21.4 サブツリー検索のパフォーマンスの向上

eDirectoryでは、深い入れ子構造を持つ大規模なツリーに対してサブツリー検索を行う場合、パフォーマンスは検索のベースDNに関係なくフラットな状態であり続けます。この問題は、AncestorID属性を使用することにより解決されています。AncestorID属性はすべての祖先のentryIDのリストであり、各エントリに関連付けられています。このAncestorID属性は、サブツリー検索の間に内部で使用されます。したがって、AncestorIDは検索のスコープを制限します。

この属性は、DIBのエントリを追加している間やすべてのエントリをアップグレードした後に表示されます。また、サブツリーが移動されると、サブツリーのすべてのエントリに対する属性が再表示されます。ただし、アップグレードやサブツリーの移動を行った後で属性を作成する際は、サブツリー検索時にAncestorID属性は使用されません。したがって、サブツリーのパフォーマンスはeDirectory 8.8以前のサブツリー検索のものと同様になります。

AncestorIDがアップグレード後に更新されているかどうかを確認するには。

AncestorIDが一度作成されると、NDSオブジェクトのアップグレードバージョンが6以上に変更されます。エージェント情報のDIB履歴セクションでiMonitorを使用して、このバージョンを表示できます。

AncestorIDがサブツリーの移動操作の後に更新されているかどうかを確認するには。

AncestorIDが作成されている間、擬似サーバオブジェクトの属性UpdateInProgressは、サブツリーのパーティションルートのエントリIDのリストを保持します。AncestorIDが一度表示されると、擬似サーバに属性は存在しなくなります。

AncestorID属性が無効の場合、DSRepairはAncestorID属性を更新します。