8.2 パスワードの大文字と小文字が区別されるようにする方法

eDirectory 8.8以降では、ユニバーサルパスワードを有効にすることで、すべてのクライアントについてパスワードの大文字と小文字を区別できるようになりました。ユニバーサルパスワードは、デフォルトでは無効になっています。

8.2.1 前提条件

デフォルトでは、LDAPおよびその他のサーバ側ユーティリティではNDSログインを最初に使用します。NDSログインに失敗した場合は、簡易パスワードログインを使用します。大文字と小文字を区別するパスワード機能を動作させるには、Novellモジュラー認証サービス(NMAS)を使用してログインする必要があります。したがって、NDSD_TRY_NMASLOGIN_FIRST環境変数を設定して、大文字と小文字を区別するパスワード機能を有効にします。

大文字と小文字を区別するパスワード機能を使用できるようにするには、次の手順を完了させます。

  1. 環境変数を設定する

    • Linux:

      以下を/opt/novell/eDirectory/sbin/pre_ndsd_startの最後に付け加えます。

      NDSD_TRY_NMASLOGIN_FIRST=true
      export NDSD_TRY_NMASLOGIN_FIRST
      
    • Windows:

      [マイコンピュータ]を右クリックして、[プロパティ]を選択します。[詳細設定]タブの[環境変数]をクリックします。[システム環境変数]に変数を追加して、値をTrueに設定します。

  2. eDirectoryサーバを再起動します。

    メモ:認証にNMASを用いるとログインにかかる時間が長くなります。

8.2.2 パスワードの大文字と小文字が区別されるようにする

  1. 既存のパスワードを使用してeDirectoryにログインします。

    新規インストールの場合は、eDirectory 8.8の設定中に指定したパスワードが既存のパスワードになります。

    たとえば、パスワードが「novell」だとします。

    メモ:このパスワードの大文字と小文字は区別されません。

  2. ユニバーサルパスワードを有効にする.

    詳細については、『Novellパスワード管理3.3管理ガイド』のユニバーサルパスワードの配備セクションを参照してください

  3. eDirectoryからログアウトします。

  4. 任意の大文字と小文字で記述した既存のパスワードを使用して、eDirectoryにログインします。

    ここで指定するパスワードでは、大文字と小文字が区別されます。

    たとえば、「NoVELL」と入力します。

    これでパスワードは「NoVELL」に設定されます。「NoVELL」ではなく、「novell」や他の大文字と小文字の組み合わせを入力すると、すべて無効になります。

大文字と小文字を区別するパスワードに移行する場合は、「セクション 8.3.1, 大文字と小文字を区別するパスワードへの移行vを参照してください。

設定する新しいパスワードはすべて、有効にしたユニバーサルパスワードのレベル(オブジェクトまたはパーティション)に応じて、大文字と小文字が区別されます。

8.2.3 大文字と小文字を区別するパスワードの管理

iManagerからユニバーサルパスワードを有効または無効にすることによって、パスワードの大文字と小文字をどのレベルまで区別するかを管理できます。詳細については、『NetIQパスワード管理3.3管理ガイド』のユニバーサルパスワードの配備セクションを参照してください