37.4 インストール後の手順

このセクションでは、識別情報アプリケーションのインストール後にTomcat環境を更新する方法について説明します。

ユーザの便宜を図るために提供されるTomcatのインストーラを使用した場合、Identity Managerのインストーラプログラムによって自動的にTomcatの設定が実行されます。ユーザが独自に用意したTomcatプログラムを使用してインストールした場合、次の問題について検討します。

37.4.1 クラスタリング用のユーザアプリケーションドライバの環境設定

37.4.2 preferIPv4StackプロパティをJVMに渡す

識別情報アプリケーションは、JGroupsを使用してキャッシュを実装します。環境設定によっては、mcast_addrのバインディングが確実に成功するように、preferIPv4Stackプロパティをtrueに設定するようにJGroupsが要求します。

このオプションが設定されていない場合、次のエラーが発生する可能性があります。

[10/1/09 16:11:22:147 EDT] 0000000d UDP           W org.jgroups.util.Util
createMulticastSocket could not bind to /228.8.8.8 (IPv4 address); make sure
your mcast_addr is of the same type as the IP stack (IPv4 or IPv6).

次のエラーも発生する可能性があります。

[3/21/12 10:04:32:470 EDT] 00000024 UDP      E org.jgroups.protocols.TP down
failed sending message to null (131 bytes)
        java.lang.Exception: dest=/228.8.8.8:45654 (134 bytes)
    at org.jgroups.protocols.UDP._send(UDP.java:353)

パラメータjava.net.preferIPv4Stack=trueは、たとえばextend.local.config.dirのようなその他のシステムプロパティと同じ方法で設定できるシステムプロパティです。

37.4.3 サーバのヘルスの確認

ほとんどのロードバランサは、HTTPサーバが稼働しおよびリスンしているかどうかを判断するためのヘルスチェック機能を提供します。ユーザアプリケーションには、ロードバランサにHTTPヘルスチェックを設定するために使用できるURLが含まれます。URLは次のとおりです。

http://<NodeIP>:port/IDMProv/jsps/healthcheck.jsp

37.4.4 ヘルスの統計の監視

新しいAPIにより、ユーザアプリケーションのヘルスに関する情報を取得できます。REST APIは、現在実行中のスレッド、メモリ消費、キャッシュ、およびクラスタ情報についてシステムにアクセスし、GET操作を使用して情報を返します。

  • メモリの情報(JVMおよびシステムメモリ): システムメモリ、JVMによって消費されるメモリなどのメモリ関連の情報を読み込みます。

    次に例を示します。

    http://<ip_addr:port>/IDMProv/rest/monitoring/statistics/memoryinfo
  • スレッドの情報: CPU集約型スレッドに関する情報を読み込み、CPUの高負荷の原因となるトップスレッドのリストを返します。

    次に例を示します。

    http://<ip_addr:port>/IDMProv/rest/monitoring/statistics/threadinfo

    JVMのスレッドのスタックトレースにアクセスするには、スタックパラメータをTrueに設定します。

    次に例を示します。

    http://<ip_addr:port>/IDMProv/rest/monitoring/statistics/threadinfo?stack=true

    JVMのスレッド数を指定するには、thread-countパラメータの値を指定します。

    次に例を示します。

    http://<ip_addr:port>/IDMProv/rest/monitoring/statistics/threadinfo?thread-count=1
  • キャッシュの情報: ユーザアプリケーションのキャッシュ情報を読み込みます。

    次に例を示します。

    http://<ip_addr:port>/IDMProv/rest/monitoring/statistics/cacheinfo
  • クラスタの情報: クラスタ関連の情報を読み込みます。

    次に例を示します。

    http://<ip_addr:port>/IDMProv/rest/monitoring/statistics/clusterinfo

メモ:REST APIを使用して、ユーザアプリケーションヘルス統計を表示するには、セキュリティ管理者である必要があります。

37.4.5 複合インデックスの作成

アイデンティティアプリケーションをインストールまたはアップグレードした後で、Identity Managerダッシュボードでユーザをソートするために使用する各属性の複合インデックスを手動で作成します。eDirectoryインストールパスにあるndsindexユーティリティを使用して複合インデックスを作成できます。複合インデックスに$記号を使用して区切られる複数の属性を指定できます。複合インデックスに必要な基本属性を以下に示します。

  • Surname,Given Name

  • Given Name,Surname

  • cn,Surname

  • Title,Surname

  • Telephone Number,Surname

  • Internet Email Address,Surname

  • L,Surname

  • OU,Surname

次のコマンドは、ndsindexユーティリティを使用して複合インデックスを作成できます。

ndsindex add [-h <hostname>] [-p <port>] -D <admin DN> -W|[-w <password>] -s <eDirectory Server DN> [<indexName1>, <indexName2>.....] 

たとえば、タイトル属性でユーザをソートする場合は次のコマンドを実行します。

ndsindex add -h <hostname> -p <ldap port> -D <admin DN> -w <admin passwd> -s <eDirectory Server DN> Title-SN;Title\$Surname;value