Microsoft Windowsでは、関連するユーザアカウントのアクセス権限がユーザアカウントの種類によって決まります。ユーザアカウントはグローバルかローカルです。DRAはInetOrgPersonオブジェクトもサポートしていますが、InetOrgPersonオブジェクトを通常ユーザとして認識します。
ユーザアカウントが作成されたドメインを信頼するドメインならどこでも使用できるユーザアカウントです。ユーザアカウントに特定のパーミッションを付与することができます。ユーザアカウントをグループのメンバーにしてから、そのグループにパーミッションを割り当てる方法もあります。ユーザアカウントのグループ化により、ユーザアカウントが多数ある場合のネットワークパーミッションの管理プロセスが単純になります。
ローカルユーザアカウントは、Windowsオペレーティングシステムにログインする際に使用するアカウントと同じです。これにより、自分のユーザスペースでシステムのリソースにアクセスできます。
Microsoft Windowsでは、管理対象ドメインのディレクトリ内にユーザアカウントとグループ定義が保存されます。このため、管理サーバは、信頼されたドメインがDRAによって管理されている場合を除き、そのドメインのディレクトリ情報を変更することができません。
たとえば、変更できないユーザアカウントとグループがAccount and Resource Managementコンソールに表示されることがあります。これらのユーザアカウントとグループは、管理対象ドメインのうちの1つが信頼するドメインに定義されています。ただし、信頼されたドメインのアカウントとグループを管理対象ドメイン内の別のグループに追加することはできます。
このセクションでは、Account and Resource ManagementコンソールおよびWebコンソールによるユーザアカウント管理について順を追って説明します。適切な権限があれば、アカウントの作成や削除など、さまざまなユーザアカウント管理タスクを実行することができます。複数のユーザアカウントを選択した場合、グループに対するユーザの追加、削除、移動など、選択したタスクを1回の操作で実行できます。自分に割り当てられた権限の詳細については、「割り当てられた権限と役割の表示」を参照してください。
メモ:ユーザアカウントを別のActiveViewにコピーすることは、Account and Resource Managementコンソールからのみ実行できます。
次に示す該当タスクをすべて[タスク]メニュー、または右クリックメニューから実行できます。一般に、目的のユーザオブジェクトを見つけてそれを選択するには、[すべての管理対象オブジェクト]というノードを選択し、[Find Now (今すぐ検索★)]という操作を実行します。新しいユーザを作成する場合は、ユーザを作成する場所のドメインまたはOUを選択する必要があります。1つまたは複数のユーザアカウントを選択すると、実行できるタスクが[タスク]メニューに表示されます。
次に挙げるタスクのほとんどがWebコンソールの[管理]>[検索]タブから実行できます。一般に、検索操作は、必要なユーザオブジェクトを見つけて、それを選択する際に実行します。リストで1つまたは複数のオブジェクトを選択したら、ツールバーのボタンがアクティブになります。ボタンの上にマウスのカーソルを重ねると、その機能が表示されます。
メモ:ユーザアカウントを別のActiveViewにコピーすることは、Account and Resource Managementコンソールからのみ実行できます。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内にユーザアカウントが作成できます。また、プロパティの変更、メールボックスの作成、電子メールの有効化、および新しいアカウントへのグループメンバーシップの割り当てなどを実行することもできます。
メモ:
企業によっては、新規ユーザアカウントに割り当てる名前に対し、ポリシーによって強制的に命名規則が適用される場合があります。
デフォルトにより、新規ユーザアカウントは管理対象ドメインのユーザOUの中に置かれます。
DRAでInetOrgPersonオブジェクトを作成することはできません。
ユーザアカウントのクローンを作成すると、そのユーザがメンバーになっているすべてのグループが新しいユーザアカウントに自動的に追加されるため、クローンとして作成されたアカウントのための設定時間が省けます。クローンとして作成されたアカウントに対しては、グループの追加または削除、およびメールの有効化など、様々なプロパティ設定を新規アカウントのときと同様に行うことができます。
メモ:InetOrgPersonオブジェクトのクローンを作成するときには、ユーザアカウントを作成します。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内のユーザアカウントのプロパティを管理できます。変更できるユーザアカウントのプロパティは、ユーザの権限により異なります。Exchangeをインストールし、Microsoft Exchangeのサポートを有効にすれば、ユーザアカウントを管理しながら対応するメールボックスのプロパティを変更することができます。
メモ:ホームディレクトリのポリシーを有効にすると、そのアカウントを管理するときにユーザアカウントのホームディレクトリが自動的に変更されます。たとえば、ホームディレクトリの場所を変更すると、指定されたホームディレクトリが作成され、前のホームディレクトリの内容が新しい場所に移動されます。元のディレクトリで割り当てられていたACLも、新しいディレクトリに適用されます。
電話番号など、一般プロパティを変更することにより、自分のアカウントを管理することができます。自分のアカウントを管理する前に、適切な権限があることを確認してください。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内のユーザアカウントの名前を変更できます。ユーザのログオン名を変更すると、そのユーザアカウントに対応するメールボックスの名前も変更されます。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内のユーザアカウントを有効にすることができます。Microsoft Windowsアカウントを管理している場合、この変更が適用されるドメインコントローラを指定することができます。
変更を特定のドメインコントローラに適用する場合、その変更は同じ管理対象ドメインのデフォルトのドメインコントローラにも適用されます。デフォルトのドメインコントローラを検証するには、ドメインのプロパティを表示します。
管理対象ドメイン内のユーザアカウントを無効にすることができます。Microsoft Windowsアカウントを管理している場合、この変更が適用されるドメインコントローラを指定することができます。
変更を特定のドメインコントローラに適用する場合、その変更は同じ管理対象ドメインのデフォルトのドメインコントローラにも適用されます。デフォルトのドメインコントローラを検証するには、ドメインのプロパティを表示します。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内にあるユーザアカウントのロックを解除できます。
DRAではユーザアカウントのステータスがアカウントキャッシュから取得されるため、選択したアカウントが実際にはロックされているのにロックが解除されているものとしてユーザインタフェースに表示されることがあります。そのような場合でも、DRAではユーザアカウントのロックを解除することができます。DRAコンソールを使用してユーザアカウントのロックを解除するとき、ドメインコントローラを指定することもできます。このとき、ユーザアカウントのパスワードをリセットする必要はありません。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内のアカウントのパスワードをリセットできます。ユーザアカウントについて変更できるフィールドは、ユーザの権限により異なります。
ユーザアカウントのパスワードをリセットすると、そのアカウントのロックが自動的に解除されます。ユーザアカウントの新しいパスワードがDRAで自動的に生成されるようにするかどうかを選択できます。また、アカウントのパスワード関連のオプションも変更できます。Microsoft Windowsのアカウントを管理している場合は、ドメインコントローラを指定して、そこに対してDRAにこれらの変更を適用させることができます。
メモ:変更を特定のドメインコントローラに適用する場合、その変更は同じ管理対象ドメインのデフォルトのドメインコントローラにも適用されます。デフォルトのドメインコントローラを検証するには、ドメインのプロパティを表示します。
ユーザアカウントを別のActiveViewにコピーすることができます。この操作を、ユーザアカウントの「転送」と呼びます。ユーザアカウントを別のActiveViewにコピーするには、コピー元とコピー先のActiveViewの両方でCopy User to Another ActiveViewという権限を持っている必要があります。ユーザアカウントを別のActiveViewに転送しても、元のActiveViewのユーザアカウントは削除されません。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内の別のコンテナ(OUなど)にユーザアカウントを移動することができます。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内のユーザアカウントを削除することができます。そのドメインでごみ箱が無効になっている場合、ユーザアカウントを削除すると、そのユーザアカウントはActive Directoryから永久に削除されます。そのドメインでごみ箱が有効になっている場合、ユーザアカウントを削除すると、そのユーザアカウントはごみ箱に移動します。
警告:ユーザアカウントを作成すると、Microsoft WindowsによってそのアカウントにSID (Security Identifier)が割り当てられます。SIDは、アカウント名からは生成されません。Microsoft Windowsは、SIDを使用して各リソースのACL (Access Control Lists)に特権を記録します。ユーザアカウントを削除した場合、同じ名前のユーザアカウントを新規に作成しても、削除前のアクセス権を復活させることはできません。
管理対象ドメインまたは管理対象サブツリー内の特定グループにユーザアカウントを追加したり削除することができます。このアカウントが属す既存のグループのプロパティを表示し、変更することもできます。
DRAでは、ユーザアカウントを簡単かつ効率的に変換できます。ユーザアカウントを持つ個人の職責が変更になったときに、DRAの変換機能が使用できます。職務内容テンプレートを使用して、アカウントに設定されたグループメンバーシップを簡単に追加、削除、または更新することができます。昇進、部署移動、退職のいずれであっても、ユーザアカウントの変換機能により、時間、お金、労力などが節約できます。
ユーザアカウントの変換機能は、次の目的に使用できます。
ユーザアカウントに設定されたグループメンバーシップの削除
ユーザアカウントへのグループメンバーシップの追加
ユーザプロパティの変更
特定のグループメンバーシップを削除して同時に他のグループメンバーシップをユーザアカウントに追加する
ユーザアカウントを変更する前に、次のプロセスを検討してください。
グループメンバーシップの追加、削除、またはその両方を行う必要性を判断します。
現在の削除および追加テンプレートを見直して、必要なテンプレートユーザアカウントがあることを確認します。
必要に応じてテンプレートアカウントを作成します。
[Transform User (ユーザの変換★)]ウィザードを終了します。
DRAによるユーザの変換により、削除テンプレートによって指定されたグループメンバーシップはユーザアカウントから削除され、追加テンプレートによって指定されたグループメンバーシップがユーザアカウントに割り当てられます。削除テンプレートまたは追加テンプレートにないメンバーシップは影響を受けません。たとえば、1人の海外営業部員が米国営業課から欧州営業課へと転属になったとします。その会社には配布グループとセキュリティグループの両方があり、それぞれが対応する営業課独自のグループであり、数はすべての営業課で共有されています。米国営業課には「米国重点地域DL」および「米国営業管理DL」という流通グループがあり、欧州営業課には「欧州重点地域」および「欧州営業管理」という流通グループがあります。両課とも「グルーバル営業セキュリティ」というセキュリティグループのメンバーですが、個別に地域固有のセキュリティグループも持っています。
削除テンプレート「米国営業テンプレート」には次のグループメンバーシップが指定されています。
米国重点地域DL
米国営業管理DL
グローバル営業セキュリティ
米国セキュリティ
追加テンプレート「欧州営業テンプレート」には次のグループメンバーシップが指定されます。
欧州重点地域DL
欧州営業管理DL
グローバル営業セキュリティ
欧州セキュリティ
変換プロセス中に、転属された営業部員のユーザアカウントはまず、「米国営業テンプレート」によって指定されたすべてのグループメンバーシップから削除され、「欧州営業テンプレート」によって指定されたすべてのグループメンバーシップに追加されます。仮にこの社員が「ポーカー仲間」という配布グループのメンバーでもある場合、このグループメンバーシップは変更されません。
次の権限を付与すれば、アシスタント管理者が変換プロセス中にユーザアカウントをさらに変更することができます。
ユーザアカウントの変換と同時に所在地プロパティを変更
ユーザアカウントの変換と同時に説明を変更
ユーザアカウントの変換と同時に事務所を変更
ユーザアカウントの変換と同時に電話プロパティを変更
また、グループメンバーシップを追加または削除する権限を限定することもできます。それには、次に挙げる権限のいずれかのみをアシスタント管理者に与えます。
テンプレート内に存在するグループにユーザを追加
テンプレート内に存在するグループからユーザを削除
権限を応用したこのような制限オプションのいずれかを使うことで自社のセキュリティに厚みが増します。テンプレートに存在するグループだけを削除するだけの権限を特定の社員に付与する形で、暫定のユーザアカウントが作成できます。これらの暫定アカウントは、別のアシスタント管理者が追加テンプレートのアカウントを使って新しいグループメンバーシップを付与してしまう前に、検証することができます。
ユーザアカウントの変換は、社内での役割と職務に直接連携しています。社内の役割や職務ごとにテンプレートを作成することを検討してください。DRAでは、削除テンプレートとして使用されるユーザアカウントと追加テンプレートとして使用されるユーザアカウントを区別しません。社内での役割ごとにテンプレートユーザアカウントを1つ作成してください。変換中に、テンプレートを削除または追加として選択します。削除テンプレートとして選択したテンプレートを、後の変換処理で追加テンプレートとして使用することもできます。
ユーザ変換テンプレートを作成するには、ユーザアカウントを作成し、そのユーザアカウントに適切なグループを割り当てる権限がなければなりません。これらの権限をは、適切なActiveViewでCreate and Delete User AccountsおよびGroup Administrationという各役割をアカウントに関連付けるか、個々の権限を割り当てることで、取得できます。
ユーザアカウントを変換することで、ユーザアカウントグループメンバーシップの追加と削除のいずれか、またはその両方が実行できます。社内での人事異動の際に、このワークフローを使用します。Transform a Userという役割か、ユーザアカウントを変更するための権限を含んでいる役割を持っていなければなりません。この機能は、Account and Resource Managementコンソールからのみ実行できます。
ユーザアカウントを変更するには、次の手順を実行してください。
左側の表示枠にある[すべての管理対象オブジェクト]を開きます。
管理するユーザアカウントを指定するには、[Find Now (今すぐ検索★)]という操作を実行してユーザオブジェクトを見つけ、それを選択します。
[タスク]>[変換]をクリックします。
[ようこそ]ウィンドウを確認してから、[次へ]をクリックします。
[Select User Template (ユーザテンプレートの選択★)]ウィンドウで、[ブラウズ]を使用して適切な削除テンプレートユーザを選択します。
削除テンプレートのユーザアカウントのプロパティを確認する必要がある場合は、[表示]をクリックします。
[ブラウズ]を使用して、適切な追加テンプレートユーザを選択します。
追加テンプレートユーザアカウントのプロパティを確認するには、[表示]をクリックします。
適切な権限があるユーザであれば、[Change other properties of the user (このユーザの他のプロパティを変更する★)]にチェックマークを入れて、変更するプロパティを選択することができます。[次へ]をクリックして、使用可能なプロパティまで移動します。
[次へ]をクリックします。
[Summary (概要★)]ウィンドウの内容を確認したら、[Finish (終了★)]をクリックします。