19.2 eDirectoryの正常動作の維持

ディレクトリサービスのヘルスはあらゆる組織にとって極めて重要です。NetIQ iMonitorを使用して定期的にヘルスチェックすることで、ディレクトリの円滑な機能が維持され、アップグレードやトラブルシューティングがずっと容易になります。

19.2.1 ヘルスチェックを実行する時期

一般に、ネットワークを頻繁に変更しない場合(2~3ヶ月程度の頻度でしかサーバとパーティションを追加せず、単純な変更だけを頻繁に行う場合)は、ヘルスチェックは月に1度実行します。

ネットワークの変更が頻繁に発生する場合(パーティションやサーバが毎週追加される、あるいは組織の再編成を行っている場合)、ヘルスチェックは週に1度実行します。

環境の変更に応じて、ヘルスチェックの頻度を調整します。ヘルスチェックの実行頻度に影響する要素を次に示します。

  • パーティションとレプリカの数

  • サーバを保持しているレプリカの安定度

  • eDirectoryパーティション内の情報量

  • オブジェクトのサイズと複雑さ

  • 以前のDSRepairs内のエラー数

ヘルスチェックを実行すると、所有する権利に基づき、iMonitorがすべてのサーバから情報を集めます。なお、ヘルスチェックレポートを実行すると、ネットワークトラフィックが発生し、ディスク容量を消費する場合があることに注意してください。

19.2.2 ヘルスチェックの概要

完全なヘルスチェックでは、次の情報がチェックされます。

  • eDirectoryのバージョン

    同じサーバ上で異なるバージョンのNDSやeDirectoryを実行していると、同期の問題が発生する可能性があります。NDSまたはeDirectoryのバージョンが古い場合は、Patches & Security Webサイトから最新のソフトウェアパッチをダウンロードしてください。

  • 時刻同期

    すべてのeDirectoryサーバは、正確な時刻を維持する必要があります。タイムスタンプが各オブジェクトおよびプロパティに割り当てられ、これによりオブジェクトおよびプロパティの更新が正しい順序で行われます。eDirectoryでは、タイムスタンプを使用して、同期が必要なレプリカを判別します。

  • 同期の許容範囲

    インバウンドやアウトバウンドのデータ変更により同期を行ってから経過した期間で、どれだけのデータが未処理となっているかなどをチェックします。

  • バックグラウンド処理

    プロセスはさまざまなタスクを実行しますが、その中には変更の複製およびシステム情報の保守があります。

    • 外部参照

    • 破損通知

    • eDirectoryスキーマ

これらのチェックを実行するための詳細な手順については、次のセクション(セクション 19.2.3, iMonitorを使用したeDirectoryのヘルスチェック)を参照してください。

19.2.3 iMonitorを使用したeDirectoryのヘルスチェック

環境設定によっては、eDirectoryサーバのヘルスチェックをiMonitorの次の2つの方法のいずれかを使用して実行できます。

ナビゲータフレームを使用する

  1. iMonitorへアクセスする

    詳細については、セクション 8.1.2, iMonitorへのアクセスを参照してください。

  2. ナビゲータフレームで、[レポート]アイコン[レポート]アイコンをクリックします。

  3. アシスタントフレームで、[レポート設定]リンクをクリックします。

    データフレームに、実行可能レポートリストが表示されます。

  4. 必要なサーバ情報の[レポートの設定]アイコンレポートの設定アイコンをクリックします。

    データフレームに、サーバ情報レポートが表示されます。このレポートを使用して、レポートに必要なオプションを選択します。

  5. ヘルスのサブレポート]チェックボックスをオンにします。

  6. 指定した間隔でレポートを実行するには、データフレームの[レポートのスケジュール]セクションで、必要なオプションを選択します。

    重要:スケジュールされたレポートを実行する場合は、Publicユーザとして実行され、認証済みユーザとして実行する場合よりも得られる情報が少なくなる可能性があります。

  7. レポートの実行]をクリックして、レポートを処理します。

アシスタントフレームを使用する

  1. iMonitorへアクセスする

    詳細については、セクション 8.1.2, iMonitorへのアクセスを参照してください。

  2. アシスタントフレームで、[エージェントヘルス]をクリックします。

    iMonitorが情報を取得するサーバ(接続先のサーバとは限りません)のヘルスチェック情報が、データフレームに表示されます。

レポート情報の検討

レポートが生成されたら、データフレームにレポート結果が表示されます。ツリー内に正常でないサーバがある場合、レポートは次の3つのカテゴリに分けられます(グループ化はヘルス状態が悪いサーバから始まります)。

  • 警告のあるサーバ

  • 疑わしいサーバ

  • 正常なサーバ

警告のあるサーバや疑わしいサーバがない場合は、これらのカテゴリは表示されません。

正常に動作していないサーバがある場合は、そのサーバの横の[Agent Health Sub-Report]リンク[Agent Health Sub-Report]アイコンをクリックできます。オンラインの文脈依存型ヘルプを使用して、問題を解決します。このヘルプは、個々のオプションの意味、それが重要である理由、問題の解決方法、範囲の調整方法、およびヘルスチェックに追加するオプションがあるかどうかを確認するのに役立ちます。

重要:警告のあるサーバがある場合、その問題を解決することを強くお勧めします。疑わしいサーバについても、評価することをお勧めします。

19.2.4 その他の情報

eDirectoryの正常な動作を維持するために使用するツールとテクニックについては、『NetIQ eDirectory Tools & Diagnostics Course 3007』を参照してください。このコースでは、次の方法について学習します。

  • eDirectoryヘルスチェックの実行方法

  • eDirectoryの正しい操作方法

  • eDirectoryの問題の適切な診断、トラブルシューティング、および解決の方法

  • eDirectoryトラブルシューティングのツールおよびユーティリティの使用方法

このコースの詳細については、NetIQトレーニングサービスのWebサイトを参照してください。