メモ:ndsconfig upgradeコマンドは、HTTP、LDAP、SNMP、SAS、およびNMAS (NetIQ Modular Authentication Service)などの個別のコンポーネントで必要な環境設定をアップグレードするために使用します。
eDirectory 8.8の場合、eDirectoryのアップグレードの際に、デフォルトでサーバヘルスチェックが実行され、サーバをアップグレードしても安全かどうかが確認されます。
ヘルスチェックの結果に基づいて、次のようにアップグレードが継続または中止されます。
すべてのヘルスチェックに成功すると、アップグレードは継続されます。
あまり重大でないエラーの場合、アップグレードを継続するか中止するかを問うメッセージが表示されます。
重大なエラーの場合、アップグレードは中止されます。
あまり重大でないエラーと重大なエラーの一覧については「セクション B.0, eDirectoryヘルスチェック」を参照してください。
サーバのヘルスチェックをスキップするには、インストールフォルダからnds-install -jまたはndsconfig upgrade -jを実行します。
詳細については、「セクション B.0, eDirectoryヘルスチェック」を参照してください。
eDirectoryのアップグレードはeDirectory 8.8 SP2以降でサポートされます。 eDirectory 8.8 SP2以降のバージョンがインストールされている場合は、eDirectory 8.8 SP8に直接アップグレードすることができます。
アップグレードするには、nds-installユーティリティを使用します。このユーティリティは、Linuxプラットフォーム用にダウンロードしたファイルのSetupディレクトリにあります。Setupディレクトリから次のコマンドを入力します。
./nds-install
eDirectory 8.8にアップグレードすると、環境設定ファイル、データファイル、およびログファイルのデフォルトの保存先は、それぞれ/etc/opt/novell/eDirectory/conf、/var/opt/novell/eDirectory/data、/var/opt/novell/eDirectory/logに変わります。
新しい/var/opt/novell/eDirectory/dataディレクトリは、/var/ndsディレクトリへのシンボリックリンクを使用します。
古い環境設定ファイル/etc/nds.confは、/etc/opt/novell/eDirectory/confディレクトリに移行されます。古い環境設定ファイル/etc/nds.conf、および/var/ndsにある古いログファイルは参照できるように保持されます。
メモ:DIBのアップグレードが失敗し、nds-installから指示があった場合は、nds-install実行後にndsconfig upgradeを実行してください。
メモ:時刻同期が原因でヘルスチェックに失敗することがあります。この問題を解決するには、インスタンス間で時刻同期を実行してください。アップグレード中のこの警告メッセージは無視してもかまいません。
Linux用のeDirectoryには、無人アップグレードを円滑に行うためのスイッチ、オプション、インストールスクリプト、および環境設定ユーティリティが用意されています。以降のセクションで、LinuxでeDirectoryを無人アップグレードするためのさまざまな手順について説明します。
eDirectoryのヘルスチェックを実行します。
アップグレードが計画されているすべてのルートインスタンスのヘルスチェックは、ndscheckユーティリティを使って、手動で実行します。
LD_LIBRARY_PATHを次の場所にエクスポートします:<eDirectoryをuntarした場所>/eDirectory/setup/utils
次のいずれかのコマンドを使って、ndscheckを実行します。
<untarred location of eDirectory>/eDirectory/setup/utils/ndscheck -a <user name> -w passwd --config-file <nds.conf with absolute path>
環境変数からパスワードを渡す場合: <88SP8をuntarした場所>/eDirectory/setup/utils/ndscheck -a <ユーザ名> -w env:<環境変数> --config-file <絶対パスで指定したnds.conf>
ファイルからパスワードを渡す場合: <88SP8をuntarした場所>/eDirectory/setup/utils/ndscheck -a <ユーザ名> -w file:<ファイル名> --config-file <絶対パスで指定したnds.conf>
いずれも、ヘルスチェックの自動化スクリプトで使用できます。次に例を示します。
/Builds/eDirectory/utils/ndscheck -a admin.novell -w n /Builds/eDirectory/utils/ndscheck -a admin.novell -w env:ADM_PASWD /Builds/eDirectory/utils/ndscheck -a admin.novell -w file:adm_paswd
eDirectory 8.8パッケージをアップグレードします。
以下のようにnds-installスクリプトを実行して、パッケージをアップグレードします。
nds-install -u -i -j
次の環境変数を更新します。
PATH=/opt/novell/eDirectory/bin:/opt/novell/eDirectory/sbin:$PATH LD_LIBRARY_PATH=/opt/novell/eDirectory/lib:/opt/novell/eDirectory/lib/nds-modules:/opt/novell/lib:$LD_LIBRARY_PATH MANPATH=/opt/novell/man:/opt/novell/eDirectory/man:$MANPATH TEXTDOMAINDIR=/opt/novell/eDirectory/share/locale
ndsconfigユーティリティで、すべてのルートインスタンスに対して以下のコマンドを実行してeDirectoryをアップグレードします。
ndsconfig upgrade -a <user name> -w passwd -c --config-file <nds.conf with absolute path>
環境変数からパスワードを渡す場合: ndsconfig upgrade -a <ユーザ名> -w env:<環境変数> -c --config-file <絶対パスで指定したnds.conf>
ファイルからパスワードを渡す場合: ndsconfig upgrade -a <ユーザ名> -w file:<絶対/相対パスで指定したファイル名> -c --config-file <絶対パスで指定したnds.conf>
上記のいずれの方法も、eDirectoryアップグレードの自動化スクリプトで使用できます。次に例を示します。
ndsconfig upgrade -a admin.novell -w n -c -–config-file /etc/opt/novell/eDirectory/conf/nds.conf
ndsconfig upgrade -a admin.novell -w env:ADM_PASWD -c --config-file /etc/opt/novell/eDirectory/conf/nds.conf
ndsconfig upgrade -a admin.novell -w file:/Builds/88SP8/adm_paswd -c --config-file /etc/opt/novell/eDirectory/conf/nds.conf
このバージョンはOESではサポートされていません。既存のOESインストール環境でeDirectoryをアップグレードすることについては、『OES Installation Guide』の「Updating (Patching) an OES 11 SP2 Server」セクションを参照してください。
tarball展開をeDirectory 8.8からeDirectory 8.8 SP8にアップグレードする場合、次の手順を実行してください。
tarballビルドをダウンロードします。
次の環境設定ファイルのバックアップを作成します。
$NDSHOME/eDirectory/etc/opt/novell/eDirectory/conf/ndsimon.conf
$NDSHOME/eDirectory/etc/opt/novell/eDirectory/conf/ice.conf
$NDSHOME/eDirectory/etc/opt/novell/eDirectory/conf/ndsimonhealth.conf
$NDSHOME/eDirectory/etc/opt/novell/eDirectory/conf/ndssnmp/ndssnmp.cfg
$NDSHOMEは、eDirectoryがインストールされている場所です。
eDirectory 8.8 SP1未満のバージョンをアップグレードする場合は、次の手順を実行します。
ndscheck -D --config-file conf_file_pathを使って、ディスクの空き容量をチェックします。
各サーバインスタンスのDIBロケーションの下に、upgradeDIBという空のファイルを作成します。
インスタンスのリストは、ndsmanageユーティリティを使って取得できます。
ndscheckを使って、すべてのインスタンスに対してアップグレード前のヘルスチェックを実行し、アップグレードを進める前に、エラーがないかndscheck.logファイルを確認します。
ndsmanageを使って、すべてのインスタンスを停止します。
eDirectoryのインストール先と同じ場所($NDSHOME)でtarballをuntarします。tarballを同じ場所にuntarすることで、バイナリファイルとライブラリが上書きされます。
必要に応じて、以下のパッケージをアップグレードします。
プラットフォーム |
コマンド |
パッケージ |
---|---|---|
Linux |
|
|
環境設定ファイルを復元します。
すべての環境変数を設定するには、$NDSHOME/eDirectory/opt/novell/eDirectory/bin/ndspathを実行します。
すべてのインスタンスに対してndsconfig upgrade -jを実行します。ndsconfig upgradeを実行する際は、最初にマスタレプリカ、次に読み込み/書き込みとその他という順番を守ってください。
このセクションでは、次のことを説明します。
パッケージをアップグレードした後にnds-installを実行すると、すべてのeDirectoryサーバインスタンスのDIBファイルをアップグレードするように求められます。この処理が完了するまで長時間かかることがあります。DIBアップグレードをパラレルで実行する場合は、手動で行うことができます。DIBの手動アップグレードの詳細については、『eDirectory Readme』を参照してください。すべてのアクティブなインスタンスのDIBを1つずつアップグレードする場合は、インスタンスごとにndsconfig upgradeコマンドを実行します。DIBのサイズが大きい場合、[ ]を選択し、個別のシェルでndsconfig upgradeをパラレルで実行することができます。これにより、各インスタンスのアップグレード時間を短縮できます。
非ルートユーザのインスタンスがあり、それがルートユーザのバイナリを使用している場合、パッケージをアップグレードする前に、このようなインスタンスに対してndscheck を実行し、ndscheck.logファイルを参照して、インスタンスのヘルスが適切であることを確認する必要があります。nds-installを実行すると、非ルートユーザのインスタンスを含め、すべてのインスタンスが停止します。パッケージのアップグレード後、nds-installコマンドを実行しても、非ルートユーザのインスタンスに対してndsconfig upgradeはコールされません。こうしたインスタンスを起動するには、すべての非ルートユーザのインスタンスに対してndsconfig upgradeを手動で実行する必要があります。
ndsconfig upgradeを実行する際は、最初にマスタレプリカに対して実行し、次に読み込み/書き込みやその他のレプリカに対して実行することをお勧めします。