1.1 ワークロード変換に対する固有の取り組み

ビジネスが進化を遂げていくにつれ、企業の合併や買収を通じて、データセンターは不均等に、または異なる方法で拡張していく可能性があります。それに伴って、レガシーなテクノロジと新しいテクノロジが共存していきます。ITスタッフは、ハードウェアアーキテクチャ、オペレーティングシステム、およびアプリケーションの異機種混在の維持に努めます。しかし、このワークロードの多様性はITスタッフへのストレスを高めるとともに人的ミスなども増える原因となります。また、旧式のハードウェアに必要な設置スペース、消費電力、および冷却力は一般に、仮想化プラットフォームを使用した統合ソリューションを上回ります。

変換のメリット

次のメリットを享受するためにワークロードを変換したい場合があります。

  • 現在および将来のビジネスニーズをよりよく満たすためにワークロードの多様性を最適化する

  • 日々の運用を簡素化する

  • 全体的な効率の改善

  • 運用コストの削減

  • IT環境におけるリスクの削減

変換の目的

ワークロードの変換またはマイグレーションの目的は、現在の運用モードから将来の適切な運用モードにワークロードを変更することです。変更の実現方法は、管理するワークロードおよびビジネスニーズによって異なります。一般的なプロジェクトの目的には次のものがあります。

  • 物理、仮想、およびクラウドインフラストラクチャ間のワークロードの移行。

  • より新しいハードウェア、異なるハードウェアベンダ、またはホストされるプロバイダハードウエアへのワークロードのアップグレード。

  • 仮想化ホストサーバ上、またはクラウドインフラストラクチャへのワークロードの統合。

  • 同じか異なる仮想化ハイパーバイザを実行して、仮想ファイルをより新しい仮想化ホストサーバに移動。

  • 装置をロケーションAからロケーションBへリフトアンドシフト。

  • ソフトウェアやサービスが終了になるときに、古いワークロードを廃止。

変換プロジェクトまたはマイグレーションプロジェクトは、これらの任意の目的、または多数の同様な目的例の組み合わせである場合があります。

変換の取り組み

「マイグレーションプランニングは進めにくい。」 ある場所から別の場所へのワークロードのマイグレーションは、サーバが数台から100台ほどの場合は実行するのは容易です。しかし、大規模マイグレーションプロジェクトは、数千から数十万のワークロードがある場合があります。情報およびプランニング要件はスプレッドシートには簡単には取り込めません。

「ビジネスが優先される。」 変換により、ミッションクリティカルなアプリケーションおよびサーバは、最低限のダウンタイムが必要になります。各ワークロード変換にはビジネスの需要に基づく異なる優先順位とタイミングがあります。スケジュールを立てる際には、変換の計画および実行に必要な、ターゲット施設、ネットワークリソース、装置、およびITスタッフが常に利用できるかどうかを考慮する必要があります。運営および組織の利害関係者は、プロジェクトの進捗およびステータスを追跡したい場合があります。

「評価は煩雑。」 ワークロードの元の状態を定義することは手間がかかる場合があります。コンピュートインフラストラクチャ、オペレーティングシステム、アプリケーション、データ、および設定に関する情報を含む、ワークロードのプロファイルを作成します。ワークロードは時間の経過とともにアップグレードまたは用途変更される場合があるため、変換を実行するためにプロファイルを拡張またはアップデートする必要がある場合があります。また、関連のある提案するワークロードプロファイルを元のワークロードのリビジョンに必要に応じて変更する必要がある場合もあります。

「プロセスに終わりが見えない。」 大規模なIT変換プロジェクトは、複数の場所にまたがる場合がある生産環境で長期間にわたって行われることが普通です。大量のワークロードがある複雑なプロジェクトは、完了までに数カ月または数年かかる場合があります。数カ月前になってからのみ詳細の計画が可能になる場合もあります。プロジェクトは、1回だけの実行ではなく、複数フェーズ必要となります。