アップグレードとは、既存のサーバにIdentity Managerの新しいバージョンをインストールすることです。Identity Managerをインストールするには、現在のバージョンを、Identity Manager 4.0.2がサポートするバージョンのオペレーティングシステムおよびeDirectoryにアップグレードする必要があります。サポートされるプラットフォームのリストについては、『Identity Manager 4.0.2 Frameworkインストールガイド』のシステム要件
を参照してください。
アップグレードの実行にはいくつかの利点があります。
新しいハードウェアは必要ない
データのマイグレーションは必要ない
アップグレードの実行にはいくつかの欠点もあります。
eDirectoryをアップデートして再起動する時間がダウンタイムになる
アップグレードが実行可能ではない場合、または複数のアップグレードを実行する必要がある場合が生じることもあります。サポートされているマイグレーションパスはIdentity Manager 3.5.x以降のみなので、以下のシナリオで説明されるのは、これらのバージョンのみになります。
アップグレードがサポートされている唯一の環境は、Identity Manager 3.5.xまたはIdentity Manager 3.6.xがサポートされているオペレーティングシステムで使用されている環境のみです。ただし、アップグレードが実行できないいくつかのシナリオがあります。次に例を示します。
サポートされていないOS: オペレーティングシステムの現在のバージョンがIdentity Manager 4.0.2でサポートされていない場合には、サポートされるアップグレードパスは、新しいサーバへのマイグレーションのみになります。
Identity Manager 3.0.x: Identity Managerの現在のバージョンが3.0.xに場合、直接アップグレードは実行できません。オプションには次の2つがあります。
Identity Manager 3.5.xへのアップグレードとeDirectory 8.8.6へのアップグレードを行ってから、Identity Manager 4.0.2へのアップグレードを行います。
新しいサーバへのマイグレーションを実行します。
Roles Based Provisioning Module: Roles Based Provisioning Moduleをインストールしている場合は、アップグレードを実行できません。マイグレーションを実行する必要があります。詳細については、『Identity Manager 4.0.2: RBPM and Reporting Migration Guide』を参照してください。
アップグレードを行う場合には、セクション 4.0, アップグレードの実行に進んでください。
重要:Identity Manager 3.6.xが既存のRBPM 3.7システムにインストールされている場合、3.6.1役割ドライバ(Identity Manager 3.6.xインストーラによって自動的に確認なしで起動されたもの)によって、nrfLocalizedNamesおよびnrfLocalizedDescrsの属性設定が、大文字と小文字を区別しない文字列から大文字と小文字を区別する文字列に変更され、オブジェクトが上書きされます。この結果、RBPM 3.7システムが機能しなくなります。環境が機能しなくなった場合、唯一の修正方法は、Identity Manager 3.6.xインストーラの現在の起動前に作成されたドライバのバックアップを利用することです。無効にされたユーザアプリケーションドライバの復元の詳細については、「Restoring Invalidated User Application Drivers」を参照してください。