ターゲットサーバで次のコマンドを入力して、migedirユーティリティを実行します。
migedir -s <IP address> [-A <log directory name>] [-t] [-v] [-h]
このユーティリティでは、次のコマンドラインオプションが指定できます。
オプション |
説明 |
---|---|
-s IP address |
マイグレーションするeDirectoryインスタンスを格納しているソースサーバのIPアドレスを指定します。 重要:-sは必須パラメータです。 |
-A directory name |
監査を有効にします。directory nameには、ログファイルが作成されるディレクトリを指定します。 |
-t |
入力パラメータの有効性をテストします。 メモ:このオプションを指定すると、IPアドレスが確認されます。実際のマイグレーションは実行されません。 |
-v |
冗長モードを有効にします。 |
-h |
このユーティリティの使用方法に関するヘルプを表示します。 |
ユーティリティがマイグレーションを実行する際に表示される画面の指示に従ってください。
マイグレーションユーティリティは、マイグレーション前のチェック、マイグレーション、およびマイグレーション後の作業を実行します。
このユーティリティは、次のチェックを実行します。
リング内のレプリカのヘルスと状態を確認します。
移行するサーバの環境設定情報を収集し、マイグレーション中に他の操作で使われる環境設定ファイルに書き込みます。
ソースサーバとターゲットサーバ間の時刻同期を確認します。
既存のeDirectoryインスタンスがないか、ターゲットサーバを確認します。
インスタンスが存在する場合はプロンプトを表示し、マイグレーションを続行する前に、既存インスタンスを削除します。
インスタンスが存在しない場合は、新しいインスタンスが設定され、それが使用されます。
ユーティリティは収集した環境設定情報から、eDirectoryインスタンスのマイグレーションを実行します。これには、ソースサーバデータのバックアップ、ソースサーバのeDirectoryインスタンスのロック、ターゲットサーバへのデータのマイグレーション、ターゲットサーバでのeDirectoryインスタンスの復元が含まれます。依存するNICIファイルも移行されます。
ユーティリティは、以前のチェック時に取得したソースサーバの詳細情報を使って、ターゲットサーバのローカルインスタンスの設定も行います。
マイグレーション後、ユーティリティは次のタスクを実行します。
ツリー名やサーバ名など、ソースサーバのeDirectoryインスタンス情報を使って、nds.conf環境設定ファイルを修正します。
新しいデータを使用できるように、ターゲットサーバのeDirectoryインスタンスが再起動されます。
レプリカリングの新しいIPアドレスの同期を開始するため、ネットワークアドレスが修復されます。
マイグレーション中、ソースサーバとターゲットサーバで実行されているインスタンスが複数コピーされないように、ソースサーバのデータベースはロックされています。同じインスタンスの複数コピーは、データの不整合につながることがあります。処理が失敗した際にソースサーバを再び起動する場合は、次の操作を実行する必要があります。
部分的にマイグレーションされたターゲットサーバのeDirectoryインスタンスを削除します。
サーバからeDirectoryのインスタンスを削除する方法については、「セクション 1.6.4, ndsconfigユーティリティを使用してeDirectoryレプリカサーバを追加または削除する」を参照してください。
ソースサーバのデータベースを復元し、ロックを解除します。
データベースのアンロックと復元の詳細については、『NetIQ eDirectory 8.8 SP8管理ガイド』のeMBoxクライアントを使ったバックアップ/復元
を参照してください。
データベースのバックアップは、sys:ni/dataフォルダに保存されます。