3.5 標準の準拠

eDirectory 8.8は次の標準に準拠しています。

3.5.1 FHSの準拠

他製品のアプリケーションファイルとのファイル競合を回避するため、eDirectory 8.8はFHS(Filesystem Hierarchy Standard)に従っています。この機能は、Linuxのみで使用できます。

eDirectoryがこのディレクトリ構造に従うのは、デフォルトの場所にインストールすることを選択した場合のみです。任意の場所を選択した場合、ディレクトリ構造は、任意の場所/デフォルトの場所になります。

たとえば、eDir88ディレクトリにインストールすることを選択した場合、eDir88ディレクトリ内は同じディレクトリ構造になり、マニュアルページは、/eDir88/opt/novell/manディレクトリにインストールされます。

次の表に、ディレクトリ構造の変更を示します。

ディレクトリに保存されるファイルのタイプ

ディレクトリの名前とパス

実行ファイルのバイナリとスタティックシェルスクリプト

/opt/novell/eDirectory/bin

ルートが使用する実行ファイルのバイナリ

/opt/novell/eDirectory/sbin

スタティックライブラリまたはダイナミックライブラリのバイナリ

/opt/novell/eDirectory/lib

環境設定ファイル

/etc/opt/novell/eDirectory/conf

読み書きを行う実行時のダイナミックデータ(DIBなど)

/var/opt/novell/eDirectory/data

ログファイル

/var/opt/novell/eDirectory /log

Linuxマニュアルページ

/opt/novell/man

環境変数のエクスポート

eDirectory 8.8でFHS実装を使用する場合は、パスの環境変数を更新してエクスポートする必要があります。これによって次の問題が生じます。

  • エクスポートするすべてのパスを覚えておく必要があります。シェルを開くときには常に、これらのパスをエクスポートしてからユーティリティの使用を開始する必要があります。

  • バイナリのセットを複数使用する場合は、複数のシェルを開くか、または設定を解除して異なるバイナリのセットへのパスを頻繁に設定する必要があります。

この問題を解決するため、/opt/novell/eDirectory/bin/ndspathスクリプトを次のように使用することができます。

  • 次のとおり、ndspathスクリプトをユーティリティの前に指定して、ユーティリティを実行します。

    custom_location/opt/novell/eDirectory/bin/ndspath utility_name_with_parameters 
    
  • 次のとおり、現在のシェル内のパスをエクスポートします。

    . custom_location/opt/novell/eDirectory/bin/ndspath
    
  • このコマンドの入力後、通常どおりにユーティリティを実行します。プロファイル内のスクリプト(bashrc、または同様のスクリプト)を呼び出します。こうすることで、ログインするか新しいシェルを開けば、直接ユーティリティを使い始めることができます。

3.5.2 LSBの準拠

eDirectory 8.8はLSB(Linux Standard Base)に準拠するようになりました。LSBでは、FHSに準拠することも推奨されています。LinuxのeDirectoryパッケージにはすべて、novellというプリフィックスが付けられています。たとえば、NDSservの名前はnovell-NDSservになっています。