9.2 非rootユーザとしての識別ボールトのインストール

このセクションでは、nds-installユーティリティではなく、tarballを使用して識別ボールトをインストールする方法について説明します。tarファイルを解凍(untar)すると、システムによりetcopt、およびvarディレクトリが作成されます。

非rootインストールの前提条件の詳細については、セクション 7.2.2, 非rootユーザとしての識別ボールトのインストールに関する前提条件を参照してください。

メモ:また、rootユーザとしてインストールするときに、カスタムパスを指定する場合は、このプロセスを使用することができます。

rootユーザとして識別ボールトをインストールするには:

  1. 識別ボールトをインストールするコンピュータに対する適切な権利を持つsudoユーザとしてログインします。

    メモ:カスタムインストールパスを指定する場合は、rootユーザとしてログインすることもできます。

  2. 識別ボールトのインストール先ディレクトリで、次のコマンドを使用してtarファイルを解凍します。

    tar -xvf /tar_file_name
  3. (状況によって実行)環境変数のパスを手動でエクスポートするには、次のコマンドを入力します。

    export LD_LIBRARY_PATH=custom_location/eDirectory/opt/novell/eDirectory/
    lib64:custom_location/eDirectory/opt/novell/eDirectory/lib64/ndsmodules:
    custom_location/eDirectory/opt/novell/lib64:$LD_LIBRARY_PATH
    
    export PATH=custom_location/eDirectory/opt/novell/eDirectory/
    bin:custom_location/eDirectory/opt/novell/eDirectory/sbin:/opt/novell/
    eDirectory/bin:$PATH
    
    export MANPATH=custom_location/eDirectory/opt/novell/man:custom_location/
    eDirectory/opt/novell/eDirectory/man:$MANPATH
    
    export TEXTDOMAINDIR=custom_location/eDirectory/opt/novell/eDirectory/
    share/locale:$TEXTDOMAINDIR
  4. (状況によって実行) ndspathスクリプトを使用して、環境変数のパスをエクスポートするには、ユーティリティの前にndspathスクリプトを指定する必要があります。次の手順に従います。

    1. custom_location/eDirectory/optディレクトリから、次のコマンドを使用してユーティリティを実行します。

      custom_location/eDirectory/opt/novell/eDirectory/bin/ndspath
      utility_name_with_parameters
    2. 次のコマンドを使用して、現在のシェルのパスをエクスポートします。

      . custom_location/eDirectory/opt/novell/eDirectory/bin/ndspath
    3. ユーティリティを通常どおり実行します。

    4. パスのエクスポート指示は、/etc/profile~/bashrcなどのスクリプトの最後に追加します。

      この手順により、ログイン時または新しいシェルのオープン時には常に、ユーティリティを直接起動できます。

  5. VLV (Virtual List View)およびSSS (Server Side Sort)コントロールを使用してLDAP検索をサポートするには、アイデンティティボールトにHotfix 2を適用します。詳細については、セクション 11.0, アイデンティティボールトへのHotfix 2の適用を参照してください。

  6. 識別ボールトを設定するには、次の手順のいずれかを実行します。

    1. ndsconfigユーティリティを実行するには、コマンドラインに次のテキストを入力します。

      ndsconfig new [-t treename] [-n server_context] [-a admin_FDN] [-w
      admin password] [-i] [-S server_name] [-d path_for_dib] [-m module] [e] [-L ldap_port] [-l SSL_port] [-o http_port] -O https_port] [-p IP address:[port]] [-c] [-b port_to_bind] [-B interface1@port1, interface2@port2,..] [-D custom_location] [--config-file configuration_file]

      次に例を示します。

      ndsconfig new -t mary-tree -n novell -a admin.novell -S linux1 -d /home/
      mary/inst1/data -b 1025 -L 1026 -l 1027 -o 1028 -O 1029 -D /home/mary/
      inst1/var --config-file /home/mary/inst1/nds.conf

      メモ:

      • ndsconfigユーティリティで指定できるパラメータの詳細については、セクション 12.1.1, ndsconfigユーティリティのパラメータの理解を参照してください。

      • 1024~65535の範囲内のポート番号を指定する必要があります。どのeDirectoryアプリケーションでも、デフォルトポート524は使用できません。

        ポートの指定に関するこの制限は、次のタイプのアプリケーションに悪影響を及ぼす可能性があります。

        • ターゲットサーバポートを指定するオプションがないアプリケーション。

        • NCPを使用し、ポート524でルートとして動作する古いアプリケーション。

      • -Bおよび-PオプションでIPv6アドレスを指定できます。IPv6アドレスを指定するには、アドレスを角かっこ[ ]で囲む必要があります。たとえば、-B [2015::4]@636のように指定します。

      • NetIQ SecreStore (ss)をインストールして設定する必要があります。詳細については、セクション 12.1.2, アイデンティティボールトスキーマへのSecretStoreの追加を参照してください。

    2. ndsmanageユーティリティを使用して、新しいインスタンスを設定します。詳細については、セクション 12.2.2, 識別ボールトにおける新規インスタンスの作成を参照してください。