5.1 ユーザアプリケーションWARのインストールおよび環境設定

メモ:JBoss 5.1.0の場合、インストールプログラムには、Sun (Oracle)から提供されているJava 2 Platform Standard Edition Development Kitバージョン1.6 (JREまたはJDK)が必要です。別のバージョンを使用した場合、このインストール手順ではユーザアプリケーションWARファイルは正しく設定されません。インストールは成功したかのように見えますが、ユーザアプリケーションの起動を試みるとエラーが発生します。

  1. 使用しているプラットフォーム用のインストーラをコマンドラインから起動します。

    インストーラを起動するには、JREを使用してIdmUserApp.jarファイルを起動する必要があります。インストーラJARファイルは、Identity Manager 4.0.2の.isoイメージファイル内にあるproducts/RBPM/user_app_installにあります。

    ユーザアプリケーションインストーラを開始するには、Sun JREの正しいバージョンを必ず使用します(セクション 1.3, システム要件の説明に従うこと)。

    JREのインストール場所に応じて、インストーラの起動に使用するコマンドは次のいずれかになります。

    LinuxまたはSolaris

    $ /opt/novell/jre/bin/java -jar IdmUserApp.jar
    

    または

    $ /opt/novell/idm/jre/bin/java -jar IdmUserApp.jar
    

    Windows

    C:\Novell\InstallFiles\> "C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_31\bin\java.exe" -jar IdmUserApp.jar
    

    上に示したコマンドは例です。JREのパスを調整しなければならない場合があります。たとえば、Linuxで/opt/novell/idmにインストールした場合、コマンドは次のようになります。

    /opt/novell/idm/jre/bin/java -jar IdmUserApp.jar
    

    Roles Based Provisioning Moduleに付属のJBossPostgreSQLユーティリティを使用してJBossをインストールした場合、付属するJREを使用してユーザアプリケーションインストーラを起動できます。

    メモ:SLESユーザ: SLESに付属しているIBM JDKは使用しないでください。このバージョンはインストールの一部の機能との互換性がなく、マスタキー破損エラーを起こす可能性があります。

    インストールプログラムを開始すると、言語を入力するよう次のように促されます。

  2. 次の情報を使用して、言語を選択し、使用許諾契約を確認し、アプリケーションサーバプラットフォームを選択します。

    インストール画面

    説明

    ユーザアプリケーションインストール

    インストールプログラムの言語を選択します。デフォルトでは、[英語]が選択されています。

    使用許諾契約

    使用許諾契約を読み、[使用許諾契約の条件に同意します]を選択します。

    アプリケーションサーバプラットフォーム

    JBoss]を選択します。

    JBossでインストールする場合、SunのJava環境を使用することによってインストールプログラムを開始する必要があります。アプリケーションサーバとしてJBossを選択し、インストールの開始にSunのJavaを使用しない場合、次のポップアップエラーメッセージが表示され、インストールは終了します。

  3. 次の情報を使用して、インストールフォルダを選択し、データベースを設定します。

    インストール画面

    説明

    インストールフォルダの選択

    インストーラがファイルを配置する場所を指定します。

    データベースプラットフォーム

    データベースプラットフォームの選択:

    データベースおよびJDBCドライバはすでにインストールされている必要があります。JBossの場合、オプションには次のプラットフォームが含まれます。

    • MySQL

    • Microsoft SQL Server

    • Oracle

    • PostgreSQL

    データベースホストおよびポート

    ホスト: データベースサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。クラスタでは、クラスタの各メンバーには同じホスト名またはIPアドレスを指定します。

    ポート: データベースのリスナポート番号を指定します。クラスタの場合は、クラスタの各メンバーに同じポートを指定します。

    データベースのユーザ名およびパスワード

    データベース名 (またはSID): PostgreSQL、MySQL、またはMS SQL Serverの場合は、データベース名を入力します。Oracleの場合は、前に作成したOracleシステムID (SID)を指定します。クラスタでは、クラスタの各メンバーには同じデータベース名またはSIDを指定します。デフォルトのデータベース名は、idmuserappdbです。

    データベースユーザ名: データベースユーザを指定します。クラスタでは、クラスタの各メンバーには同じデータベースユーザを指定します。

    データベースパスワード: データベースパスワードを指定します。クラスタでは、クラスタの各メンバーには同じデータベースパスワードを指定します。

    データベースドライバJARファイル: データベースサーバにシンクライアントJARを指定します。これは必須です。使用する特定のデータベース用にデータベースベンダが提供しているドライバJARファイルを指定する必要があります。サードパーティベンダが提供するドライバJARファイルはサポート対象外です。

    PostgreSQLの場合は、postgresql-8.4-701.jdbc4.jarファイルを選択します。

    データベース管理者

    この画面には、[データベースユーザ名およびパスワード]ページから同じユーザ名とパスワードが事前に入力されています。以前に指定したデータベースユーザがデータベースサーバ内にテーブルを作成するための十分な許可を持っていない場合、必要な権限を持つ別のユーザIDを入力する必要があります。

    データベーステーブルの作成

    データベーステーブルを作成する必要がある場合に指定します。

    [Create Database Tables (データベーステーブルの作成)]画面では、インストール時、またはアプリケーションの起動時にテーブルを作成するオプションを選択できます。または、インストール時にスキーマファイルを作成することができます。このファイルを使用して、データベース管理者が後からテーブルを作成します。

    スキーマファイルを生成する場合、[SQLをファイルに書き込む]チェックボックスをオンにし、[スキーマ出力ファイル]フィールドにファイルの名前を入力します。

    新しいデータベースまたは既存のデータベース

    使用するデータベースが新規または空の場合、[新しいデータベース]ボタンを選択します。データベースが以前のインストールに属する既存のものである場合、[既存のデータベース]ボタンを選択します。

    データベース接続のテスト

    前の画面で指定した情報が正しかったことを確認するには、[データベース接続のテスト]チェックボックスをオンにしてデータベース接続をテストします。

    インストーラは、直接テーブルを作成するため、および.SQLファイルを作成するための両方の場合にデータベースに接続する必要があります。データベース接続をテストして、それが失敗した場合でも、インストールを続行できます。その場合、『ユーザアプリケーション: 管理ガイド』で説明されるように、インストール後にテーブルを作成する必要があります。

  4. 次の情報を使用して、Java、JBossのインストール、およびIdentity Managerとともに監査設定とセキュリティを設定します。

    インストール画面

    説明

    Javaのインストール

    Javaルートのインストールフォルダを指定します。JavaインストールではJAVA_HOME環境変数に基づいてJavaへのパスが表示され、それを修正するオプションを選択できます。

    この時点で、インストールプログラムは、選択したJavaが、選択したアプリケーションサーバに対して正しいものであることも確認します。また、指定されているJREでCA証明書に書き込めることも確認します。

    JBossアプリケーションサーバをインストールする場所の情報を入力するよう、次のように促されます。

    JBoss環境設定

    JBossアプリケーションサーバを見つける場所をユーザアプリケーションに伝えます。

    このインストール手順では、JBossアプリケーションサーバはインストールされません。JBossアプリケーションサーバのインストール手順については、JBossアプリケーションサーバとPostgreSQLデータベースのインストールを参照してください。

    JBoss Parent Folder (JBoss親フォルダ): JBossアプリケーションサーバの場所を指定します。

    IDM環境設定

    アプリケーションサーバ設定のタイプを選択します。

    • このインストールが、クラスタの一部でない1つのノード上の場合は、[デフォルト]を選択します。

      デフォルト]を選択し、クラスタを後で必要とすると判断した場合は、ユーザアプリケーションを再インストールする必要があります。

    • このインストールがクラスタの一部の場合は、[すべて]を選択します。

    アプリケーションコンテキスト: アプリケーションサーバの環境設定の名前、アプリケーションWARファイルの名前、およびURLコンテキストの名前です。インストールスクリプトによってサーバの環境設定が作成され、デフォルト名でアプリケーション名に基づく環境設定が作成されます。ユーザアプリケーションをブラウザから開始する場合は、アプリケーション名を書き留め、アプリケーション名をURLに含めてください。

    ワークフローエンジンID: クラスタ内の各サーバには、一意のワークフローエンジンIDを設定する必要があります。ワークフローエンジンIDはクラスタインストールでのみ、またプロビジョニングWARをインストールする場合のみ有効です。エンジンIDは32文字を越えることはできません。ワークフローエンジンIDについては、『ユーザアプリケーション: 管理ガイド』のセクション「クラスタ化のワークフローの設定」で説明されています。

    Auditによるログ記録のタイプを選択

    ログを有効にするには、[はい]をクリックします。ログを無効にするには、[いいえ]をクリックします。

    次のパネルでは、ログのタイプを指定するよう促されます。次のオプションから選択します。

    • Novell Identity AuditまたはNovell Sentinel: Novellクライアントを使用してユーザアプリケーションでログを有効にします。

    • OpenXDAS: OpenXDASログサーバにイベントが記録されます。

    ログの設定の詳細については、『ユーザアプリケーション: 管理ガイド』を参照してください。

    Novell Identity AuditまたはNovell Sentinel

    サーバ: ログを有効にする場合、サーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。ログをオフにする場合は、この値は無視されます。

    ログキャッシュフォルダ: ログキャッシュのディレクトリを指定します。

    セキュリティ - マスタキー

    はい: 既存のマスタキーをインポートできます。既存の暗号化マスタキーをインポートするよう選択した場合は、該当するキーを切り取ってインストール手順のウィンドウに貼り付けます。

    いいえ: 新規のマスタキーを作成します。インストール終了後、セクション 9.1, マスタキーの記録で示すように、マスタキーを手動で記録します。

    インストール手順で、インストールディレクトリにあるmaster-key.txtファイルに暗号化マスタキーが書き込まれます。

    既存のマスタキーをインポートする理由には、次のようなものがあります。

    • インストールファイルをステージングシステムから運用システムに移動中で、ステージングシステムで使用したデータベースへのアクセスを保持する場合。

    • ユーザアプリケーションを最初のJBossクラスタのメンバーにインストールしており、現在はクラスタの次のメンバーにインストールしている場合(同じマスタキーが必要)。

    • ディスク故障のため、ユーザアプリケーションを復元する必要がある場合。ユーザアプリケーションを再インストールして、以前のインストールで使用したのと同じ暗号化マスタキーを指定する必要があります。 これによって、前に保存した暗号化データにアクセスできます。

  5. この時点でRBPMを設定する場合は、[今すぐ設定]を選択し、[次へ]をクリックします。

    (この情報の入力を求められない場合、セクション 2.5, Java Development Kitのインストールで説明したステップを完了していない可能性があります。)

    [Roles Based Provisioning Module環境設定]パネルのデフォルトのビューでは、次のフィールドが表示されます。

    インストールプログラムはルートコンテナDNから値を取得し、それを次の値に適用します。

    • ユーザコンテナDN

    • グループコンテナDN

    インストールプログラムはユーザアプリケーション管理者フィールドから値を取得し、それを次の値に適用します。

    • プロビジョニング管理者

    • コンプライアンス管理者

    • 役割管理者

    • セキュリティ管理者

    • リソース管理者

    • RBPM設定管理者

    これらの値を明示的に指定する場合、[詳細オプションの表示]ボタンをクリックしてそれらを変更できます。

    ユーザアプリケーションをインストールすると、ユーザアプリケーション環境設定パラメータを設定できます。インストールすると、これらのパラメータの多くはconfigupdate.shまたはconfigupdate.batでも編集可能です。例外はパラメータ説明に記述されています。

    各オプションの詳細については、セクション A.0, ユーザアプリケーション環境設定の参照を参照してください。

    Standard Editionのデフォルトビューには次のようなセキュリティフィールドのサブセットが表示されます。

    Identity Manager 4.0.2 Standard Editionでは、次の管理者のみ割り当てる必要があります。

    • ユーザアプリケーション管理者

    • RBPMレポーティング管理者

    • セキュリティ管理者

    メモ:Standard Editionでは、テストの目的の場合はセキュリティモデルがロックダウンされていません。したがって、セキュリティ管理者は、ドメイン管理者、委任された管理者、さらにはセキュリティ管理者などを割り当てることができます。ただし、これらの高度な機能の使用は、運用環境ではサポートされません。運用環境では、すべての管理者の割り当てがライセンスによって制限されます。Novellは、運用環境が契約内容に必ず準拠するように、監査データベース内に監視データを収集します。その上、1人のユーザのみにセキュリティ管理者としての許可を与えることを推奨します。

  6. インストールを完了するには、次の情報を使用します。

    インストール画面

    説明

    インストール前の概要

    [インストール前の概要]ページを読んで、インストールパラメータの選択を確認します。

    必要に応じて、[戻る]を使用して前のインストールページに戻り、インストールパラメータを変更します。

    ユーザアプリケーション環境設定ページでは値は保存されないため、インストールの前のページを再指定した後に、ユーザアプリケーション環境設定の値を再入力する必要があります。インストールおよび環境設定パラメータで納得いく設定ができたら、[インストール前の概要]ページに戻り、[インストール]をクリックします。

    インストールの完了

    インストールの終了が示されます。

    インストーラはnovluaユーザを作成します: インストーラはnovluaという名前で新しいユーザを作成します。jboss_initスクリプトは、JBossをこのユーザで実行し、JBossファイルで定義されている権限がこのユーザに設定されます。

5.1.1 インストールとログファイルの表示

インストールがエラーなしで完了した場合は、インストールのテストに進みます。インストールでエラーまたは警告が発生した場合は、次のようなログファイルを確認して、問題を判断してください。

  • Identity_Manager_User_Application_InstallLog.logには、基本的なインストールタスクの結果が格納されています。

  • Novell-Custom-Install.logには、インストール中に行ったユーザアプリケーション環境設定についての情報があります。