パーティションを移動することで、ディレクトリツリー内のサブツリーを移動できます。ルートパーティションオブジェクト(コンテナオブジェクト)にサブオーディネートパーティションがない場合にのみ、このオブジェクトを移動できます。
図 6-3 パーティションの移動前と移動後
パーティションを移動する場合は、eDirectoryの包含ルールに従う必要があります。たとえば、部門は現在のツリーのルートの直下には移動できません。これは、ルートの包含ルールにより移動が許されているのが、地域、国、または組織であるためです。
パーティションを移動する場合、eDirectoryではパーティションのルートオブジェクトへのすべての参照が変更されます。オブジェクトの共通名は変更されませんが、コンテナ(およびそのサブオーディネートコンテナすべて)の完全識別名は変更されます。
パーティションを移動するときに、オプションを選択して、移動するコンテナの代わりに別名オブジェクトを作成することもできます。これにより、ユーザが引き続きネットワークにログインして、元のディレクトリの場所でオブジェクトを検索できます。
作成した別名オブジェクトは、移動したコンテナと同じ共通名を持ち、そのコンテナの新しい完全識別名を参照します。
重要:パーティションを移動したときに、移動したパーティションの代わりとなる別名オブジェクトを作成しないと、パーティションの新しい位置を知らないユーザは元のディレクトリ位置でオブジェクトを見つけようとし、ディレクトリツリーにあるパーティションオブジェクトを見つけることが困難になります。
また、ワークステーションのNAME CONTEXTパラメータがディレクトリツリーコンテナのオリジナルの位置に設定されている場合、これにより、クライアントワークステーションがログインできないという問題が起きるおそれがあります。
オブジェクトを移動すると、オブジェクトのコンテキストが変更されるため、移動したオブジェクトを参照するネームコンテキストを持つユーザのNAME CONTEXTパラメータは、オブジェクトの新しい名前を参照するように更新する必要があります。
コンテナオブジェクトの移動の後に、ユーザのNAME CONTEXTパラメータを自動的に更新するには、NCUPDATEユーティリティを使用します。
移動したパーティションをパーティションとして使用しない場合は、それをペアレントパーティションとマージします。
パーティションを移動する前に、ディレクトリツリーが正しく同期されていることを確認してください。移動元か移動先のいずれかのパーティションで同期エラーが発生している場合は、パーティションの移動操作を実行しないでください。最初に同期エラーを解決します。
パーティションを移動するには、次の手順を実行します。
iManagerで、[役割およびタスク]ボタン をクリックします。
[パーティションとレプリカの管理]>[パーティションの移動]をクリックします。
[オブジェクト名]フィールドに移動するパーティションオブジェクトの名前およびコンテキストを指定します。
[移動先]フィールドに、パーティションの移動先となるコンテナの名前とコンテキストを指定します。
パーティションの移動元の別名を作成する場合は、[移動したオブジェクトの代わりに別名を作成します]を選択します。
これにより、移動前の場所に依存するあらゆる操作は、操作を更新して移動後の場所を反映できるようになるまで、引き続き実行されます。
[OK]をクリックします。