicationsデータベース、Reportingデータベース)を、別のコンピュータにSentinel Log managementをインストールおよび設定します。

分散型セットアップ

サーバ1

  • 識別ボールト

  • Identity Managerエンジン

Server 2

Identity ApplicationsおよびOSP (クラスタ化可能)

サーバ3

Identity Reporting (OSP)

サーバ4

SSPR

サーバ5および6

次のコンポーネント用のIdentity Managerデータベース

  • 識別情報アプリケーション

  • Identity Reporting

Server 7

Sentinel Log Management

メモ:4.7リリース以降、アイデンティティボールトの複数のインスタンスを持つサーバへのIdentity Managerのインストールはサポートされなくなりました。