12.2 ndsmanageユーティリティによるインスタンスの管理

ndsmanageユーティリティにより、識別ボールトにおいてサーバインスタンスを作成、起動、および停止することができます。設定済みのインスタンスのリストを表示することもできます。

12.2.1 識別ボールトインスタンスの表示

ndsmanageユーティリティを使用して、環境設定ファイルのパス、サーバインスタンスの完全識別名とポート、および指定したユーザのインスタンスのステータス(アクティブか、非アクティブか)を表示できます。ユーティリティでは、次のパラメータがサポートされています。

ndsmanage

設定したすべてのインスタンスを表示します。

ndsmanage -a|--all

識別ボールトの特定のインストールを使用しているすべてのユーザのインスタンスを表示します。

ndsmanage ユーザ名

指定したユーザが設定したインスタンスを表示します。

12.2.2 識別ボールトにおける新規インスタンスの作成

  1. コマンドラインで、「ndsmanage」と入力します。

  2. c」と入力します。

  3. コマンドプロンプトの指示に従って、新しいインスタンスを作成します。

12.2.3 識別ボールトにおけるインスタンスの設定と設定解除

インスタンスを設定するには、次のコマンドを入力します。

ndsconfig new -t treename -n server_context -a admin_FDN -b port_to_bind -D path_for_data 

次に例を示します。

ndsconfig new -t mytree -n o=netiq -a cn=admin.o=company -b 1524 -D
/home/mary/inst1/var --config-file /home/mary/inst1/nds.conf

メモ:Linuxオペレーティングシステムでは、マウントされたファイルシステム上でのソケット作成が制限されています。eDirectoryでは、varディレクトリはローカルファイルシステムに作成し(ndsconfig-Dオプションを指定)、DIBディレクトリは任意のファイルシステムとする(ndsconfig-dオプションを指定)ことをお勧めします。

インスタンスの設定を解除するには:

  1. コマンドラインで、「ndsmanage」と入力します。

  2. 設定解除するインスタンスを選択します。

  3. d」と入力します。

12.2.4 識別ボールトにおけるインスタンスに対するユーティリティの呼び出し

インスタンスに対して、DSTraceなどのユーティリティを実行できます。たとえば、/home/mary/inst1/nds.confディレクトリにある環境設定ファイルおよび/home/mary/inst1/varディレクトリにあるそのDIBファイルを使用して、ポート1524でリスンしているインスタンス1に対してDSTraceユーティリティを実行するとします。この場合、次のいずれかのコマンドを入力できます。

ndstrace --config-file /home/mary/inst1/nds.conf

または

ndstrace -h 164.99.146.109:1524

インスタンス識別子を指定しない場合、ユーティリティによりすべてのインスタンスが表示されます。そこから、インスタンスを選択できます。

12.2.5 識別ボールトにおけるインスタンスの起動と停止

設定した1つ以上のインスタンスを起動または停止できます。

  1. (状況によって実行)単一のインスタンスの起動または停止のガイド付きプロセスで、次の手順を実行します。

    1. コマンドラインで、「ndsmanage」と入力します。

    2. 起動または停止するインスタンスを選択します。

    3. インスタンスを起動するには「s」、インスタンスを停止するには「k」を入力します。

  2. (状況によって実行)単一のインスタンスを起動または停止するには、次のように入力します。

    ndsmanage start --config-file configuration_file_of_the_instance

    または

    ndsmanage stop --config-file configuration_file_of_the_instance
  3. (状況によって実行)すべてのインスタンスを起動または停止するには、次のように入力します。

    ndsmanage startall

    または

    ndsmanage stopall