8.3 マイグレーションの手順

  1. ターゲットサーバで次のコマンドを入力して、migedirユーティリティを実行します。

    migedir -s <IP address> [-A <log directory name>] [-t] [-v] [-h]
    

    このユーティリティでは、次のコマンドラインオプションが指定できます。

    オプション

    説明

    -s IP address

    マイグレーションするeDirectoryインスタンスを格納しているソースサーバのIPアドレスを指定します。

    重要:-sは必須パラメータです。

    -A directory name

    監査を有効にします。directory nameには、ログファイルが作成されるディレクトリを指定します。

    -t

    入力パラメータの有効性をテストします。

    メモ:このオプションを指定すると、IPアドレスが確認されます。実際のマイグレーションは実行されません。

    -v

    冗長モードを有効にします。

    -h

    このユーティリティの使用方法に関するヘルプを表示します。

  2. ユーティリティがマイグレーションを実行する際に表示される画面の指示に従ってください。

    マイグレーションユーティリティは、マイグレーション前のチェック、マイグレーション、およびマイグレーション後の作業を実行します。

マイグレーション前

このユーティリティは、次のチェックを実行します。

マイグレーション

ユーティリティは収集した環境設定情報から、eDirectoryインスタンスのマイグレーションを実行します。これには、ソースサーバデータのバックアップ、ソースサーバのeDirectoryインスタンスのロック、ターゲットサーバへのデータのマイグレーション、ターゲットサーバでのeDirectoryインスタンスの復元が含まれます。依存するNICIファイルも移行されます。

ユーティリティは、以前のチェック時に取得したソースサーバの詳細情報を使って、ターゲットサーバのローカルインスタンスの設定も行います。

マイグレーション後

マイグレーション後、ユーティリティは次のタスクを実行します。

障害処理

マイグレーション中、ソースサーバとターゲットサーバで実行されているインスタンスが複数コピーされないように、ソースサーバのデータベースはロックされています。同じインスタンスの複数コピーは、データの不整合につながることがあります。処理が失敗した際にソースサーバを再び起動する場合は、次の操作を実行する必要があります。

  1. 部分的にマイグレーションされたターゲットサーバのeDirectoryインスタンスを削除します。

    サーバからeDirectoryのインスタンスを削除する方法については、「セクション 1.6.4, ndsconfigユーティリティを使用してeDirectoryレプリカサーバを追加または削除する」を参照してください。

  2. ソースサーバのデータベースを復元し、ロックを解除します。

    データベースのアンロックと復元の詳細については、『NetIQ eDirectory 8.8 SP8管理ガイド』のeMBoxクライアントを使ったバックアップ/復元を参照してください。

    データベースのバックアップは、sys:ni/dataフォルダに保存されます。