6.1 クラスタ環境でのIdentity Managerのインストール

一部のIdentity Managerコンポーネントは、SUSE Linux Enterprise Server (SLES) 11 SP3以降(最新のパッチが適用済み)を実行しているサーバ上のクラスタ環境に展開できます。Identity Managerは、デフォルトでeDirectoryプロセススペース内で実行される、ほぼJavaベースのアプリケーションです。eDirectoryをクラスタ環境で実行する場合、Identity Managerエンジンもクラスタ化されます。

Identity Managerコンポーネントをクラスタ環境にインストールできるかどうかを判断するには、セクション 6.0, インストールに関する考慮事項および前提条件で該当するコンポーネントのシステム要件を参照してください。たとえば、ユーザアプリケーションは、クラスタ環境のアプリケーションサーバで実行できます。リモートローダもクラスタ環境に展開できます。Identity Reportingは、クラスタ環境のサーバにインストールすることはできません。

Identity Manager環境のネットワークリソースの可用性を管理するには、SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionを使用します。High Availabilityにより、データ、アプリケーション、サービスなどの重要なネットワークリソースを効率的に管理できます。さらに、指定の任意の時点で1つのノードのみがアクティブであることを確実にすることができます。High Availability Extensionには、Corosync/Pacemakerメッセージングおよびメンバーシップ層が標準装備されており、クラスタリソースマネージャ(CRM)としてPacemakerが使用されます。Pacemakerは、eDirectoryの仮想IPアドレスを管理し、それらをクラスタの最適なノードに動的に割り当てます。それらのIPアドレスを使用するようにeDirectoryを設定する必要があります。

High Availabilityサービスを設定および有効化するには、NetIQのダウンロードWebサイトからSUSE Linux Enterprise High Availability Extension ISOファイルをダウンロードします。ノードでのHigh Availabilityの設定および有効化の詳細については、『SUSE Linux Enterprise High Availability Extension 11 SP2 High Availability Guide』を参照してください。