4.5 Identity Managerでのシングルサインオンアクセスの使用

シングルサインオン(SSO)アクセスを提供するため、Identity Managerは認証サービスNetIQ One SSO Provider (OSP)を使用します。OSPは、次のコンポーネントで使用する必要があります。

  • Catalog Administrator

  • Identity Managerダッシュボード

  • Identity Reporting

  • Self-Service Password Reset

  • ユーザアプリケーション

Identity Managerの.isoイメージおよびIdentity Manager統合インストーラプログラムの両方に、OSPのインストール方法が記述されています。OSPのインストールの詳細については、セクション 32.0, Identity Manager用パスワード管理のインストールを参照してください。

4.5.1 One SSO Providerによる認証の理解

OSPはOAuth2仕様をサポートしており、認証にOAuthプロトコルを使用するLDAP認証サーバを必要とします。デフォルトでは、Identity Managerは識別ボールト(eDirectory)を使用します。OSPは他のタイプの「認証ソース」「アイデンティティボールト」と通信し、認証要求を処理できます。ただし、特定のソースはOAuthプロトコルを使用する必要があります。OSPで使用する認証のタイプ(ユーザIDとパスワード、Kerberos、またはSAML)を設定できます。ただし、OSPはMIT方式のKerberosまたはSAPログインチケットはサポートしません。

OSPおよびSSOの動作の仕組み

認証サービスとしてアイデンティティボールトを使用し、アイデンティティボールトで指定されたコンテナにCNとパスワードがある場合は、認証されたユーザはインストール後ただちにIdentity Managerにログインできます。このログインアカウントがない場合、すぐにログイン可能なユーザはインストール中に指定した管理者だけです。

ユーザがブラウザベースのコンポーネントの1つにログインすると、ユーザの名前とパスワードのペアがOSPサービスにリダイレクトされ、OSPサービスが認証サーバに問い合わせます。認証サーバは、ユーザ資格情報を検証します。その後、OSPはコンポーネントとブラウザに対してOAuth2アクセストークンを発行します。ブラウザは、ユーザのセッション中にこのトークンを使用して、すべてのブラウザベースのコンポーネントに対するSSOアクセスを提供します。

KerberosまたはSAMLを使用する場合、OSPはKerberosチケットサーバまたはSAML IDPからの認証を受け入れ、ユーザがログインしたコンポーネントに対してOAuth2アクセストークンを発行します。

OSPとKerberosの連携の仕組み

OSPとKerberosを使用することで、いったんログインしたユーザは、識別情報アプリケーションの1つおよびIdentity Reportingとのセッションを作成できるようになります。ユーザのセッションがタイムアウトした場合は自動的に認証が実行され、ユーザによる操作は必要はありません。ログアウト後、ユーザは必ずブラウザを終了してセッションを確実に終了する必要があります。そうしないと、ユーザはログインウィンドウにリダイレクトされ、OSPによってユーザセッションが再認証されます。

認証とシングルサインオンアクセスのセットアップ方法

OSPとSSOを機能させるには、OSPをインストールする必要があります。その後、各コンポーネントに対するクライアントアクセスのURL、検証要求をOSPにリダイレクトするURL、および認証サーバの設定を指定します。この情報は、インストール中に指定することも、RBPM設定ユーティリティを使用して後で指定することもできます。KerberosチケットサーバまたはSAML IDPの設定も指定できます。

認証およびシングルサインオンアクセスの設定の詳細については、セクション XV, Identity Managerのシングルサインオンアクセスの設定を参照してください。クラスタでは、そのすべてのメンバーの環境設定は同一です。

4.5.2 One SSO Providerのキーストアの理解

Identity Managerでは、OSPサービスと認証サーバ間でのhttpおよびhttps通信をサポートするキーストアを使用します。キーストアはOSPのインストール時に作成します。また、OSPサービスが認証サーバと許可された方法で対話する場合に使用するパスワードも作成します。詳細については、セクション 32.0, Identity Manager用パスワード管理のインストールを参照してください。

4.5.3 One SSO Providerの監査イベントの理解

OSPは、ユーザがユーザアプリケーションまたはIdentity Reportingにログインしたとき、またはこれらからログアウトしたときを表すイベントを1つずつ生成します。

  • 003E0204 - ログイン

  • 003E0201 - ログアウト

これらのOSPイベントは、XDAS分類により、ログイン/ログアウトの成功、ユーザアプリケーションに対するSOAPコールの成功、または「成功以外」のいずれかとして解釈されます。