識別ボールトの基盤となるインフラストラクチャであるeDirectoryは、プロセッサ集約というよりはI/O集約アプリケーションです。識別ボールトのパフォーマンスを向上させる2つの要因は、キャッシュメモリの量を増やすことと、プロセッサの処理速度を上げることです。最適な結果を得るためには、ハードウェアで可能な限り多くのDIB (Directory Information Base)セットをキャッシュに入れるようにします。
eDirectoryは単一のプロセッサで適切にスケーリングされますが、複数のプロセッサの使用を検討することも考えられます。プロセッサを追加すると、ユーザログインなどの領域でパフォーマンスが向上します。さらに、複数のプロセッサ上で複数のスレッドをアクティブにすることによってもパフォーマンスが向上します。
次の表は、eDirectory内で想定されるオブジェクトの数に基づく、サーバ設定の一般的なガイドラインを示しています。
オブジェクト |
メモリ |
ハードディスク |
---|---|---|
100.000 |
2GB以上 (Linux) 384MB (Windows) |
300MB (Linux) 144MB (Windows) |
100万 |
4GB (Linux) 4GB (Windows) |
1.5GB |
1,000万 |
4GB以上 (Linux) 2GB以上 (Windows) |
15GB |
たとえば、標準スキーマを使用する基本的なeDirectoryのインストールでは、50,000ユーザごとに約74MBの空きディスク容量が必要です。ただし、新しい属性のセットを追加したり、既存の属性をすべて使用すると、オブジェクトのサイズは拡大します。それに対応して、必要な空きディスク容量、プロセッサ、およびメモリが変わります。また、プロセッサの要件は、コンピュータで利用できる追加サービス、およびコンピュータが処理している認証と読み書きの数によっても決まります。暗号化や索引付けなどの処理では、プロセッサが集中して使用されることがあります。