J.18 eDirectory のエラーログを管理する

エラーログは、eDirectoryのインストール中に自動的に開始されます。

メッセージの重大度レベル

すべてのメッセージには重大度レベルが添付されており、そのメッセージがどれだけ重要であるかを判断する助けになります。

エラーメッセージ

説明

Fatal: 致命的エラーのメッセージは、データや機能の損失のような重大な問題を示します。

例:

  • eDirectoryサーバが、モジュールのロード中に、NCPEngineやDSLoaderなどのシステムモジュールのロードに失敗した場合は、致命的エラーが報告され、ログに記録されます。

  • eDirectoryサーバがセキュアポート636でのバインドに失敗すると、致命的エラーが報告され、ログに記録されます。

警告: 重大とは限らないメッセージですが、将来的に問題を引き起こす原因になる可能性があります。

例:

  • ツリー内のいずれか2台のサーバ間で接続エラーが発生し、結果的にサーバが不正アドレスのキャッシュに追加された。サーバは、不正アドレスのキャッシュをリセットすると、この状態から回復できます。

  • LDAPクライアントアプリケーションがバインドを実行し、バインドを解除しないで接続を閉じた場合、LDAPサーバは適切な警告メッセージを記録する必要があります。

  • eDirectoryサーバがファイル記述子をすべて消費してしきい値に達した場合、結果としてサーバは受信要求を処理して応答することができず、アプリケーションのエラーが発生します。

エラー: 無効と見なされる操作が原因で示されるメッセージです。問題の発生を警告するものではありません。

例:

  • クライアントアプリケーションがオブジェクトを追加しようとしたときに、そのオブジェクトの属性定義がスキーマに定義されていない場合、eDirectory サーバはERR_NO_SUCH_ATTRIBUTEエラーを通知します。

  • 無効なパスワードを使用してユーザがログインしようとすると、eDirectoryサーバはERR_FAILED_AUTHENTICATIONエラーを通知します。

情報: 操作が正常に完了したことや、eDirectoryサーバ内のイベントについて説明するメッセージです。

例:

  • モジュールが正常にロードまたはアンロードされたときに、操作に関する情報を示すメッセージを記録しておきたい場合があります。

  • データベースキャッシュの設定が変更された場合、設定が正常に保存されたことことを示す情報メッセージをログに記録する必要があります。

デバッグ: 開発者がプログラムをデバッグする際に役立つ情報が含まれるメッセージです。

例:

ダイナミックグループの検索時に、エントリID、パーティションID、およびメンバーのDNとともに、すべてのダイナミックグループメンバーを表示します。この情報は、すべてのメンバーがeDirectoryレベルで返されることを確認する際に役立ちます。

エラーログを設定する

Linuxでの重大度レベルの設定: サーバ側メッセージに対してエラーログ設定を行う場合は、/etc/opt/novell/eDirectory/conf/nds.conf環境設定ファイルで、n4u.server.log-levelsパラメータとn4u.server.log-fileパラメータを使用できます。

使用できる重大度レベルは、LogFatalLogWarnLogErrLogInfo、およびLogDbgです(重大度が高い順)。重大度レベルの詳細については、メッセージの重大度レベルを参照してください。

デフォルトでは重大度レベルは「LogFatal」に設定されます。このため、重大度レベルが致命的エラーであるメッセージのみがログに記録されます。

重大度レベルを設定するには、nds.confファイル内で、n4u.server.log-levelsパラメータを次のように設定します。

n4u.server.log-levels=severity_level

次に例を示します。

  • 重大度レベルをLogInfo以上に設定するには、次のように入力します。

    n4u.server.log-levels=LogInfo

    この設定を使用すると、重大度レベルがLogInfo以上(つまり、LogFatalLogWarn、およびLogErr)のメッセージが、ログファイルに記録されます。

  • 重大度レベルをLogWarn以上に設定するには、次のように入力します。

    n4u.server.log-levels=LogWarn

    この設定を使用すると、重大度レベルがLogWarn以上(LogFatal)のメッセージが、ログファイルに記録されます。

  • 重大度レベルをLogDbg以上に設定するには、次のように入力します。

    n4u.server.log-levels=LogDbg

    この設定を使用すると、重大度レベルがLogDbgのメッセージが、ログファイルに記録されます。

    メモ:ログレベル(n4u.server.log-levels)をLogDbgに設定する際に、環境変数NDSD_EVENT_DISK_CACHEをtrueに設定する必要があります。

Linuxでのログファイル名の指定: メッセージの記録先にするログファイルの場所を指定するには、nds.confファイル内でn4u.server.log-fileパラメータを使用します。デフォルトでは、ndsd.logファイルにメッセージが書き込まれます。

たとえば、メッセージを/tmp/edir.logに記録するには、次のように入力します。

n4u.server.log-file=/tmp/edir.log

システムのログにメッセージを記録するには、次のようにn4u.server.log-fileパラメータを使用します。

n4u.server.log-file=syslog

Windowsでの重大度レベルの設定

使用できる重大度レベルは、LogFatalLogWarnLogErrLogInfo、およびLogDbgです(重大度が高い順)。重大度のレベルの詳細については、「メッセージの重大度レベル」を参照してください。

重大度レベルを設定するには、次の操作を行います。

  1. スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[NetIQ eDirectoryサービス]の順にクリックします。

  2. [サービス]タブで、[dhlog.dlm]を選択します。

  3. [開始パラメータ]ボックスにログのレベルを入力します。

    たとえば、ログのレベルをLogErr以上に設定するには、次のように入力します。

    LogLevels=LogErr
  4. [設定]をクリックします。

  5. [ACS環境設定]タブで、[DhostLogger]のプラス記号をクリックします。

    設定した値でLogLevelパラメータが更新されます。

    メモ:Windowsでは、ドライバトレースレベルの重大度は動作しません。

Windowsでのログファイル名とパスの指定

  1. スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[NetIQ eDirectoryサービス]の順にクリックします。

  2. [サービス]タブで、[dhlog.dlm]を選択します。

  3. [開始パラメータ]に、ログファイルのパスを次のように入力します。

    LogFile=file_path

    たとえば、ログファイルのパスを/tmp/Err.logに設定するには、[開始パラメータ]に次のように入力します。

    LogFile=/tmp/Err.log
  4. [設定]をクリックします。

  5. [ACS環境設定]タブで、[DhostLogger]のプラス記号をクリックします。

    設定した値でLogFileパラメータが更新されます。

ログファイルサイズの指定Windows上

  1. スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[NetIQ eDirectoryサービス]の順にクリックします。

  2. [サービス]タブで、[dhlog.dlm]を選択します。

  3. [開始パラメータ]に、ログファイルのパスを次のように入力します。

    LogSize=size

    デフォルトのファイルサイズは1MBです。

  4. [設定]をクリックします。

  5. [ACS環境設定]タブで、[DhostLogger]のプラス記号をクリックします。

    設定した値でLogSizeパラメータが更新されます。