2.2 環境設定

このセクションでは、eDirectory 8.8環境設定時に発生する可能性のある問題を扱います。

2.2.1 ループバック参照がディレクトリサーバから返される

eDirectoryがループバックアドレスを監視するように設定されていると、ループバックアドレスは格納され、クライアントが検索または他の操作を実行したときにクライアントにループバックアドレスが返されます。サーバ以外のマシンから接続を試行したクライアントには、参照は適用されません。そのため、そのような方法でループバック参照を使用したクライアントは接続に失敗します。しかし、サーバから返されるそれ以外の参照については、クライアントは引き続き正常に使用できます。

各ループバック参照に接続して正しい参照を選択しようとするなら、クライアントのパフォーマンスに影響が出る可能性があります。

対処方法: eDirectoryから通信可能なインタフェースを1つだけ選択します。インストール時にはループバックインタフェースを選択しないでください。

2.2.2 Linux上でeDirectory 8.8を設定中に発生する「ツリー名の検索に失敗しました: -632」エラー

Linux上でeDirectory 8.8を設定している間に、「ツリー名の検索に失敗しました: -632」のエラーが発生する可能性があります。この問題を解決するには、次の手順を実行します。

  1. SLPパッケージをインストールした後、次のコマンドを入力し、手動でSLPを起動します。

    /etc/init.d/slpuasa start
    
  2. SLPパッケージをアンインストールした後、次のコマンドを入力し、手動でSLPを終了します。

    /etc/init.d/slpuasa stop
    

2.2.3 新規サーバの追加

完全修飾DNの長さが255文字を超える場合は、新しいサーバをコンテキストに追加できません。長さの制限は完全修飾DNに適用され、コンテキストの長さには適用されません。オブジェクトの完全修飾DNの最大文字数は255文字です。

2.2.4 バックアップまたはアンチウィルス処理からのDIBディレクトリの除外

eDirectoryをインストールした後、eDirectoryサーバのDIBディレクトリをアンチウィルスまたはバックアップソフトウェアの処理の対象外となるように環境設定する必要があります。DIBディレクトリをこれらの処理の対象外にしないと、DIBディレクトリの破損や「-618 FFFFFD96 INCONSISTENT DATABASE」エラーが発生する可能性があります。

DIBディレクトリのバックアップは、eDirectoryバックアップツールを使って行えます。eDirectoryのバックアップの詳細については、『NetIQ eDirectory 8.8 SP8管理ガイド』のNetIQ eDirectoryのバックアップと復元を参照してください。

2.2.5 eDirectory ndsconfigがRHEL 32ビットプラットフォームでエラーを表示する

eDirectory ndsconfigがRHEL 32ビットプラットフォームで次のエラーを表示します。

/opt/novell/eDirectory/lib/libsal.so.1.0.0
error while loading shared libraries: /opt/novell/lib/libccs2.so: cannot
restore segment prot after reloc: Permission denied

問題の対処方法: 次のコマンドを実行します。

chcon -t textrel_shlib_t '/opt/novell/eDirectory/lib/libsal.so.1.0.0'

chcon -t textrel_shlib_t '/opt/novell/lib/libccs2.so.2.7.6'

2.2.6 IP AG 証明書がSLES 11 64ビットプラットフォームで作成されない

eDirectory 8.8 SP8がIPv4とIPv6の両方で設定されていて、その片方(たとえばIPv4)のエントリのみが/etc/hostsファイルにあり、もう片方のインタフェースはリモートマシンからアクセス可能であるとします。両方のIPを監視するようにeDirectoryを設定すると、IP AG証明書は/etc/hostsファイルにリストされているIP用のみが生成されます。この例で生成されるのは、IPv4用となります。