37.2 ガイドによる識別情報アプリケーションインストールプロセス

次の手順では、GUIフォーマットまたはコンソールのどちらかでインストールウィザードを使用して識別情報アプリケーションをインストールする方法について説明します。無人のサイレントインストールを実行するには、セクション 37.3, 識別情報アプリケーションのサイレントインストールを参照してください。

インストールを準備するには、セクション 37.1, 識別情報アプリケーションのインストールのチェックリストの一覧に示すアクティビティをレビューします。リリースに付属するリリースノートも参照してください。

メモ:

  • インストールプログラムは、ウィザードの各ウィンドウでユーザが入力した値を保存しません。[前へ]をクリックして1つ前のウィンドウに戻った場合、設定値を再入力する必要があります。

  • インストールプログラムは、「novlua」ユーザアカウントを作成し、Tomcatで許可をこのユーザに設定します。たとえば、idmapps_tomcat_initスクリプトはこのユーザアカウントを使用してTomcatを実行します。

ガイドによるインストールプロセスを実行するには

  1. 識別情報アプリケーションをインストールするコンピュータにrootまたは管理者ユーザとしてログインします。

  2. Tomcatを停止します。

  3. (状況によって実行) Identity Managerインストールパッケージの.isoイメージファイルがある場合、そのインストールファイルが置かれているディレクトリ(デフォルトではproducts/RBPM/user_app_installディレクトリ)に移動します。

  4. (状況によって実行)インストールファイルをダウンロードした場合、次の手順を実行します。

    1. ダウンロードしたイメージの.tgzファイルまたはwin.zipファイルのある場所に移動します。

    2. このファイルの内容をローカルコンピュータ上のディレクトリに抽出します。

  5. インストールファイルが保存されているディレクトリから、次のいずれかの操作を実行します。

    • 「Linux (コンソール)」: ./IdmUserApp.bin -i console

    • 「Linux (GUI)」: ./IdmUserApp.bin

    • 「Windows」: IdmUserApp.exeを実行する

  6. 次のパラメータを使用してガイドによるプロセスを完了します。

    • アプリケーションサーバプラットフォーム

      アイデンティティアプリケーションを実行しているTomcatを表します。Tomcatはすでにインストールされている必要があります。

    • インストールフォルダ

      インストールプログラムがアプリケーションファイルを作成するディレクトリへのパスを表します。

    • データベースプラットフォーム

      ユーザアプリケーションデータベースのプラットフォームを表します。データベースソフトウェアはすでにインストールされている必要があります。ただし、インストール時にデータベーススキーマを作成する必要はありません。

      ユーザの便宜を図るために、PostgreSQLが提供されています。

    • データベースホストおよびポート

      ユーザアプリケーションデータベースをホストするサーバの設定を表します。

      メモ:クラスタ環境では、クラスタ内の各メンバーに同じデータベース設定を指定する必要があります。

      ホスト

      サーバの名またはIPアドレスを指定します。

      ポート

      サーバがユーザアプリケーションとの通信に使用するポートを指定します。

    • データベースのユーザ名およびパスワード

      ユーザアプリケーションデータベースを実行するための設定を表します。

      メモ:

      • このバージョンのIdentity Managerをインストールする際にその一部としてPostgresSQLをインストールしていた場合、データベースとデータベース管理者はインストールプロセスによりすでに作成されています。デフォルトでは、インストールされるデータベースはidmuserappdb、データベースユーザはidmadminです。PostgreSQLのインストールで使用した値と同じ値を指定します。

      • クラスタ環境では、クラスタ内の各メンバーに同じデータベース名、ユーザ名、およびパスワードを指定する必要があります。

      データベース名またはSID

      データベースプラットフォームに従ってデータベースの名前を指定します。デフォルトでは、データベース名はidmuserappdbです。

      • PostgreSQLまたはSQL Serverのデータベースの場合は名前を指定します。

      • Oracleデータベースの場合は、データベースインスタンスに付けられているセキュリティ識別子(SID)を指定します

      データベースユーザ名

      ユーザアプリケーションによるデータベースデータのアクセスと変更を許可するアカウント名を指定します。

      データベースパスワード

      指定したユーザ名のパスワードを指定します。

      データベースドライバJARファイル

      データベースプラットフォームのJARファイルを指定します。

      ドライバJARファイルは、データベースベンダーにより提供され、データベースサーバのシンクライアントJARを表します。たとえば、PostgreSQLの場合はpostgresql-9.4-1212.jdbc42.jarを指定します。このファイルはデフォルトではopt\netiq\idm\apps\Postgresフォルダにあります。

      NetIQはサードパーティベンダーから提供されるドライバJARファイルをサポートしません。

    • データベース管理者

      オプション

      データベース管理者の名前とパスワードを表します。

      このフィールドには、[データベースユーザ名]と[データベースパスワード]に指定したユーザアカウントとパスワードが自動的に表示されます。このアカウントを使用する場合は何も変更しません。

      データベース管理者

      (オプション)データベースのテーブル、ビュー、または他のアーティファクトを作成できるデータベース管理者のアカウントを指定します。

      パスワード

      (オプション)データベース管理者のパスワードを指定します。

    • データベーステーブルの作成

      インストールプロセスの実行中または実行後に新規または既存のデータベースを設定するかどうかを指定します。

      テーブルを今すぐ作成

      インストールプログラムは、インストールプロセスの実行中にデータベーステーブルを作成します。

      アプリケーションの開始時にテーブルを作成

      インストールプログラムは、ユーザアプリケーションの初回実行時にテーブルを作成する手順を残します。

      SQLをファイルに書き込む

      データベース管理者がデータベースを作成するために実行できるSQLスクリプトを生成します。このオプションを選択する場合、[スキーマファイル]に名前を指定する必要もあります。この設定は、[SQL出力ファイル]設定にあります。

      現在の環境でデータベースを作成または変更する許可を持たない場合は、このオプションを選択できます。このファイルを使用してテーブルを作成する方法の詳細については、セクション 39.2, 手動によるデータベーススキーマの作成を参照してください。

    • 新しいデータベースまたは既存のデータベース

      既存の空のデータベースを使用するか、既存のデータベースに新しいテーブルを作成するかどうかを指定します。次の検討事項を使用します。

      • 新しいデータベース

        使用しているデータベースが新しい場合は、新しいデータベースをクリックします。このオプションを選択する前に、このデータベースが存在することを確認します。

      • 既存のデータベース

        データベースが存在し、以前のインストールからのユーザアプリケーションのテーブルがある場合、既存のデータベースを選択します。

        既存データベースがOracleプラットフォームで実行されている場合、スキーマを更新する前にOracleを準備する必要があります。詳細については、セクション 58.8.1, SQLファイルを実行するOracleデータベースの準備を参照してください。

      データベースタイプを選択した後で、データベーステーブルを作成する日付を指定する必要があります。[Create Database Tables (データベーステーブルの作成)]画面では、インストール時、またはアプリケーションの起動時にテーブルを作成するオプションを選択できます。または、インストール時にスキーマファイルを作成することができます。このファイルを使用して、データベース管理者が後からテーブルを作成します。

      スキーマファイルを生成する場合、[SQLをファイルに書き込む]ボタンを選択し、[スキーマ出力ファイル]フィールドにファイルの名前を入力します。

    • データベース接続のテスト

      直接テーブルを作成するため、または.sqlファイルを作成するために、インストーラをデータベースに接続するかどうかを指定します。.

      [次へ]をクリックするか、<Enter>を押すと、インストールプログラムは接続を試みます。

      メモ:データベース接続に失敗しても、インストールは続行できます。ただし、インストール後に手動でテーブルを作成し、データベースに接続する必要があります。詳細については、セクション 39.2.2, データベーススキーマを生成するSQLファイルの手動による作成を参照してください。

    • Javaのインストール

      インストールプログラムを起動するために使用するJREファイルへのパスを表します。たとえば、/root/opt/java/jre7です。

    • Application_Server Configuration (Application_Server設定)

      Tomcatのためのインストールファイルへのパスを表します。たとえば、/opt/apache-tomcat-7.0.52です。インストールプロセスはいくつかのファイルをこのフォルダに追加します。

    • IDM環境設定

      URLやワークフローエンジンで使用する識別情報アプリケーションコンテキストの設定を表します。

      アプリケーションコンテキスト

      Tomcat設定、アプリケーションWARファイル、およびURLコンテキストにおける名前を表す名前を指定します。

      インストールスクリプトは、サーバ設定を作成した後、Tomcatのインストール時に作成された名前に基づいてサーバ設定に名前を付けます。たとえば、IDMProvです。

      重要: [Application Context]に指定した値を書き留めておくことをお勧めします。このアプリケーション名は、ブラウザから識別情報アプリケーションを起動する際にURLで使用します。

    • Auditによるログ記録のタイプを選択

      ログイベントをAuditサーバに送信するかどうかを指定します。[はい]または[いいえ]を指定します。

    • Auditのログ

      [Auditによるログ記録のタイプを選択]に[はい]を指定した場合にのみ適用されます。

      有効にするログ記録のタイプを指定します。

      ログ記録の設定の詳細については、『ユーザアプリケーション: 管理ガイド』を参照してください。

      Novell Identity Audit or NetIQ Sentinel (Novell Identity AuditまたはNetIQ Sentinel)

      ユーザアプリケーションのNovellクライアントまたはNetIQクライアントを通じたログ記録を有効にします。

      メモ:このオプションを選択する場合、クライアントサーバのホスト名またはIPアドレスおよびログキャッシュへのパスも指定する必要があります。これらは、[Novell Identity Audit or NetIQ Sentinel (Novell Identity AuditまたはNetIQ Sentinel)]設定セクションで設定します。

      OpenXDAS

      ユーザアプリケーションがイベントをOpenXDASログサーバに送信できるようにします。

    • セキュリティ - マスタキー

      既存のマスタキーをインポートするかどうかを指定します。ユーザアプリケーションは、マスタキーを使用して暗号化データにアクセスします。[はい]または[いいえ]を指定します。

      次の状況では、マスタキーをインポートできます。

      • クラスタに識別情報アプリケーションの最初のインスタンスをインストールした後。クラスタ内のユーザアプリケーションインスタンスはすべて、同じマスタキーを使用する必要があります。詳細については、セクション 36.4.3, クラスタ内の各ユーザアプリケーションでの同じマスタキーの使用を参照してください。

      • インストールをステージングシステムから運用システムに移行する際、ステージングシステムで使用していたデータベースへのアクセスを維持する必要がある場合。

      • ユーザアプリケーションを復元する際、前のバージョンのユーザアプリケーションによって格納されていた暗号化データにアクセスする必要がある場合。

      はい

      既存のマスタキーをインポートすることを指定します。

      いいえ

      インストールプログラムでキーを作成することを指定します。

      デフォルトでは、インストール手順で、インストールディレクトリにあるmaster-key.txtファイルに暗号化マスタキーが書き込まれます。

    • マスタキーのインポート

      [セキュリティ - マスタキー]に[はい]を指定した場合にのみ適用されます。

      使用するマスタキーを指定します。master-key.txtファイルからマスタキーをコピーできます。

    • Application server connection (アプリケーションサーバ接続)

      ユーザがTomcat上のアイデンティティアプリケーションに接続するために必要なURLの設定を表します。たとえば、https:myserver.mycompany.com:8080です。

      メモ:OSPがTomcatアプリケーションサーバの別のインスタンスで実行されている場合、Connect to an external authentication server (外部認証サーバへの接続)を選択してOSPサーバの値を指定する必要もあります。

      プロトコル

      httpまたはhttpsのどちらを使用するのかを指定します。SSL (Secure Sockets Layer)を使用して通信する場合はhttpsを指定します。

      Host Name (ホスト名)

      OSPをホストするサーバのDNS名またはIPアドレスを指定します。localhostは使用しないでください。

      ポート

      サーバがクライアントコンピュータとの通信に使用するポートを指定します。

      Connect to an external authentication server (外部認証サーバへの接続)

      Tomcatの異なるインスタンスが認証サーバ(OSP)をホストするかどうかを指定します。認証サーバには、SSPRにログイン可能なユーザのリストが保存されています。

      この設定を選択する場合、認証サーバの[Protocol (プロトコル)][Host name (ホスト名)]、および[ポート]も指定します。

    • Authentication server details (認証サーバの詳細)

      識別情報アプリケーションが認証サーバに接続する際に使用するパスワードを指定します。クライアントシークレットとも呼ばれます。インストールプロセスでこのパスワードは作成されます。

  7. [Config Update (Configの更新)]ウィンドウで識別情報アプリケーションを設定します。

    1. 識別ボールトDNを参照します。

    2. [OK]をクリックします。

    メモ:

  8. (状況によって実行) GUIインストールで識別情報アプリケーションを即時設定するには、[IDMの設定]ウィンドウで次の手順を実行します。

    1. [はい]をクリックしてから[次へ]をクリックします。

    2. [役割ベースプロビジョニングモジュール環境設定]で[詳細オプションの表示]をクリックします。

    3. 必要に応じて、設定を変更します。

      メモ:

      • 値の指定の詳細については、セクション 40.0, 識別情報アプリケーションの設定の管理を参照してください。

      • 運用環境では、すべての管理者の割り当てがライセンスによって制限されます。NetIQは、運用環境が契約内容に必ず準拠するように、監査データベース内に監視データを収集します。また、セキュリティ管理者の許可は1ユーザにのみ付与することをお勧めします。

    4. [OK]をクリックします。

  9. (状況によって実行)コンソールインストールで識別情報アプリケーションを即時設定するには、次の手順を実行します。

    1. コマンドラインから次の設定更新ユーティリティを起動します。

      • Linux: configupdate.sh

      • Windows: configupdate.bat

      メモ:Self Service Password Reset (SSPR)およびIdentity Reportingが同一のIdentityユーザアプリケーションサーバの一部としてインストールされていない場合は、configupdateユーティリティの[SSOクライアント]タブにlocalhost:defaultportが表示されます。ユーザアプリケーションサーバのSSPRおよびレポーティングサーバのクライアントIDパスワードおよびリダイレクトURLを手動で更新する必要があります。

    2. (オプション) NMAS証明書を作成するには、[SSOクライアント]>[RBPM]の順に移動し、[RBPMからeDirectory SAMLへの設定][自動]に変更します。

    3. セクション 40.0, 識別情報アプリケーションの設定の管理の説明に従って、他の設定の値を指定します。

  10. [次へ]をクリックします。

  11. [インストール前の概要]ウィンドウで[Install (インストール)]をクリックします。

  12. (オプション)インストールログファイルをレビューします。基本インストールの結果については、/opt/netiq/idm/apps/UserApplication/logs/ディレクトリにあるuser_application_install_log.logファイルを参照してください。

    識別情報アプリケーション設定については、/opt/netiq/idm/apps/UserApplication/ディレクトリにあるNetIQ-Custom-Install.logファイルを参照してください。

  13. (オプション)外部パスワード管理WARを使用している場合は、このWARを、インストールディレクトリおよび外部パスワードWAR機能を実行するリモートアプリケーションサーバ展開ディレクトリに手動でコピーします。

  14. セクション 39.0, 識別情報アプリケーションのインストールの完了の説明に従って、インストール後タスクに進みます。